文化庁

May 03, 2012

コミック【あの日からのマンガ】(著者 しりあがり寿):どうしようもない無力感の上にたった“力”(エナジー)

IMG_0002あの日からのマンガ (ビームコミックス)
著者:しりあがり寿
エンターブレイン(2011-07-25)











本作は、前述の冬川智子さんと同じく大15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作である。

“あの日”とは東日本大震災のことである。

時に、原発やプルトニウムを擬人化し、東京に住む人たちの滑稽とも誠実ともいえる東北に対する“配慮”をしりあがりさん風に描いている。

それは単に皮肉っぽいということでも、お笑いっていうのでもなく、どうしようもない無力感の上にたった“力”(エナジー)を感じるタッチなのである。

瓦礫から、無数の雑草が咲き、その上に綺麗な花が咲き、無垢な点派のような少女たちが現れ、空に跳んでいく...!

この美しさは、単に希望ではなく、力で出来るっていう...やはり人間が本来持っているエナジーとしかいいようがない。

必読!

tabloid_007 at 20:56|PermalinkComments(0)

携帯コミック【マスタード・チョコレート】(著者 冬川智子):第15回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門新人賞受賞作品!

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著者:冬川智子
イースト・プレス(2012-04-14)











3年近く前の2010年8月にソニー・デジタルエンタテインメントが運営する携帯サイト「ヒトコト」(P&G提供)で本作の連載がはじまった。

連載前に編集担当から、いくつかのプロットを見せられた。いつもの冬川智子さんのライト・コメディもあった。だが、担当は一番シリアスなこのプロットでいきたいという。

いままでの冬川智子さんのテイストと違ったものに挑戦したいというのは、いま考えれば漫画家としての転機だったのかもしれない。

そしたら、今年2012年2月に第15回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門新人賞を受賞するほどの人気作に成長していた。

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* 同じくマンガ部門で優秀賞を受賞された、しりあがり寿氏と登壇。著者は一番右


良いことは続くもので、イーストプレスから書籍化。考えてみたら、もともと実力があったとはいえ、嬉しい飛躍である。

主人公は美大にあこがれる内気な女子。いろいろ悩みながら成長する話といってしまえば それまでだけど、たぶん意識的か無意識かわからないが、作者の成長と符合するような気がする。

だから、本作のことを考えたときに、どうしても物語のことだけではなく、その外側にあったことを含めて思い出してしまう。

非常に思い出に残る作品になった。

ぜひ、ご一読お願いします。

tabloid_007 at 19:38|PermalinkComments(0)

September 05, 2009

特殊能力な大橋裕之ワールド

ol-11 大橋裕之「特殊能力なOLたち」

 

 

 

 

 

このブログで何度か取り上げているが、大橋裕之さんの自主制作マンガを見つけたのは、2008年8月に楳図かずお先生との会食が終わり、深夜の吉祥寺をうろうろしていた折に、本屋「BASARA BOOKS」でのことだった。

その天才的な話法のコミックに魅せられて、奥付に書いてあった手書きのメアドへ連絡し、早速ケータイサイトへ書き下ろしてもらった。それが今年の1月のことである。5月には太田出版から初の商業コミックとして太田出版からデビュー。

そして今回、満を持して最新作「特殊能力なOLたち」が携帯サイト『全力書店』に登場。本作は、文化庁メディア芸術祭に出品中なのである。吉祥寺から文化庁へ実に1年ちょっとだった。ムチャクチャおもろいよ。

サイトアクセス http://zbk.me



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February 15, 2009

文化庁メディア芸術祭 雑感

MEDIA 第12回 文化庁メディア芸術祭

 

 

 

 

 

昨日終了した受賞作品の展示&上映は、六本木の国立新美術館で行われた。ワタシは先週の祝日に行ったせいか、入場制限で30分ならんだ。マンガ、アート、アニメ、ゲームまで多品種での展示と入場無料が効いたのか過去の中では最大の入場者数だったのではないか?

さて、あまりにも込みすぎていてすべて見ることはできなかったので、後日カタログをみなおしての印象批評になってしまうが、アートは総じてレベルが低いような気がした。コミックはエントリーに意欲的な大手作品に収斂されており、メジャー志向の選抜で新味はない。収穫は、やはりアニメ部門だろう。荒井知恵さんの「DREAMS」や木村卓さんの「KUDAN」、それと大好きな映像作家 山村浩二さんの「こどもの形而上学」...しかし、残念ながら本作はあまりの人だかりに観られなかった!DVDを待つしかなさそうだ。

KODOMO



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March 01, 2007

春に秋がきた芸術祭

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『第10回 文化庁メディア芸術祭』

 

 

 

 

今年も恵比寿にある東京都写真美術館で展示会が行われた。詳細は下記URLで確認してください。同時に開催されていた『第12回 学生CGコンテスト受賞作品展』も面白かった。

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特に、静止画部門の最優秀賞に選ばれた中江 昌彰氏(多摩美術大学 情報デザイン学科 卒業)の「ROCKET」の連作は都市のCGと溶け合って不思議な郷愁を醸し出していた。

 

http://plaza.bunka.go.jp/festival/sakuhin/index.html
http://www.cgarts.or.jp/contest/scg/2006/index.html



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