May 02, 2010
『刻刻』 (堀尾省太) : SFブームよ、再び!

著者:堀尾 省太
販売元:講談社
発売日:2009-08-21
SFが流行った1970年代。当時のワタシのSF指南役はSFマガジンと数年前に亡くなられた野田 昌宏[宇宙軍大元帥] (本名:野田宏一郎) だった。野田さんが亡くなられる少し前、確か2004年頃だったと思うが初めてお会いした。
その時に、昔のアメリカのSF雑誌コレクションが用賀のマンション3LDKにいっぱいあると聞き、「それは文化遺産ですね」といったところ野田さんは「いまどきSFは流行らないよ」と寂しそうにつぶやかれた。
本書のようなパラレルワールドもの(今回は時間が止まる)はSF世界では定石の設定である。この設定と謎の宗教団体・真純実愛会を軸にストーリーが進んでいく。
宗教団体にさらわれた家族を救うため、樹里たちは祖父がひた隠しにしてきた術を使い森羅万象が止まった世界「止界」に飛び込む。だが、誘拐犯たちのアジトに乗り込んだ樹里たちは、自分たちと同じく、止界の中で動ける者たちに遭遇する...
ブームは揺れ動きがあるので、いままたSFブームがくると確信している。