村上隆

August 15, 2009

美術史の中のスーパーフラット

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販売元:マドラ出版
発売日:2000-05

 

 

 

 

1999年4月号の「広告批評」で『TOKYO POP宣言』をした村上隆が、その後 2000年に「SUPER FLAT」を発刊し、翌年この本を底本とした村上隆のキュレーションによる展覧会をロサンゼルスで開催し、彼の国際的な評価を決定づけることになる。江戸の絵師とJ-アニメとの対比を日本の美術史の中で位置づけた。

左= 富沢ひとし、漫画「ミルクローゼット」(2000年 月刊アフタヌーンより)
右= 弐瓶勉、「MEGARO MANIA」(東京都中野区) 

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アート・奈良美智、中ハシ克シゲ/アニメ特撮・森本晃司、金田伊功/マンガ・町屋変丸/ファッション"20471120
(中川正博)"/写真・HIROMIX、佐内正史/近世画家・伊藤若冲、狩野山雪
、葛飾北斎、俵屋宗達

下記、「TOKYO POP」(1999)「SUPERFLAT」(2001)「LITTLE BOY」(2005)で取り上げられたアーティストの一覧を作成してみた。

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July 31, 2009

TOKYO POP宣言から10年の現在

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広告批評」(TOKYO POP宣言) 村上隆

 

 

 

 

 

 

村上隆の「スーパーフラット」のもとになるコラムが発表されたのが、先日休刊となった雑誌「広告批評」(1999年4月)の特集『TOKYO POP宣言』であった。この時の担当編集者が版元のマドラ出版、笠原ちあき氏。その1年後にアートブック『SUPER FLAT』が同社から発売(2000年4月)される。
その後、村上隆の名を世界的なものにする展示会『SUPER FLAT』を2001年に、ロスアンジェルス現代美術館で開催するときには、笠原氏は「カイカイキキ」に引き抜かれている。

さて、この懐かしい「TOKYO POP宣言」(1999)を改めて読みなおしてみると、POPとEROをキーワードに10人のさまざまな分野のアーティストを紹介している。アート 奈良美智、アニメ・特撮 庵野秀明、樋口真嗣、マンガ 町屋変丸、ファッション "20471121 (中川正博)" 、写真 HIROMIX、常盤響、イラスト GROOVISION、ミュージック CORNELIUS、原型師 ボーメ。

こうやってたった10年の月日を鑑みても、いかに娯楽・アート業界で生き残ることが難しいかわかる。好きなだけではやっていけない。好き+アルファ...。その超然たるエネルギーの持ち主こそが新しいクリエイションを創り続けられるのかもしれない。



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July 12, 2009

さて、夏は香港にいこうか

200904_01_banner Louis Vuitton: A Passion Of Creation

 

 

 

会期:2009年5月22日-8月9日
会場:香港藝術館時間:10:00?18:00
住所:10 Salisbury Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon, Hong Kong
TEL: (852) 2721 0116

ルイ・ヴィトン美術財団によるルイ・ヴィトン初となるオフィシャル展覧会をフランスではなく、香港で開催されている。
1997年からアートディレクターを務めるマーク・ジェイコブスのもと、ルイ・ヴィトンは、スティーブン・スプラウス、村上隆、リチャード・プリンス等、数多くのアーティストコラボをしてきた。それらの商品世界と関係あるアート作品の展示が中心であるものの、今後期待される地元アーティストも積極的に取り上げており、はやく香港に観に行きたい。

展覧会は2部構成となっている。1つは「Louis Vuitton and Art」。ブランドの伝統とマーク・ジェイコブスが仕事をしてきた3人のアーティスト(スティーブン・スプラウス、村上隆、リチャード・プリンス)による作品。スティーブン・スプラウスのグラフィティスタイルの作品、村上隆によるサクラモノグラムと立体作品、リチャード・プリンスによる「ナース」を展示した。更にプリンスは、会場となった香港美術館の外観を「アフターダーク」シリーズでラッピング、香港のヴィクトリア港に新しいその姿を浮かび上がらせた。

