市川春子

February 26, 2012

コミック【25時のバカンス】(著者 市川 春子):深海魚に体をのっとられた美しい姉と、片目の弟のつかの間のバケーション。

poiujy25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)
著者:市川 春子
講談社(2011-09-23)










映画もマンガも好きだが、マンガにはマンガのリズムと表現がある。その独特のリズムを持つ作家に市川春子さんがいる。

たとえば、手塚治虫氏のマンガは映画的で、たくさん映画化もされている。でも、市川春子さんの作品は、映画化したい人はいても、映画化しないで欲しい。この独特のリズムをマンガだけで楽しみたい。そう思わせるカット割り、ストーリーテリング。

深海を研究するうちに深海魚に体をのっとられた美しい姉と、片目の弟のつかの間のバケーション。悲壮感より、昂揚感がある。その昂揚こそ市川リズムなのである。

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January 09, 2011

コミック『虫と歌』 (著 市川春子) : 不思議なことは不思議と思えないことで不思議でなくなる。

tumblr_kto2zpEO2e1qz6p7po1_500虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)
著者:市川 春子
講談社(2009-11-20)











市川春子(1980年-千葉県出身。北海道教育大学美術科卒業)は、2006年「虫と歌」でアフタヌーン四季大賞を受賞しデビュー。翌年から『月刊アフタヌーン』(講談社)で読み切り作品が掲載。本短編集で第14回手塚治虫文化賞新生賞受賞。

不思議な話なのだが、リアリティがある。それは作者が不思議なことを不思議な視点でとらえていないからだろう。不思議なことを確実にみてとっている作者の視点がある。この視点に共鳴した読者がこの不思議な世界に招待されるわけなのである。

【作品紹介】

僕の妹は、僕の指から産まれた。妹への感情は兄妹愛のそれを超え、「ひとつになりたい」と願う。(『星の恋人』)

飛行機墜落事故で生存した大輪未来と天野すみれ。助け合う二人に、意外な形で別れの時は来る。(『ヴァイオライト』)

肩を壊した高校球児の雪輝。日々""成長""を続けるヒナとの出会いで、彼が見つけたものは――。(『日下兄妹』)

3人の兄妹が暮らす家に夜の闖入者、それは虫であり弟であった。共同生活を始めた彼と兄妹たちの距離は縮まりーー。(『虫と歌』)



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