October 03, 2010
映画『インセプション』 (クリストファー・ノーラン監督) :夢の死は現実に戻り、現実の死は夢にならない。
インセプション [DVD]出演:レオナルド・ディカプリオ
販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2010-12-07
興奮する映画だった。夢落ちどころではない。何階層落ちれば気がすむんだ!あえて、夢落ちをレバレッジに新しい物語を作るところが、さすがクリストファー・ノーラン監督なのである。バットマン・シリーズ、特に「ダークナイト」で名を更にあげたが、10分間しか記憶が保てない前向性健忘を描いた「メメント」(2000)や極度の不眠症の刑事が半分眠りながら犯人を追い詰める「インソムニア」(2002)など独創的な作家性をもっている。


今回の「夢」をテーマもこういたキャリアをみると納得できるものである。さて、ある事実を解明するために夢泥棒のような連中が人の夢の中にはいっていく。回想が深くなっていくにつれ、滞在時間が上の階層よりスローになる。20倍。
現実の1時間が夢の中では20時間、夢の中の夢では400時間(17日)、その更に夢だと8,000時間(11ヶ月)と、どんどんと長くなってゆくのである。
若い頃にコブ(ディカプリオ)と妻のモルは、この深層へのダイブを繰り返したがために、夢の中で50年もの歳月を過ごす事になる。つまり4階層目で50年間過ごすということは、現実には438,000時間÷20÷20÷20=54時間に過ぎないということ?
いずれにせよ、夢の世界こそが現実になってしまったモルは、現実世界を受け入れられず、現実の世界で自ら命を絶ってしまう。なぜなら逆に夢の世界で死ねば、現実で目覚めるという決まりがあるため、夢と現実が逆転しているモルにとっては、現実の死が夢の世界へ帰る事に他ならなかったのだ。それは無理な話なのだが...




