岩田恵治

October 24, 2010

岩田恵治のアート「一即一切、一切即一」: あらゆるものは無縁の縁によって成り立っている

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先日から盛んに取り上げているアーティスト岩田恵治氏の本拠地である名古屋に行ってきた。(以前のブログ記事)岩田氏が江戸時代から続く撥屋("ばちや"=木魚を叩くスティック)であることはすでに告げた。

今回は、さらに突き詰めてみたいと思った。撥作りの職人としての岩田氏は、200種類の撥を月間1万本以上製造している。それは、寸分違わぬ作法と労力をかけるものであって、毎回新しい挑戦を続けるアートと正反対に位置する仕事である。

アルチザンとアーティスト。この臨界点(本人は、好んでこの臨界点を見極めようとする)が止揚したときに、片方の極である下記のようなアートピースが生まれるのだろう。

そして岩田氏曰く、そのような弁証法が成り立つ基礎的な考え方として『華厳経』がある。大乗仏教の経典のひとつで、時間も空間も超越した絶対的な存在として仏を捉える経典らしい。すべての物事を仏として捉えるということも聞いたことがある。いずれにせよ、華厳経についてはワタシがもっと勉強しなければ話にならない。

今のところは、原義の「花で飾られた広大な教え」という意味に縋り、岩田氏の美しいアートに酔いしれることにしよう。(作品の一部は、今週末のYOUNG ARTIST JAPANで展示します。是非、お越しください)


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October 17, 2010

『brillant nouveau japon - 新しいクールジャポンなアートたち』展 : 2010-10.30-31. curated by S-des GALLERY

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『brillant nouveau japon - 新しいクールジャポンなアートたち』展

2010-10.30[sat]-31[sun] 11:00〜20:00
* reception 29[fri] 18:00〜20:00 

本展は、タグボートが主催する新進アーティストの登竜門イベント「YOUNG ARTISTS JAPAN」 (今回で3回目)で、アーティスト自身やギャラリーが130ものブースを出展し開催される。その一角をS-des GALLERY(エスデス・ギャラリー)が企画することになっている。

今年の夏に�螢織哀棔璽箸瞭糎�社長からお話を頂戴し急遽参加することにした。ワタシは、ネット検索に引っかからない原石のような才能をキュレートしようと心に誓った。準備期間が2ヵ月しかなかったが、幸いにしてワタシには普段からウロウロと町を彷徨し、才能を引き寄せる嗅覚が備わっている(と勝手に思っている!)。だから、自然と4人の素晴らしいアーティストたちが集結することになる。

江戸時代から続く撥屋を営みつつ新しい漆の世界を提示する岩田恵治、拾ってきた板の上に幾何学的なグラフィティを描くサロテズモ氏、半世紀前の雑誌切り抜きを自在にコラージュする渡部剛、アキバのアイドルでありながらワイアード世界を自在に操るフォトグラファー JULIE WATAI。

この4人の"Fantastic four"が織りなすアートピースは、"光り輝く新しい日本のアート" (brillant nouveau japon) に昇華されるものと信じている。日本人が本質的にもっている日本らしさの様式(漆、板の落書き、新聞の切り抜き、アキバ文化)を造形として表現してみたらこうなる!という展示にご期待のほどを。

下記、展示予定作品の一部分。左上から時計周りで、[岩田恵治、サロテズモ、JULIE WATAI、渡部剛]

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開催場所 東京交通会館
千代田区有楽町2丁目10−1
入場料 500円

主催:�螢織哀棔璽�
協力: 三菱地所�蝓↓蠹豕�交通会館
協賛: リキテックス/バニーコルアート��



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September 13, 2010

五代目撥屋 岩田恵治について私が知っている二、三の事柄

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7月の終わり頃にブランド経営コンサルタントの坂之上洋子さんからアーティスト岩田恵治さんの作品を教えてもらった。作品は、麻布十番の「山川屋」さんという漆器店に飾ってあるという。

翌日に早速行ってみた。その時に燦然と輝いていたのが、この古いコカ・コーラの鉄看板の上から無造作に漆を塗りこんだ作品だった。衝撃を受けた。アート脳が"ねずみ男"のようにビビビと震撼した。それから何度か山川屋の主人である林さんと話すようになった。

そしていよいよ、先週の土曜日9月4日に岩田さんご本人と会うことが出来た。本拠地の名古屋から所要があって来られたという。

岩田恵治さんの略歴は下記の通りである。

1957年生まれで、現在53歳。
神奈川の日本大学藤沢高校を卒業し、現役で2次希望の東京造形大学に
合格したが、仕事の都合で断念。
1980年に結婚後、数ヶ月フランスに滞在。その後、奥様のご実家である仏具業を手伝ううちに「洋画ばかりでなく、日本美術を再認識すべき」と考えた。
そして、撥屋 五代目となる。

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名古屋の倉庫には、それらのアート作品だけじゃなく 増上寺で使用した撥の円筒部分など江戸時代のものも保管してある。上記の巨大撥は、江戸期を中心とした絵画を基に洋風テイストで描かれたもので、失われつつある漆の世界を世の中にアピールするために造られたのである。

高価な漆が余るのがもったいないということで、アート作品を創るようになった。それが20年前。山川屋とは10年来の付き合い。伝統の漆塗りと対極的な岩田作品を知る事で、漆の一つの可能性を知ってもらいたいと考えている。伝統的な漆の塗り方(満遍なく塗って、擦って、磨いて)だけでは飽き足らず、凹凸や塗りかけのようなテイストをだしている。

数年前に突然4時間ほど記憶喪失(MRIで検査したが異常なかった)になり、個展や個人のフェイムよりも作品を創り続けることに意義を感じるようになる。

ワタシとしては... 岩田作品の根本精神(漆を使った日本独特の新しい表現方法とその美)を具体的に世の中に提示していかなければと感じている。
忘れ去られようとしている漆の魅力を現代に合う見せ方で後世に伝えたいものだ。


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左上:飢えのコカ・コーラ作品の拡大写真。
右上:木に金箔と漆で描かれている。2枚で1つの作品を構成している。古い仏像の金箔が元の金属から剥がれるのは、その間が真空のような状態になり剥がれ易いという特性から来るらしく、透明な漆はその接着剤のような役割は果たすのだ。そういう技術が本作にも生きている。

下記は、撥の存在を世の中にアピールするために自主的に岩田さんが制作した映像「地球は木魚だ」。篤とご覧あれ!



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