松井冬子

July 19, 2011

諏訪敦「一蓮托生」展: We Share the Same Fate

eating-flower諏訪敦「一蓮托生」
We Share the Same Fate  

2011年06月09日- 07月16日
成山画廊 Gallery Naruyama
千代田区九段南2-2-8 松岡九段ビル205号
03-3264-4871



「花を食べる」(部分) 652 × 530 mm 2011 Oil on canvas


諏訪敦の写実は。かなり超写実過ぎて中身がボロッとむき出しになっているる

描く対象のルーツや内面を魅せる。、「モチーフの優位性を肯定している」画家 諏訪氏が「成山画廊のこと」を取り上げて書いている。成山画廊のオーナーである成山明光氏や同じく画廊所属の松井冬子などを描写する。

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↓旧身ある方は今月末から諏訪敦作品展がある。

「諏訪敦絵画作品展 どうせなにもみえない」
2011年7月28日(木)―2011年9月4日(日)
諏訪市美術館

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February 06, 2011

日本美術解剖学会2011:バラバラにして考える力、考える筋肉をつける。

223485029日本美術解剖学会2011

2011年1月22日13時~
東京藝術大学








昨年発足した日本美術解剖学会の第二回の総会が開催されたので行ってきた。どういう訳かワタシは学会会員なのである!

会長が養老孟司さんということと美術家の松井冬子さんが主要メンバーということがキッカケだったと思う。昨年の第一回では養老会長が欠席だったが今回は基調講演をするいうので、急遽出張から戻り出席した。

内容は下記の通り...

司会:布施英利 (東京藝術大学准教授)

シンポジウムⅠ「筋肉について~科学の立場から」
坂井建雄 (順天堂大学医学部教授)
遠藤秀紀 (東京大学教授)

シンポジウムⅡ「筋肉について~芸術の立場から」
松井冬子 (画家)
木下史青 (東京国立博物館デザイン室長)


なんといっても、養老孟司さん話が秀逸だった。いろいろ興味深い話はあったが、どの話も仮説をポーンとなげて、あとは誰かが解明してほしい、という潔い短編小説のようなテンポが心地よい。

・ どうして、昆虫の動きはぎこちないか。昆虫は人間でいう骨が外殻という形でむき出しになっている。そして、彼らは生殖して子孫を残せば役割が終わる。だから、簡素な造りなのか?昆虫の動きをスローモーションで撮影すると、カクカクと映る。関節が歯車のようになっているためという。逆に人間は関節がギザギザだと関節炎で痛い。つまり、筋肉と皮膚によって長く生きる設計になっており、関節は丸いのだ。これが進化の過程でどうしてなったのかは、解明してほしい、という話。

・ 松井さんの話を聞いていて"美"とは何か?を考えた。"美"は突発的にわかる感覚ではない。自分の中で、ある経験の積み重ね、秩序、法則性を組み合わせプロファイリングして、ある傾向のものを"美"と呼ぶのではないか。

・ 木の葉を美しいと思う。あの葉っぱの配列は偶然ではないと思う。光合成が目的の植物に、太陽をもっとも効率的に捕捉するために、あの葉っぱの配列があるのではないか。だから、葉っぱの成長をマーキングして分析すると、その法則や"美"がわかるのではないか。

以上のような、非常に示唆に富んだ仮説を提示して頂き、これらのことだけではなく、"考える力"を与えてくれたと思う。

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January 31, 2010

解剖学の発展に寄与したアートは、人間の内側も見つけた

IGAKU「医学と芸術展」
生命と愛の未来を探る〜ダ・ヴィンチ、応挙、デミアン・ハースト」

2009.11.28-2010.02.28
森美術館
六本木ヒルズ森タワー53階







本展は、科学と芸術が出合う場所としての身体をテーマに、ロンドンのウエルカム財団所蔵の医学資料や美術作品に現代美術作品を加えたテーマ展示。英国ロイヤルコレクション所蔵のレオナルド・ダ・ヴィンチの解剖図3点の展示公開をキャッチにしている。

写真発明の前夜、解剖学の発展に、写実的な描写は医学の進歩に欠かせなかった。しかし、そこは人間のやることである。恣意的な要素がいつしかアートとしての別の発展も遂げたのである。

ワタシの関心はもっぱら後者の方の現代アートである。だから、松井冬子さんや やなぎみわさんの作品を見たら、それで満足した。

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January 19, 2010

アートはロンドンの風に乗って...

tateTATE ETC. Issue 17- Autumn 2009

 

 

 

 

 

今回の雑誌「TATE ETC」は良かった。

先日、成山画廊で見た松井冬子さんの下図の完成版が掲載されていた。
"Scattered Deformities in the End" (2007, color pigment on silk 124 x 96.5cm)

Center - John Baldessari "Green Kiss / Red Embrace" (1988, B/W photo, oiltint, velcro backing 396 x 487 cm)

Right - Eduardo Sarabia "Case de Piedra" (2009, oil on canvas 140 x 200cm)

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January 10, 2010

死んで骸骨になるのではなく、骸骨があって生きている。

IMG_0006-s日本美術解剖学会 (会長 養老孟司 東京大学名誉教授)

2010年1月9日設立記念大会
東京藝術大学 美術学部









美術解剖学研究の第一人者を結集し、日本美術解剖学会という団体が設立された。アカデミックでエンターテイメントというコンセプトを掲げた摩訶不思議な団体は、日本で最高レベルの美術解剖学研鑽の場を目指すという。

で、昨日 の設立記念大会は、東京藝術大学 美術学部 中央棟1階 第一講義室で開催された。講義室は美術関係者はもとより、警察の似顔絵を作成する部署の方まで幅広く参集。

まず、2本の講演があった。「聖なる肉体」(伊藤俊治 東京藝術大学教授)と、 「国宝・阿修羅展・・光の演出による表情の見せ方」(木下史青 東京国立博物館デザイン室長)そして、後半は、シンポジウム「科学の骨、美術の骨」というこしとで、遠藤秀紀(東京大学教授)、小田隆(成安造形大学講師)、坂井建雄(順天堂大学教授)、松井冬子(画家)、司会:布施英利(東京藝術大学准教授) という豪華メンバーで討議された。

死体の研究というのは、生体の研究の延長戦にあり、死んでいくために生きていく、ということの逆を遡ることで、生を考えるというのがテーマだと思った。

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December 20, 2009

日常に潜む死者の囁き

MATSIUI

松井冬子「下図」展

2009.12.04-12.26
成山画廊
千代田区九段南2-2-8
松岡九段ビル205号室

 

 

 

靖国神社の向いにある成山画廊で松井冬子さんの下図(鉛筆の素描)を公開しているので見てきた。

松井さんの素描は独特である。現実の要素の中から、彼女のイマジネーションが具体的に融合される。本人の言によれば、 「美術家にとって素描とは世界にアクセスするための第一段階である。 形状、質感、色などを記憶して残すため、あるいは感覚を記憶に閉じ込めるための手段であり、すべてのペイントの起点になるものと言える」

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