2つめは「The Architectural Project」と「The Collection, A Choice」により構成。「The Architectural Project」では、ルイ・ヴィトン美術財団による美術館の模型を展示。設計を担当する建築家は、フランク・ゲーリー。「The Collection, A Choice」では、財団の美術コレクションの中からセレクトしたヨーロッパ、アメリカ、中国のアーティストによる絵画、写真、ビデオ・インスタレーションなどの作品を展示。さらに、地元香港の新進気鋭なアーティスト7名を参加させた。開催にあたり、「Louis Vuitton: Art, Fashion and Architecture」と呼ばれる500部限定の特別本をリリース。

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Gilbert and George

 

 

 

 

 

 

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Cao Fei

 

 

 

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Andreas Gursky

 

 

 

 

 

 

The Collection, a Choice
 
ART
 
Jean-Michel Basquiat
Jeff Koons
Richard Prince
Paul Chan
Cao Fei
Yang Fudong
Gilbert and George
Dominique Gonzalez-Foerster
Andreas Gursky
Pierre Huyghe
Bertrand Lavier
Christian Marcla
 
VIDEO
 
Bas Jan Ader
Kader Attia
Robert Boyd
Paolo Canevari
Olga Chernysheva
David Claerbout
Keren Cytter
Trisha Donelly
Cyprien Gaillard
Laurent Grasso
Susan Hefuna
Ange Leccia
Shirin Neshat
Adrian Paci
Philippe Parreno
Anri Sala
Margaret Salmon
Markus Schinwald
Wolfgang Tillmans
Ryan Trecartin
Rosemarie Trockel
Clemens von Wedemeyer
Zhou Tao
 
“emerging” Hong Kong artists
 
Nadim Abbas
Lee Kit
Leung Chi-wo
Pak Sheung-chuen
Tsang Kin-wah
Adrian Wong
Doris Wong



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June 28, 2009

豪華が陳腐をよぶ理由

vog-0 VOGUE NIPPON and Comme des Garcons MAGAZINE ALIVE

 

 

 

 


『VOGUE NIPPON』10周年プロジェクト第1弾として青山の骨董通りに期間限定ショップ「VOGUE NIPPON and Comme des Garcons MAGAZINE ALIVE」が5月28日からオープンしている。「COMME des GARCONS x 村上隆」ということで、1Fにはブティック、2Fはギャラリースペースとし、7月号(5月28日発売)のテーマ「マンガ×モード」でコラボレイションした村上隆がキュレーションした特別展示「村上隆の魔女っ子ア・ラ・モード展」を開催していた。

下左の「魔女っ子」限定300枚ポスター(1点1点に村上のサイン付)は既に完売。ネットでは定価の7倍程度で売買されている。 
◇仕様 サイズ:A1サイズ(594 x 841mm) 4c + 全面に水性ニス / ED300 / 用紙:OKホワイト ポスト 価格:7,000円
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その他、誌面で紹介されていたが、漫画家がコラボTシャツの原版をデザインしている。モンキー・パンチ氏が、ドナテッラ・ヴェルサーチを、萩尾望都氏がジョン・ガリアーノを、植村さとる氏がジゼル・ブンチェンをそれぞれ描いている。

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組み合わせは豪華なのだが、企画者に今ひとつ漫画に対する造詣が足りないのか興奮する要素のまったくない企画展示だった。誌面も同様で日本の漫画風なファッション紹介コーナーに至っては陳腐の一言に尽きる出来栄えだった。これなら、以前とりあげた "commons & sense "の勝ちである。それは、ファッション側が漫画の面白さやその物語性を機軸に企画を進めているかどうかで決まる。今回のヴォーグはそれがまったくない。すべてが企画のための企画にしかみえない。魔女コンセプトなら、岸ひろみさんとクリィミーで充分だし、モンキーパンチ氏がヴェルサーチを描くモチベーションがわからない。これではコラボといえない。両者のファンが納得できる興奮が企画に盛り込まれてはじめて"面白い"なのである。編集者はそれをみつけるまで仕事にとりかかってはならない。



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May 24, 2009

表参道は玉手箱

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FIORUCCI

 

 

 

 

 

 

友人の結婚披露宴が六本木ミッドタウンのリッツカールトンであったので、原宿からゆっくり歩いて現地まで行った。まず、現在ではキラなイタリア老舗ブランド(1967年創業) FIORUCCI の懐かしい広告カードを購入。シャネルは、不良っぽい女性たち。アルマーニのショーウィンドウは、サングラスの透明人間だった!

