March 09, 2008
得体の知れない卵の正体
乳と卵
乳と卵と書いて、"ちちとらん"と読むらしい ここには、まったく男がでてこない でてこないから らん から生まれてきて ちち を吸うことしか書いていない 精子は描く必要はない だから ちち は 乳であって、父ではないのだ
緑子の母も 父には会えない... 会って酔っていたのか会わなくて酔っていたのかは問題ではない 父はずっと不在のままなのだ
乳と卵
乳と卵と書いて、"ちちとらん"と読むらしい ここには、まったく男がでてこない でてこないから らん から生まれてきて ちち を吸うことしか書いていない 精子は描く必要はない だから ちち は 乳であって、父ではないのだ
緑子の母も 父には会えない... 会って酔っていたのか会わなくて酔っていたのかは問題ではない 父はずっと不在のままなのだ
星へ落ちる
金原ひとみが芥川賞をとったのは、もう4年の前の出来事である。21歳での受賞ということで騒がれたが、その後の作品発表のから順調にキャリアを築いているのだろう。海外でもつとも翻訳されている作家だそうだ。さて、本作は昨年雑誌に掲載された短編の単行本化である。
元彼の部屋を出て、「彼」と付き合い始めた「私」。「彼」が女と浮気をしていると知り、自殺を考える「僕」。突然去った「彼女」を待ち続ける「俺」。1つの恋愛を3つの視点で描いている。まるで、マルチアングルのようであるが、その視点の混乱が面白いまとめにつながっていないように思う。交差しない視点が孤独を浮き彫りにする、という感じが欲しかった。
◇金原 ひとみ(かねはら ひとみ、1983年8月8日 - )=芥川賞作家。
東京都出身。
父は児童文学研究家・翻訳家の金原瑞人。
文化学院高等課程中退。小学校4年生のとき不登校になり、中学、高校にはほとんど通っていない。
小説を書き始めたのは12歳の時。中学3年生の時、父が法政大学で開いていたゼミに、「めいっ子の高校生」として参加。20歳の時、周囲に勧めを受けてすばる文学賞に応募した。
2003年、「蛇にピアス」で第27回すばる文学賞を受賞。
2004年、同作で第130回芥川賞を綿矢りさと共に受賞。
そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります
「わたくし率イン歯ー、または世界」で芥川賞候補になった歌手であり文筆家の川上未映子のブログの書籍化。
彼女の文体は、頭に浮かぶ言葉の連鎖のように、読み手にとっても自分の独り言のように聞こえるのだ。
詩のような喋り言葉のような頭言葉とでもいったら良いのだろうか。
アサッテの人
久しぶりに衝撃的な文芸作品に出遭った感じである。失踪した叔父の手記を元に語り手であるはずの甥の「私」がいつのまにか、失踪した叔父を題材にフィクションを書き始めるが、いつしか叔父の手記から文体にまで影響をうけはじめ、完成を断念する小説である。
作品の多重構造の割には語り口はシンプルで読者をグイグイ引き込んでいく。物語の先が気になる精緻な作品だった。
■諏訪 哲史(すわ てつし、1969年 - )=小説家。2007年、「アサッテの人」で第137回芥川龍之介賞受賞。
1969年、愛知県名古屋市に生まれる。
愛知県立名古屋西高等学校、國學院大學文学部哲学科卒業。
大学在学中より種村季弘に師事。
2007年、退職し2年間引きこもった末に書き上げた「アサッテの人」で、第50回群像新人文学賞を受賞し小説家デビュー。さらに第137回芥川龍之介賞を受賞する。この2つの賞の同時受賞は村上龍以来30年ぶりである。