長谷邦夫

January 04, 2009

70年代で生きている2009年の事情

nagataniマンガ編集者狂笑録 (水声文庫)
著者:長谷 邦夫 (ながたにくにお)
販売元:水声社
発売日:2008-04

 

 

 

 

長谷邦夫さんは、長年赤塚不二夫さんのブレーンをやっており、自身でもパロディマンガを描くマンガ家である。その長谷さんが、戦後漫画史を支えた名編集者を紹介している。「トムとジェリー」という項目で、29歳で「週刊少年マガジン」編集長に大抜擢された内田勝さんとフクヘンの宮原照夫さんのコンビについて記している。編集長になる前後と「巨人の星 」を生むまで、100万部到達記念で富士山登頂あたりまで描いている。

これを読んで思い出した。当時、内田さんは疲労から両目の瞼が開かないほど困憊していたが、ほとんど杖と酸素ボンベを頼りに富士山に登りきった。その顔があまりにも壮絶だったので、後にジョージ秋山さんが内田さんの風貌を『アシュラ 』のモデルにしたという話だ。内田さんは、ジョージ秋山さんの息子さん命君の命名者でもある。それくらいの関係なのである。

そのジョージ秋山さんが1970年同時期に「少年サンデー」に描いた『銭ゲバ』が今度 日テレでドラマ化される。我々はまだ偉大な70年代のクリエイティブを超えられないでいる。頑張らねば。

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