そして、最後はヴィトン。村上隆の受注生産 巨大パンダは、なんと2100万円なり!

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April 19, 2009

フィギュア造形に魂を込める鬼頭栄作

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S.M.H誌「旅行惑星」登場キャラ「ジューコフ」鬼頭栄作

 

 

 

 


雑誌「S.M.H.」(Sensational Model&Hobby)は、月間Hobby JAPANの別冊である。その中で、造形作家の鬼頭栄作氏が創った「ジューコフ」のレジンモデル。鬼頭氏のことは、先日の村上隆のinochi君の造形担当ということで知った。

早速、ヤフオクで検索したところ、下記鬼頭氏の卒業した阿佐ヶ谷美術専門学校創立60周年記念品(非売品)を入手することができた。「Lapi」(ラピ[スペイン語=鉛筆=ラピス])という。ハートが溶接のように繋がっている。鉛筆に頭がついているのは、アサビの学生にとって鉛筆が大事との意味を表している。

プロフィール

1969年 愛知県生まれ。阿佐ヶ谷美術専門学校卒業
第11回日本グラフィック展準グランプリ受賞
雨宮慶太監督の映画「ゼイラム」「ゼイラム2」造形美術担当
押井守監督「イノセンス」イメージモデル制作担当
「S.I.C巨魂シリーズ」ロボコン
ゲームソフトのキャラクターデザインや立体制作なども手がけ、造形作家の竹谷隆之らと愛知万博の立体制作にも参加している。

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April 13, 2009

SUPERFLAT FIRST LOVE

LOUISLOUIS VUITTON
MULTICOLOR SPRING PALETTE
w/ TAKASHI MURAKAMI

 

 

 

 

 

 

さて、2003年春夏コレクションで村上隆がコラボしたモノグラム・マルチカラーが2009年春コレクションとして新たに4月28日に発売される。先日のスプラウスといい、リピートが増えた感もある。

前回、表参道を舞台にしたアヤとLVパンダのアニメ「SUPERFLAT MONOGRAM」の続編が今回は携帯サイトでしかみられない。さすが、ヴィトンならではの時代感覚だろう。下記は、前作。

次回作 " SUPERFLAT FIRST LOVE " は、下記のQRまで...ということらしい (4月28日公開)

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April 12, 2009

うーん、微妙に醜い!inochi 君

inochi 村上隆個展 inochi

 

 

 

 

 

昨日、元麻布のKaikai Kiki Galleryに行ってきた。

2004年にLA " BLUM&POE(ブラム&ポーギャラリー)" で初公開され、ヨーロッパツアーを展開した村上隆の立体作品 " Inochi 君" 。その販売を記念として「Inochi展」が開催された。オリジナルの彫刻作品や映像作品、ポスター、フィギュアなどが販売されていた。

それにしても、この1キャラのために凄いメンバーを揃えたものだ。原型を「イノセンス」などでキャラクターデザインをした鬼頭栄作、1/1造形をラッキーワイドの飯島浩樹、プロモ映像はソフトバンクモバイルの「白い犬」を企画した佐々木宏氏率いるクリエイティブエージェンシー「シンガタ」が担当。ポスターと写真作品を、写真家である瀧本幹也戸崎美和が撮影した。制作者は70名以上に及ぶ。

また、フィギュアの製造はメディコム・トイが行い。すべてエディション付きで、各バージョンとも120個までは15万円という価格である。

村上氏は、スピルバークの「A.I. 」ではなく、スタンリー・キューブリックが生前企画したロボットをイメージしたのだという。それは、最初は醜いのにストーリーが展開するうちに愛らしくなる、というものらしい。確かに、inochi 君は微妙に醜い容姿だが、プロモ映像を見ているうちに多少親近感がわいてくる。この「多少」という微妙なセンが制作者の意図らしい。



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March 08, 2009

飾りじゃないアート作品はいかが

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GEISAI #12

 

 

