惡の華

January 19, 2013

コミック【惡の華(4)(5)】(著者 押見 修造):「いつもの時間に!いつもの場所で!!待ってるから!!!」

iu9i0uIMG_0007惡の華(4) (少年マガジンコミックス)
著者:押見 修造
講談社(2011-08-09)

惡の華(5) (講談社コミックス)
著者:押見 修造
講談社(2012-01-06)





アニメ化が決定したらしい。まったくアニメの方は興味ないが...

思春期独特の繊細な気持ちと気が狂いそうな破滅的な行動を描いている。

大人の判断の芽を簡単に打ち砕く子供の残酷さ。

これは、日本のコミックが半世紀以上の歴史を経て映像と違う表現を獲得した成果なんじゃないかと思う。大げさに言うと。

それくらい、読むスピードと物語性が大きく関係している気がする。ページをめくるときのドキドキし感じは、独特のものがある。

面白いコミック探している人は、6巻まででてる。是非。

tabloid_007 at 22:33|PermalinkComments(0)

November 11, 2012

コミック【惡の華】(著者 押見 修造):大人が経験ありすぎて無垢になり、子どもが経験なさ過ぎて邪悪になる

pouiIMG_0004惡の華(2) (少年マガジンコミックス)

惡の華(3) (少年マガジンコミックス)
著者:押見 修造
講談社








この漫画、久々に続きが気になる作品である。

ティーンという一見無垢だが、好奇心の方向性によっては残酷にもなりうる年代。そのセンサーシップがバランスを崩しそうになるギリギリを描く。

このギリギリ感を中年で体感できる良くできた漫画だよ。

人間歳とると経験が増えるから、たいていのことでドキドキしない。でも、ティーンだと何気ないことでも人生の一大事に思える。
前頭葉が未発達のティーンの場合、危ない方向へ向かおうとする。お化け屋敷が好きなのも、未経験ゆえのことなのだ。

だから、大人になって何でも経験だよ!とかいってるけど、経験がないから大人じゃないといえるし、むしろティーンの時のドキドキが多くないと大人の経験にならないんじゃないか?

つまり、経験してない大人がエラソーなこと言い過ぎなんじゃないかって、この漫画読んで思った。

だから、無垢なまま大人になった人の方が楽しめる漫画です。

tabloid_007 at 21:09|PermalinkComments(0)

January 29, 2012

コミック【惡の華】(著者 押見 修造):思春期は未来の夢と同じ分量の恐怖がある

oplikhuj惡の華(1) (少年マガジンKC)
著者:押見 修造
講談社(2010-03-17)












話題のマンガを読んだ。続きが気になる。実に怖い。単に怖いっていうのではなく、神経を爪でつかまれたみたいな怖さ...なのである。

私は中学高校と男子高だったので、実に“ほわわーん”と呑気に楽しく過ごしていたが、共学だったらこういうことあるかもなぁ。

ボードレールを愛する少年、春日高男。彼は、放課後の教室に落ちていた、大好きな佐伯奈々子(良い女の子の描き方)の体操着を盗ってしまう。それを、嫌われ者の美少女・仲村佐和(文学少女系で残酷)に見られていた。盗んだことをバラされたくない春日に、彼女は“いいなりになる契約”をせまる。

思春期特有の屈折が、物語に緊張を与えている。その緊張とは、みんなが一度は経験したあの青春期の“きゅん”の再現であり、決して安全な場所などあるはずがないと思っていたあの年代のことだ。未来の夢と同じくらいの分量の恐怖をかかえていた。その言い知れぬ“心の魔物”を仲村の無軌道で狡猾な行動に投射している。

これは、全巻読もうと思う。



tabloid_007 at 15:42|PermalinkComments(0)