山口裕美

September 25, 2010

『現代アート入門の入門 』(著者:山口 裕美) : 西洋美術史を中心としない日本の現代アートの歴史を初めて知る。

UYFRDE (2)現代アート入門の入門 (光文社新書)
著者:山口 裕美
販売元:光文社
発売日:2002-10-17












先日 アート業界のチアリーダーである山口裕美さんから何冊か著書を頂いた中に本書があった。ワタシはアート好きなので詳しいつもりでいたが、改めて基礎って大事だなと再認識させられた。

改めて問題意識をもった話。以下抜粋

「美術館の展覧会予算にアーティストに制作材料費(実費)の他にギャラを払う慣習がない。アーティストはタダ働きの上に、協賛企業まで探したりすることさえある。また、展示後作品を購入してくれるわけでもない。美術館の社会的な役割の一つは、同時代の作品を市民に成り代わってコレクションすることにあるはずだ。」

「小山登美夫さんに村上隆や奈良美智の資料を見たい、スタジオに連れて行って欲しい、というのは圧倒的に海外のキュレイターである。日本の美術館のキュレイターに言われたことがないという。残念ながら(日本の現代アートは)、逆輸入の方式をとっているのが悲しい現実。しかし、椹木野衣さんや松井みどりさんという二人の美術評論家がいたことが幸運だった。」

「現代アート入門書は欧米の美術史、つまり西洋美術史の流れを羅列し、強引に日本にあてはめてきた。その結果、第一次大戦後にフランスから米国に渡ったダダイストで、後にコンセプシャルアートの先駆となるマルセル・デュシャン、ドイツのヨーゼフ・ボイス(パフォーマー)、アメリカ人のドナルド・ジャッド(工業製品のようなミニマムな彫刻)、ジャクソン・ポロック(床に置いたキャンバスに絵の具を垂らすドリッピングという抽象画)、アンディ・ウォーホル(ご存じポップアートの祖)などを列挙し説明しようとする。しかし、厳密には日本の現代アートは、第二次世界大戦後の民主主義が確立した1955年からである。1952年のヴェネチアビエンナーレに横山大観以下11名のアーティストが初参加したのが最初ではないか。」

「その後、学生運動が盛んな1960年代に戦前と戦後55年体制に抗う形で、反芸術運動が展開された。中でも、読売新聞が主催した上野 東京都美術館で行われた無審査で出品料さえ払えば展示・参加できた『読売アンデパンダン展』(1949-1963)が歴史的な役割を担った。エロ・グロ・ナンセンス作品など多数出品された。その中から、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之のユニット『ハイ・レッド・センター』も活躍した。」

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August 29, 2010

『芸術のグランドデザイン』 著 山口裕美: 「現代アートはよくわからない」「作家が死ぬと価値があがる」「社長室のアート作品はなぜ印象派ばかりか」の解がある

UHFRDE芸術(アート)のグランドデザイン
著者:山口 裕美
販売元:弘文堂
発売日:2006-12-25









少し前に山口裕美さんから頂いた本。

「現代アートはよくわからない」「作家が死ぬと価値があがる」「社長室のアート作品はなぜ印象派ばかりか」など一般の方がアートに対して思っていることを優しく解説。もちろん解説だけにとどまらない。ジャパニーズ・ポップアートとしての漫画、オタク文化までもカバーした論評はユニーク。

日本のビジネスマンにアートを身近に感じて欲しいという思いからアーティスト、キュレーター、コレクター、ギャラリストといったアートを巡る様々な人々に取材をしている。とても軽やかな足取りが心地よい。

以下、印象的な部分の抜粋

宮島達男さん
「アートのように、人のリアルとか、人の五感に訴えてくるものというのは、実は人間の観念でできたイメージをとんでもなく飛び越えている存在」

浜野保樹さん
「商業的成功にはそれだけ時代を動かした何かがあるはず。その中でも残るものと。大ヒットして消えていくものがあるから。それはちゃんと選択しなきゃいけない。戦略的にヒットしたからといって、その人を貶めめことは接゛対しちゃいけない」

高橋龍太郎さん
「自分の国の現代アートをどれだけストックし、パブリシティできるかで、その国の富の質が決まってくると思う。」


■アートと「遊ぶ」
 隈 研吾 (建築家)
 椿 昇  (アーティスト)
 奈良美智 (アーティスト)
 名和晃平 (アーティスト)
 宮島達男 (アーティスト)

■アートな「生きがい」
 重延 浩 (テレビマンユニオン代表取締役会長・CEO)
 浜野保樹 (東京大学大学院教授)
 長谷川祐子(キュレーター)
 福井健策 (弁護士)
 吉本光宏 (ニッセイ基礎研究所)

■アートと「旅する」
 福武總一朗(ベネッセコーポレーション代表取締役会長)
 南嶌 宏 (熊本市現代美術館館長)
 青森・金沢・六本木のアートガイド

■アートと「暮らす」
 大林剛郎 (林組代表取締役会長)
 高橋龍太郎(精神科医)
 広本伸幸 (エムアウト・アートディレクター)



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November 02, 2008

自分の好きなものがアート

powerTHE POWER OF JAPANESE CONTEMPORARY ART

 

 

 

 

著者の山口裕美さんは、「現代アートのチアリーダー」と呼ばれ、トウキョウトラッシュを主宰するアートプロデューサー。

アート好きにとって好みが合う、というのはもう一方的に友だちみたいなものである(失礼!) また、知らないアーティストの作品の情報をシェアしてもらえることも知見が広がり嬉しい。

山口晃氏の精緻な絵巻物、鴻池朋子さんの鉛筆の幻想、濱口健氏の爽やかで濃い緊縛、さわひらき氏の静かな映像美など これからの日本の現代アートを紹介する格好の手引書である。



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