益田ミリ

May 16, 2010

『ほしいものはなんですか?』(著:益田ミリ)=すべての質問に応えると、自分を見失う...

MIRIほしいものはなんですか?
著者:益田 ミリ
販売元:ミシマ社
発売日:2010-04-22









益田ミリさんの漫画はつい手に取ってしまう。そこには、人の気持ちの隙間が丁寧に描かれている。その隙間は日々、開いたり閉じたりする。焦燥感と諦め。希望の裏返しの絶望。バーナード・マラムードの短編のような市井の人たちの憂鬱を淡々と描いている。


tabloid_007 at 10:12|PermalinkComments(0)

January 10, 2010

森で過ごすのに、大きな決断はいらない。

miru週末、森で
著者:益田 ミリ
販売元:幻冬舎
発売日:2009-10









文明の進化は、人の余暇を増大させた。20世紀の最大の発明は、テレビである。テレビにより、世界の反対側にある遠くの情報が行かなくて入手できるようになった。21世紀は、ITにより遠くに行かなくても仕事が出来るようになった。

その結果、人は二つの方向を選べるようになったと思う。1つは、余暇をより忙しい方向へ費やす。もう1つは、余暇は自分のためにゆっくりノンビリとした時間として過ごす。

本書は、漫画家・エッセイストである益田ミリさんの話なのだろうか。仕事の作業が一人で出来る主人公。ゆえに、場所からは開放された住居が選択できる。森に住むわけではなく、最寄りの地方都市に居を移す。そして、ITを駆使してお取り寄せ食材で友人とささやかなパーティもする。このなんとも中庸な生活感が、とても羨ましい。

tabloid_007 at 17:26|PermalinkComments(0)

June 06, 2009

世の中の父親はぜんぶ同じでぜんぶ違う

miri-1オトーさんという男
著者:益田 ミリ
販売元:光文社
発売日:2009-05-22

 

 

 

 

益田ミリ作品を最初に教えてくれたのは内田勝(故人)さんだった。それ以来、新刊の平積みをみるたびに読むようにしている。

益田ミリさんは、特殊でないこと、平凡な出来事を特殊な視点で描く。だから、日常に新鮮な発見が潜んでいることがわかる。この発見は、特殊であるにもかかわらず他人の共鳴をよぶのだ。なぜなら、人は自分が平々凡々と生きているように思えてその実、人それぞれ特殊な感性をもって生きているからだと思う。

この本を読むと自分の父親と照らし合わせて微妙な違いを考えながら、自分の父親にある「特殊」を再発見し楽しむことができるのだ。



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June 15, 2008

ゆっくりと若さを失ってみる世界

結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日
本書は内田勝さんが、うちのスタッフに薦めた本である。著者は、益田ミリさんという もともとは、大阪のイラストレーターをやっていた方。

夫なし、男なし、35歳のすーちゃんと、すーちゃんのまわりの人々の日常が、
描かれている。絵はほのぼのしているが、心象風景はあくまでリアル。というか、そんじょそこらの作品ではこのリアリティはでない凄い作品。すーちゃんの友だちで、アラフォーの独身女性 さわ子が、「あたし、このままゆっくり老いていくのかな。老いていくのは仕方ないけど、ただ、セックスはしたい。あたしのこのカラダをもっと謳歌しておきたい」という。すーちゃんも遺言を書くために本を買って試してみたり、その行為が超現実的とはいえないところに この作品の凄味がある。必読。



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