福満しげゆき

March 10, 2013

コミック【うちの妻ってどうでしょう?(5)】(著者 福満 しげゆき):どう?って...ミューズでしょ!

rtcfyvguhbうちの妻ってどうでしょう?(5) (アクションコミックス)
著者:福満 しげゆき
双葉社(2012-12-27)











5巻目か...。
どうしてこの他愛ない夫婦の話を5巻も読み進めてしまったのか...

もちろん、このコミックがヒットシリーズあることは知っている。

極度に不安症の作者っぽい主人公(もちろんフィクションと思う)が、漫画家稼業の毎日を強気になったり弱気になってたりしながら暮らしているのだが、そこへ、呑気で太っ腹な“妻”がオーバーラップすることで、その強弱がドラマ性を生む。

ドラマ性というと大げさだが、男子って中二のままだなぁって自分のことのように主人公に感情移入してしまうんだ。だから、その不安定さをカバーしてくれる“妻”がミューズに思えちゃうんだなぁ。

tabloid_007 at 22:49|PermalinkComments(0)

January 30, 2011

漫画「僕の小規模な生活(4)」(著:福満 しげゆき):日常の気づきを超越した妄想で成立しているエッセイ・コミック!

IMG-s僕の小規模な生活(4) (モーニングKCDX)
著者:福満 しげゆき
講談社(2010-12-22)











いちばん最初に福満しげゆきさんの漫画を読んだのは「カワイコちゃんを2度見る」だったかな?

日常のことを描いているのにコミックエッセイ的な感じがしない。エッセイが日常の気づきで成り立っているとするならば、福満さんの漫画は、日常の気づきを超越した妄想で成り立っているような感じなのである。

その"思い込み"と強さが"面白さ"に変わるところが面白い。

tabloid_007 at 21:19|PermalinkComments(0)

September 25, 2010

コミック『うちの妻ってどうでしょう?』 (著者:福満 しげゆき) : 中学生の鬱屈をもった中年が、天真爛漫な妻を描くとスペクタクルになる訳

IMG_0002-Sうちの妻ってどうでしょう?(3)ーアクションコミックス
著者:福満 しげゆき
販売元:双葉社
発売日:2010-08-28










既に3巻。男性のコミック・エッセイは珍しい。しかし、女性のそれと違って福満しげゆき氏の日常は、極めて男の子的な強迫観念に満ちている。芸能人を見るとモテまくっているに違いないと決めつけ。金持ちは憎むべき相手として執拗に批判し、しかし、どこか内省を含みながら憧憬の眼差しも忘れない。

こういう中学生のような鬱屈が、プロの視点で描かれる。だから面白い。中学生の感性を大人の視点で完全移植しているところが面白いのだ。そこへ、天真爛漫で怒りっぽい...ある意味では普通の奥さんを題材にして、その中学生視点で観察する主人公の感覚が笑えるのだ。毎日がスペクタクルに思える訳である。

tabloid_007 at 23:00|PermalinkComments(0)

August 05, 2010

『グラグラな社会とグラグラな僕のまんが道』 (著者:福満しげゆき): どうせコントロールできないなら『何でもいいや』と思える気持ちも重要だと思う

IMG_0002-SDグラグラな社会とグラグラな僕のまんが道
著者:福満しげゆき
販売元:フィルムアート社
発売日:2010-05-25









福満しげゆき氏の初エッセイ。もともとネームが面白い漫画家なので、エッセイでも面白い。下記、面白かった箇所 以下抜粋。

『ガロ』デビューのいきさつ
「こうしたらこうなる」とか「こういう風にはしないぞ」というのは、前もって考えてもムダなんです。そういう見切りの良さも大事と思うんです。どうせコントロールできないなら「何でもいいや」と思える気持ちも重要。

下の世代がバカに見える理論
「己が賢いと思っている編集者がいるんです。あなたは単に、年相応に「あれが良い、あれが悪い」って言ってるだけなんだよ、と言ってやりたい。中学生には中学生なりの、高校生には高校生なりの面白いものがあると理解せずに、自分がわかるものだけ良いと言うだけでね。」

自分なりのコミュニティの必要性
「結局、必要なものって、自分のテリトリーというか、コミュニティ、それだけなんですよ。「こんなこと言われたんだよ」「それはひどいね」と言ってくれる相手が゛いる。それだけでも、あるとないでは大違いなんですよね。で、意外とそれだけで人間は生きて行けたりするんですよね。」



tabloid_007 at 23:21|PermalinkComments(0)

July 12, 2009

ペロッと舐めるヨーグルトの蓋

UCHINO2うちの妻ってどうでしょう? 2 (アクションコミックス)
著者:福満 しげゆき
販売元:双葉社
発売日:2009-06-27

 

 

 

 

