August 21, 2011
コラム「おおきなかぶ、むずかしいアボカド」 (著者 村上 春樹):揃いも揃って不揃いとは怪しからん!というのを楽しむコラム。
おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2著者:村上 春樹
マガジンハウス(2011-07-07)
村上春樹さんの本を語る資格はまったくない。ベストセラーを読まない主義だから、ほぼ読んでない。"ほぼ"というのには訳がある。
私が高校生の時に8mm映画に熱中していた。当時スタジオの助監督出身から8mm出身の映画監督が誕生しつつあり、その中でもっとも親近感をもっていたのが、関西出身の大森一樹監督だった。1981年に「ヒポクラテスたち」を作ったばかりの大森監督が小さな部屋で自らの8mmを上映する機会などあり、自分の中では憧れの監督だった。
その大森監督の長編2作目が同じ中学校の後輩に当たる村上春樹さん原作の処女作「風の歌を聴け」 (1979年『群像』6月号)だった。映画では、真行寺君枝さんが小指のない女を演じている。
私の村上春樹体験はたったのこれだけ...。ね?語る資格ないでしょ。
という訳で、そういう下地のない私がふとコラムということで読んだのが このananに連載されているものをまとめたという本書なのである。
コラムの中(「もうやめちまおうか」)で、30歳でデビューして出版部長に挨拶に行ったときにことが書いてある。「君の作品はかなり問題があるが、まあがんばりなさい」と言われたらしい。
会社というものは、不揃いで、前例がなくて、発想が違うと自動的に排除される。そういう感覚はよくわかる。でもたいていは、不揃いのリンゴは成功の確率が高かったりする。もっとも、成功しようとする不揃いな連中も多いが、手法としての"不揃い"は上手くいかない...。
あと、もう一つ面白いコラムは、「ジューン・ムーン・ソング」の話。ビートルズが解散してポール・マッカートニーが絶好調だった時、地味な活動のジョン・レノンに対してオノ・ヨーコがいった台詞「気にすることないわよ、ジョン。ただのジューン・ムーン・ソングじゃない」と言って慰めたらしい。
"JUNE MOON SONG"とは?「六月」と「月」とで手軽に韻を踏んでいる。つまり気軽に作られた曲のことをいうようだ。あくまで陽なポールと陰なジョンの話として面白い。その調和がビートルズだったのだな。
まあ、最近ますます散漫な私にはもってこいの本だった。
tabloid_007 at 18:33|Permalink│Comments(0)│