 

 

 

 

若手アーティストの登竜門となっている村上隆 企画のアートフェアGEISAIに行って来た。GEISAIというと、日大芸術学部出身のワタシとしては大学の文化祭を思い出す。長年 芸術祭(ゲイサイ) と呼ばれている。

そんな過去の記憶からかどうしてもアートをみるというより、学生のバカ騒ぎ祭典(失礼!)という先入観をもっていしまう。

あまり収穫はなかったが、奈良さん風とか村上さん風が跋扈するなか、下記のあふたりのアーティストはよかった。

ひとりは、大阪岸和田在住の笹田晋平さんのカップラーメン創業者の安藤百福サンヘノオマージュ作品。ラーメンのいたる所に神々しい神さまが宿っている。

笹田晋平-1

 

 

 

 

 

もう ひとりは、片瀬海岸在住の弥田真一(いよだしんいち)さん。雷神を非常に繊細なタッチで弥田さん風にモディファイしている大型作品。両者とも大きな作品であることで非常に緻密な構成の作品に仕上がっていた。弥田さんのポートレイト作品を購入した。

弥田真一



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October 12, 2008

草木の間からアニメ顔

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SUN

 

 

 

 

 

先日、毎日放送制作のテレビ番組「情熱大陸」で佐藤玲さんのことを知った。写真をカンバスにおこし、プリントしていく手法が新しい。何気ない日常の中に佐藤さんのペイント心がのっと顔をだす。あくまで、大らかで優しい色だ。

佐藤玲さんは1984年、山形生まれ。2005年にお茶の水美術専門学校卒業。アートフェスティバル「GEISAI」の第1回に参加したことがきっかけで同社の活動に参加した。

sato-5Turquoise, 2008 558 x 800 mm Watercolor and print on canvas
(C) 2008 Rei Sato / Kaikai Kiki Co., Ltd



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May 18, 2008

奇奇怪怪な日本のアートシーン

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村上隆「マイ・ロンサム・カウボーイ」

 

 

 

 

 

5月14日夜、村上隆氏のフィギュア作品がサザビーズでオークションに掛けられ、1,516万ドル(約15億9,500万円)で落札された。予想額(300万〜400万ドル)を大幅に上回る高値に、会場からは大きな拍手が沸き起こったらしい。

978-11998年に作製した裸の男性のフィギュアで、高さ254センチ。アクリルとファイバーグラス、鉄で作られている。

値段の高さばかりが注目された格好だが、相変わらす日本のオタク文化が受け入れられたというような報道の視点は一本調子だと思った。単に、アキバのフィギュアが巨大化しただけではあるまい。

日本では、のアートしての捉え方の背景が薄いこと、投資としての市場が世界と比較して皆無といっても良いことなどが、これだけの作品を生み出しながら、市場のダイナミズムとは別なところで存在してることを浮き彫りにしていると思う。



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February 06, 2008

自分さえ良ければ、今日からアーティスト

ecori小学生ライフ応援マガジン『エコリ』 2月号

 

 

 

 

 

何気なく、新聞に織り込まれているフリペをみたら面白い買った。サンケイリビング新聞社が企画・発行している「エコリ」の今月号の特集は、アーティストの村上隆に芸人の濱口優がアートについて聞いている。

自分が一度でも「やった!」と思えるものができたら、それは才能がある、といっている。これは小学生にとってムチャクチャ元気が出るアドバイスではないだろうか。先生や友達の評価なんてどうでもいい。自分がよしっ!と思えばそれでいいわけだ。確かに、これは小学生だけに言える事ではない。http://ecoli.jp/



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June 30, 2007

蟹江西(KanYeWest) by 村上隆

KANYEKANYE WEST "Can’t Tell Me Nothing"

 

 

 

 

2007年8月15日にカニエ・ウェスト(KANYE WEST)の2年ぶりのとなるアルバム『グラデュエーション』がリリースされる。i-TUNEで早くも本作から、DJ Toompとの共同プロデュースで制作された先行シングル「キャント・テル・ミー・ナッシング」が販売開始された。早速、ダウンロード。村上隆デザインの“蟹江西”と表記されたジャケットも必見ですわ!

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