谷川俊太郎

December 26, 2010

絵本「ことばあそびうた」 (著 谷川俊太郎) : またね あしたね つきよだね

IMG_0005-Sことばあそびうた (また) (日本傑作絵本シリーズ)
著者:谷川 俊太郎
福音館書店(1981-05-30)












言語学者によれば、日本語とポリネシア語だけは母音構造で出来ている。だから、音を意味と捉える健康が強いらしい。ポーランド語などは子音を7つもならべて話したりする言葉もあるらしい。つまり、赤ちゃんの泣き声一つとっても、日本人は悲しんでいるように聞こえるが、欧米人には風の音の如し、ということもあるようだ。

さて、そんな日本語でも右脳を刺激し、ラップのように楽しめるのが谷川俊太郎さんの本書なのである。例えば、「たね」という詩を以下に抜粋してみる。

ねたね
うたたね
ゆめみたね

ひだね
きえたね
しゃくのたね

またね
あしたね
つきよだね

なたね
まいたね
めがでたね


...こんな調子が心地よい。

tabloid_007 at 19:55|PermalinkComments(0)

December 04, 2010

「私―谷川俊太郎詩集」:自己紹介が詩的だなんて、己を知らなさすぎた!

IMG_0002私―谷川俊太郎詩集
著者:谷川 俊太郎
思潮社(2007-12)











今年の6月に谷川俊太郎さんの詩の朗読会にいってから、少しずつ谷川さんの詩を読んでいる。朗読会でも印象的だった本作をようやく読むことが出来た。

冒頭に「自己紹介」という素晴らしい詩があるので紹介したい。この一節を読めば、もうこの本全体が欲しくなるはずである。


私は背の低い禿頭の老人です

もう半世紀以上ものあいだ

名詞や動詞や助詞や形容詞や疑問符など

言葉どもに揉まれながら暮らしてきましたから

どちらかというと無言を好みます


私は工具類が嫌いではありません

また樹木が灌木も含めて大好きですが

それらの名称を覚えるのは苦手です

私は過去の日付にあまり関心がなく

権威というものに反感をもっています


斜視で乱視で老眼です

家には仏壇も神棚もありませんが

室内に直結の巨大な郵便受けがあります

私にとって睡眠は快楽の一種です

夢は見ても目覚めたときには忘れています

tabloid_007 at 18:12|PermalinkComments(0)

November 07, 2010

[X 8 SMART CANVAS] "時ってなんだろう? 8人のクリエイターによる、新しい時の感じ方"

OUHIGYF[X 8 SMART CANVAS]
"時ってなんだろう? 8人のクリエイターによる、新しい時の感じ方"

2010.1028[thu] - 1103[wed]
東京ミッドタウンvガレリアB1








セイコーエプソンが開発した電子ペーパーの腕時計を素材に、各分野で確約するクリエイターが新デザインを披露した。

ワタシの関心は、もっぱら下記の2人にしぼられた。
まず、詩人 谷川俊太郎さんの作品「時と時間」。以下パンフから抜粋。

『時間と時、同じことを意味しているようでいて微妙に違う。「時」は「解き」などと同源という。固く結ばれていたものがゆるむ、どこか冬から春への事前を思わせる言葉だ...(以下続く)」

そして、漫画家 横山裕一さんの「ドレスアップ」。ひたすら、異常なコスチュームに淡々と着替えていく男たちの姿を表現している。緊迫感が時を感じさせるのか?面白い。 

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tabloid_007 at 18:26|PermalinkComments(0)

August 29, 2010

『すき―谷川俊太郎詩集 』: あなたは学ぶ 空に学ぶ 空はすでに答えている 答えることで問いかけている 

sukiすき―谷川俊太郎詩集 (詩の風景)
著者:谷川 俊太郎
販売元:理論社
発売日:2006-05









先日、谷川俊太郎さんの詩の朗読会に行った。たくさんの詩を詠んでくれた。その中の一編がここに収められている。「まり」っていう詩だ。

その詩をなぞりながら、また新しい詩をみつける。この本には、そんな魅力的な詩がいっぱい詰まっている。

以下、一部抜粋。

未来へ

道ばたのこのスミレが今日咲くまでに

どれだけの時が必要だったことだろう

この形この色この香りは計りしれぬ過去から来た

(中略)

未だ来ないものを人は待ちながら創っていく

誰もきみに未来を贈ることはできない

何故ならきみが未来だから


tabloid_007 at 09:03|PermalinkComments(0)

June 22, 2010

谷川俊太郎さんの朗読会: 昼には青空が嘘をつく 夜がほんとうのことを呟く間 私たちは眠っている 朝になるとみんな夢をみたという

tanikawa62のソネット+36 62 Sonnets+36 (集英社文庫)
著者:谷川 俊太郎
販売元:集英社
発売日:2009-07-16










先週末、イラストレーターの斉藤美奈子ボツフォードさんが鎌倉に作ったギャラリースペース:Happy-Go-Luckyの杮落しで、詩人の谷川俊太郎さんの朗読会&パーティがあり招待された!

20人くらいの小規模パーティで谷川俊太郎さんが半世紀以上前(1952年)につくった詩を朗読。何という贅沢!続いて、その翻訳者であるエリオットさんも谷川作品を朗読。最高の一夜だった。

朗読して頂いた詩(「62のソネット+36」1952年)の一節で、下記のようなところがあった。

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昼には青空が嘘をつく


夜がほんとうのことを呟く間私たちは眠っている


朝になるとみんな夢をみたという

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ご本人の解説によれば、昼は夜の真実を隠しており、夜こそが世界の、宇宙の、すべての、真実がわかる存在であるとのこと。
昼は、青空で深遠なる宇宙の深みや真実を多い隠している。

なるほど、青空より夜空を長く見てしまうのは真実への探求だったのだ。星が青空によって見えなくさせられていたとは、まさに言葉の力である。

↓ 自慢のツーショット。

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