牧美也子

March 30, 2008

恋人たち達の鐘の音は海に消える

koi1『恋人岬』昭和52年封切・松竹映画

 

 

 

 

 

ko2

梶原一騎原作、牧美也子作画の漫画「恋人岬 【コミックセット】」は、1977年に公開されたかヒットしなかった。梶原一騎の自伝に寄ればグアムに到着した不機嫌な松坂慶子を喜ばせるために、宿泊ホテルの従業員に大スター扱いさせ、すべく歓迎の垂れ幕から主題歌で松坂を迎えるといった趣向をこらしたらしい。

残念ながら、この映画は、ヒデオ化とこかしDVD化もされておらず、原作コミック同様 封印された作品なのである。

 ◇「恋人岬」伝説とは=悲恋の伝説として語りつがれ、結ばれない運命の男女二人が離れ離れにならないようにお互いの髪同士を縛り、海に身を投げた場所と伝わる。 そのためか展望回廊もタモン湾を見下ろせる断崖に迫り出す形で設置されている。
銀の鐘と呼ばれる鐘があり、鐘を愛し合う二人共が鳴らすと、この上ない幸せが訪れるとされる



tabloid_007 at 09:35|PermalinkComments(0)

October 14, 2007

46年ぶりに復刻するバレエ漫画の原点

マキの口笛
牧美也子先生といえば、星座シリーズの運命的な女性の数々を思い出すが、もともとはリカちゃんの元デザインを創ったくらい少女マンガ出身の漫画家なのだ。

その初期の少女マンガを小学館クリエイティブが復刻発売した。相当重厚な重さはさすが700ページに及ぶものである。

牧先生のルーツを知りたい方はお読みください。



tabloid_007 at 17:19|PermalinkComments(0)

May 12, 2007

さようなら、お幸せに、あなたは優しい人ね

口紅水仙 (シリーズ星座の女)
1973-4年に「女性自身」で連載されていたシリーズ「星座の女」の3作目であり、当時モントリオール国際漫画賞一位受賞した作品。実は、あとがきにあるが小野耕世さんの推薦だったらしい。

このシリーズの第一作「白百合三代忌」にはっとさせられ、70年代女性マンガ(少女マンガではない)を知るきっかけになる。この独特の女性の内省と飛躍の心境描写に脱帽。このマンガに出会わなければ、決して男性が知ることのない世界だった。

それで この本を復刻させた出版社である『よるひるプロ』の門田克彦さんに会いに行った。今回、この本を頂戴しました。ありがとうございます!もっと世の中に宣伝したいですね。ワタシも出来ることやります!



tabloid_007 at 17:52|PermalinkComments(1)

March 18, 2007

死ぬ気がないのに辿り着くグアムの岬

maki恋人岬 [少女向け:コミックセット]
阿佐ヶ谷の駅前にある喫茶&出版社である『よるのひるね』に行ってから、ますます牧美也子作品にのめり込むようになった。中年になって牧作品に出会えたことが嬉しい。子供ならさっぱり判らないだろう。それに、本作は1970年代の週間明星での連載だから余計縁はなかったわけだが...

今度は、梶原一騎原作で後に映画化もされた「恋人岬」を読んだ。いつもの牧タッチで美しい女性が運命に翻弄されながらも、なぜか必死の抵抗はしないという独特の審美眼は変わらぬが、梶原の原作にかかっては、なぜか主人公はトラウマを打倒しなければならなくなる。ここに原作ものの不思議なテイストが発揮される。主人公の目に炎はないが、いつもと違う根性がはいってる感じ。必読の書。

ちなみに、映画版「恋人岬」(1977年製作)脚本は石松愛弘、監督は「春琴抄」の西河克己。



tabloid_007 at 09:39|PermalinkComments(1)

February 25, 2007

語られた話し以外にも人生は続く

MAKI真昼・ららばい (1)
先日、阿佐ヶ谷の喫茶『よるのひるね』に行って、牧美也子さんの過去の作品も貪り読んでいる。本作も最高傑作のひとつである。昭和57-58年にかけて小学館から全4巻単行本化されている。

イラストレーターの星真昼は、特殊な女性ではなく、また物語の主人公に特別備わった能力を発揮するわけでもない。起きた状況に対して、時に素直に、あるいは女性らしい素直さで抵抗したりする。コミックはあくまでドキュメンタリー的な手法で物語を完結させようとしていないかのようだ。ハッピーエンドなどというSFはここでは必要なく、読者は星真昼と一緒に生きるしかないのだ。

http://members.jcom.home.ne.jp/yoruhiru/maki.html



tabloid_007 at 17:35|PermalinkComments(0)