すっかり人気がでている本作。自伝のようでいて、そんな赤裸々に描くわけないと思わせて、やっぱり本当なのかな?と思わせる。

実際、mixiで奥様の姿を拝見したが、とっても美人の奥様。福満氏も漫画と全然違ってシュっとしている。ということは、これは内面の旅なんだろうな。

確かに、ミクロな日常をこれだけマクロに描けるなんて「ミクロの決死圏」より凄いことだよ。もし疑うなら、読んでごらん。そういうミクロの世界に生きている自分を発見できる。



tabloid_007 at 22:51|PermalinkComments(0)

April 19, 2009

発明によって変化しない毎日

fukumitsuやっぱり心の旅だよ
著者:福満 しげゆき
販売元:青林工藝舎
発売日:2007-01

 

 

 

 

なんとも内省的な毎日を送る主人公が突拍子もないことをしでかす...。福満しげゆきの世界である。こんな青春期あった、という同感よりもこういう突如はじける奴いたな、と思う。その突拍子のない理屈が共鳴できる漫画なのだ。

本書は多数の短編が収録されているが、エロ雑誌からの依頼原稿も多い。エロ雑誌からの制約ある仕事の中でエロ以上のものを打ち出そうという趣向が随所にみられ面白い。

ワタシは月間IKKIに掲載された「新世紀僕はどうなる」が好きだ。ガソリンスタンドでバイトする「僕」が貧相なおじさんと出会う。そのおじさんは長年ハカセという渾名でバカにされている発明家なのだ。彼の繰り出すせつない発明の数々がちっとも「僕」の人生を変化させない。でも人生は続くところがいい。



tabloid_007 at 20:59|PermalinkComments(0)

November 23, 2008

決まった相手にしか届けない会員制有料雑誌

hon-1 雑誌「エクス・ポ」 vol.6 最終号 第1期

 

 

 

 

 

渋谷にあるHEADZという会社が発行している有料会員誌。隔月発売で今回が1年目の6冊目で第1期終了ということである。A4 8枚のフルカラーに物凄い小さなフォントでぎっしり編集されている。マンガも四コマ掲載するスペースは無いので、すべて三コマである。しかし、執筆人が凄い。ワタシが先日から天才といっている大橋裕之さん、大好きな古泉智浩さん、福満しげゆきさんなど多才である。



tabloid_007 at 16:05|PermalinkComments(0)

November 02, 2008

彼の大規模な気付き生活

shokibo 僕の小規模な生活 2 (2) (モーニングKCDX)

 

 

 

 

 

福満しげゆき氏の作品は、独特の内省によって描かれている。女流作家のコミックエッセイと違い、福光さんの日常はほとんど何も起きない。何も起きないことがネタになっているのだが、本作品においては、奥さんのキャラクターが非常に重要で、愛情からくる苛立ちのような些細なことが日常の重要に転化し、なんとも味わいのある面白さにつながっている。



tabloid_007 at 15:30|PermalinkComments(0)

May 24, 2008

妻という日常に潜む、得体の知れない存在

うちの妻ってどうでしょう? 1 (1) (アクションコミックス)
福満しげゆきのマンガ単行本が連立て続けに読める。昨年の「僕の小規模な生活 」(2007/12)、「生活 」(2008/1)に続いて本作。双葉社の「漫画アクション」連載の単行本化である。

妻にSFを見る、というか異次元をみる。という感覚が面白しわかる。単に女性ということではなく、妻という日常存在し、その不可思議な説明のつかなさとはなんなのか。解明の第一歩という感じ。ただし、油断すると噛まれるらしい...



tabloid_007 at 19:56|PermalinkComments(0)

April 20, 2008

そこらへんの人の生活

生活 1 (1)
福満しげよゆきのマンガは大好きだ。勇気も根性もない市井の人たちが突然奮発して頑張って(時に異常行動)しまう。その転換点に一瞬希望を見出すことが出来るのかもしれない。

一見 小市民の人たちが集まって自警団を作ると宗教的なまでにファシストと化してしまう恐怖は、案外こういう日常的なきっかけで起こるかもしれないなぁと思わせる傑作。



tabloid_007 at 01:18|PermalinkComments(0)

May 04, 2007

カワイコちゃんと関係なく宇宙人と関係

カワイコちゃんを2度見る
世界中の死者がゾンビとなって動き始めた!....が、その時 日本は普通だった。というような帯に魅せられて読んだ。冴えない通り魔の中年を追いかける若い女性の動機がワイドショーで有名になりたい、という感性にも時代を感じる。読むべし!

■福満しげゆき(ふくみつ しげゆき、1976年 - )=漫画家。東京都田無出身。大学卒。
学生時代より、『月刊漫画ガロ』誌の「4コマガロ」に投稿、常連投稿家となる。 その後、同誌の1997年2月号の「妹味」(福満茂之名義)でデビュー。 『別冊ヤングマガジン』等のメジャー誌で執筆するも、『アックス』などマニア誌が主たる執筆場所である。 また『週刊モーニング』に「僕の小規模な生活」が不定期掲載されている。http://www.k5.dion.ne.jp/~fukuyuki/index.html



tabloid_007 at 10:51|PermalinkComments(0)