Seeds

January 04, 2011

TEDの魅力:最大の娯楽コンテンツは、音楽でも映像でも文学でもなく"トーク"なのだ。

okpojkpTEDxSeeds 2010 Conference

2010.11.20
横浜赤レンガ倉庫1号館
横浜市中区新港1








ちょっと前のイベントのこと書き忘れていた。
TEDxSeedsに参加してきたので雑感まで。

まず、TEDとはテクノロジー、エンターテインメント、デザインの頭文字。1984年に「広めるべきアイデアを共有する場(ideas worth spreading)」の精神をもとにアメリカで始まったセレブ向けサロン。年会費6千ドル(約50万円)で年二回開催される。マンデラから市井の人まで、一つのテーマを18分以内で簡潔に喋る。TEDに行ったかどうかが、知的富裕層のちょっとしたステータスだった。
2006年に新しい経営者になると、そのスピーチ映像はネットを通じて配信されるようになった。(日本語のTEDは コチラ まで...) いまでは、各国のボランティアがそれを翻訳し、かつ分派活動(Seeds)として幅広く展開されている。

今回のTEDxSeeds日本は、2009年12月に第1回目のイベントを銕仙会能楽堂(東京・青山)に続き2回目となる。今回は、「再繋」「創造の扉」「対話する大地」「新・未知との遭遇」と題した4部構成で、学術、芸術、技術などのさまざまな分野で創造的な活動をしているゲストを招きプレゼンテーションを行った。

スピーカーは、石黒浩さん(ロボット学者)、伊藤直樹さん(クリエイティブ・ディレクター)、押尾コータローさん(ギタリスト)、小田兼利さん(水再生活動家)、神崎亮平さん(生命知能工学者)、三分一博志さん(建築家)、武藤佳恭さん(発明家・科学者)、天平さん(ピアニスト)、土佐信道さん(明和電機・アーティスト)、福原賢一(ベネッセホールディングス代表取締役副社長・企業家)、安田登さん(能楽師)、渡辺淳さん(脊髄損傷回復トレーナー)の12人。

さて、雑感。

面白いイベントだったと思うが、どうしても本場のもつ面白さに対して物足りなさを感じた。それは人選でも運営でもなく、トーン&マナーの問題と思う。分かりやすく言うと、TEDの何が面白くて、何を基軸とした話をすべきかという議論が足りなかったと思う。(失礼!事務局の方々は一生懸命やっていたと思う)

まず、本場の映像の面白さを一番体現しているのが下記の映像と思うので、ご覧頂きたい。( ↓ 画像の左下[View subtitles]をクリックして字幕言語を選択してください。日本語もでてきます)

『ダン・バーバー: 魚と恋に落ちた僕』
ダン・バーバー(Dan Barber)は、マンハッタンの有名店[Blue Hill]など数十店のレストランの経営者でありシェフである。その彼をして焼魚の皮が食べられなかった。ある日、ある焼魚の皮が食べられた!その真相を探るうちに養殖の問題に行き着くのだ。



さて、どうでしょう。面白いでしょ?この面白さを分析すると下記になると思う。

・ あくまで主体は本人の喋りの魅力(と話術)。
・ 学会ではないのでPPTは最小限。可能なら写真のみ活用。
・ 自分の関心を深めていくと、とんでもない未知の何かを発見。

この3点に尽きると思う。音楽はなし、映像もなし。あくまで話だけで人を惹きつける。考えれば分かりそうな事実を、その人のフィルターを通じて聞くと何か別の新しい発見であるかのように感じること。

これこそがTEDの魅力ではないだろうか。



tabloid_007 at 18:38|PermalinkComments(0)