高野誠鮮

December 25, 2011

本「地活な人々―こころ豊かに地域活性化」:スーパー公務員 高野誠鮮の神がかりは、UFOではなく 地を這うマーケディングからくる!

IMG_0007地活な人々―こころ豊かに地域活性化
オンブック(2009-04)












金沢から帰る飛行機の中でTBSテレビ「夢の扉+」限界集落を救ったスーパー公務員、羽咋市役所職員の高野誠鮮さん(1955年生まれ)の番組をみた。

いやあ興奮した。この方は実家の寺をつぐため1984年に、東京からUターンして地元の公務員になった。* お寺と兼務。

2000年初頭、担当している地域(能登半島の付け根に位置する石川県羽咋市(はくいし)神子原(みこばる)地区)が限界集落(住民の半数が65歳以上の高齢者)となった。

当時は、約80戸の兼業農家の年間農業所得が1戸あたり約87万円。このままでは、農業壊滅と考え農協を通さないで自分たちで値段を決められるブランド米を作ろうと提案。

しかし3世帯だけが米50俵を高野氏に託し、あとの人は買い取り補償のない挑戦はできないと断った。関係者で話し合い、有名人に食べてもらってブログに書いてもらおうなどという凡庸なアイデアもあったそうだ。

高野さんが考えたのは、「神子原」のネーミング。これを英訳すると、“The Hilands where The Son of God Dwells”。つまり神の子“キリスト”が住む高原をを意味するのではないか、と。
 
さっそく、バチカンに売り込みの手紙を書いた。このあたりの実行力が素晴らしい。ローマ法王が召し上がっていただける可能性はございませんかと。2か月後、大使館から連絡があり、バチカンも800数十名足らずの世界で一番小さな国なので架け橋をしますとなった。

2005年10月24日、ローマ法王へ日本から初めて認められたお米の献上品となった。このことが世界中に伝わると瞬く間に、神子原米はトップクラスのブランド米になった。通常14,000円のコシヒカリが、42,000円となったのだ。

さらに、この米を原料にして酒造メーカーと組んでの4合瓶33,600円のワインテイストの日本酒も開発。これまた世界的にブランド品となった。

この番組みて、凄い企画力の人がいるものだと感心していたら、橘川幸夫さんが本をだしていた!相変わらずの触覚である。さらに橘川さんから聞いて驚いたのは、高野さんは、あのUFOディレクター矢追純一さんのお弟子さん格の方で、東京にいるときはテレビ番組制作に携わっていたというからびっくり!

昔、飛島竜一というペンネームで、「宇宙人死体解剖」という本を書いていた。実は、高野さんは神子原米をヒットさせる前に、「UFOで町おこし」をやって話題を提供している。「日本全国にある宇宙関連の博物館は全てほとんどゼネコンのプランで実施されており、ハリボテ(偽物)の宇宙船の模型などが設置されているが、膨大な費用がかかり、しかも偽物だから錆びたり、劣化したりするので維持費もかかる。私はロシアの宇宙船などを買い付けに行き本物を展示した。本物を設置したほうが偽物よりも安くすんだ。ロシアの本物が羽咋市にあるということでNASAも調査に来た。本物を見たいと全国各地から多くの視察者が訪れるようになった。本物の持つ価値、オーラが人を引きつける。つまり「展示物は本物」にこだわろうとすると、自分で手配しなければならないから自治体職員にはなかなかできない。本物の宇宙船なんて買えるのか?ということから全部自分で始めた」

結局、博物館「コスモアイル羽咋」は、人口2万5千人の羽咋市に年間10万人集まり、大成功した。

他にも高野さんの成功企画は山のようにあるのだが、話をきいていると、凡庸から飛躍するアイデアをだすために徹底したフィールド調査(人に会ったり、現地にいったりする)を行っている。企画の第一歩は、そこなんだよね。

それにしても、UFOや神という題材自体は、好きなんだろうなぁ!



tabloid_007 at 19:05|PermalinkComments(0)