November 12, 2011
野田凪と 彼女の思い出と あの犬と 2006年の日々のこと。
野田凪展
2011年10月18日(火)〜 11月18日(金)
クリエイションギャラリー G8
中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
03-6835-2260
野田凪さんが亡くなって、もう3年。あれは、2008年のことだった。
交通事故の後遺症に悩んでいたという。34歳。若すぎる死…。
単にアートディレクターというに及ばず、ファッション、アート、海外へと活動の場を広げていた。
本展では、LAFORET、NIKE、サントリーなどの広告ポスター、CMからYUKI、宇多田ヒカルなどのCDやミュージックビデオ、パッケージ、装丁、プロダクト、ファッション、アートワーク「ハンパンダ」など、彼女に全仕事を俯瞰できる展示だった。
晩年、「ハンパンダ」をコアにしたデジタル世界を創ろうということで幾度も打ち合わせをした。いつも、遅刻。お母様は忙しく、裁縫を手伝ったりしていた。
結局、私のデジタル仕事は完遂することはなかったが、彼女との仕事の刺激だけが脳にこびりついている。そして、あの膝にのってくるワンちゃんも...
彼女は、いつも気が散っているようにみえた。海外に電話したかと思えば、犬と話し込んだり…それが情緒不安定な感じではなく、今にして思えば、なんだか一生懸命生きていたんだなぁと思う。脳みそをフル回転させて、遺すものを遺した疾走感だけが風となって残っている。
3年たてば、こうやって冷静に彼女の仕事をみつめられるものだな。
いまでもオフィスに「ハンパンダ」のぬいぐるみは置いてあるよ。
いろいろ、野田凪の仕事で好きなものはあるが、雑貨屋「Francfranc」のCMが好きだ。↓ リンク映像アリ
SHORT FILM Francfranc 2003 "Small Love Story about Alex & Juriet"
広告ビジュアルも大胆な発想の作品がふんだんにある。
野田凪
1973年東京生まれ。
女子美術大学芸術学部造形計画デザイン科卒業。
I&S、大貫デザイン、サン・アドを経て
2003年デザイン集団宇宙カントリー設立。
海外ではミシェル・ゴンドリーやトラクター等が所属するロサンゼルスのPartizanに所属。
2007年ファッションブランド「broken label」を設立。
アートディレクター、映像ディレクター、アーティストとして活躍。LAFORET、NIKE、サントリー、KOSE、LG、Coca-Colaワールドキャンペーンの広告や、「ハチミツとクローバー」のオープニングタイトル、YUKI、宇多田ヒカル、スネオヘアー、TIGA、Scissor SistersなどのCDジャケットやミュージックビデオを制作。広告キャンペーン、ショートフィルム、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、洋服のデザイン、パッケージデザイン、装丁まで幅広く手がける。アートワークとして、コンテンポラリーアートの展覧会やインスタレーションも行う。「ハンパンダ」の生みの親。ADC賞、TDC賞、JAGDA新人賞、グッドデザイン賞金賞、NYフェスティバル銀賞、NY ADC金賞、銀賞、NYTDC賞、ACC銀賞、カンヌ国際広告賞ブロンズライオン賞など数々の賞を受賞。
2006年2月野田凪展(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)
2006年4月野田凪展(パリ コレット)。
2008年9月7日逝去、享年34歳。