October 07, 2012
寄藤文平の夏の一研究:100のデザインがあるんじゃなくて、100の考え方があってデザインがあるってこと!
寄藤文平の夏の一研究
2012年09月03日(月)〜09月29日(土)
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル
03-3571-5206
寄藤文平さんはJTのマナー広告「大人たばこ養成講座」やフリーペーパー『R25』の仕事で広く知られる注目のグラフィックデザイナーである。
だが私にとっては、「死にカタログ」というユニークな本の著者という位置づけなのである。それほど大好きな本で、各国の宗教事情に合わせたヒトの人生を描いている。軽い読み物ながら、重く考えさせられる内容だった。こでは感想割愛。
また、今回の展示会は2009年12月のイラストレーション展「KIT25」以来3年ぶりである。
さて今回の「夏の一研究」のコンセプトは、下記のチラシにご本人が分かりやすく記している。
「みなさま、残暑の折、いかがお過ごしでしょうか。
このたび、わたくし寄藤文平は、展覧会を開くことにしました。
しかし、展覧会というのははじめての経験で、何をしていいものか
まったくわからないでおりました。これまでの仕事は、
作品として展示するような性質のものではありません。
かといって、新しく見ていただく何事も持っていない。
なるほど、私はやはり、展覧会などやっていい人間ではなかった。
初夏の頃、そこに気がついたところで、私の中の展覧会は終了いたしまし
た。
展覧会終了後、私はすっかり気楽になって、最近気に入っている
黒板とチョークを使ったアートワークなどを作って、余暇を過ごしました。
夏の一研究とありますが、主に黒板とチョークの研究です。
研ぐ究めるといった世界ではありませんが、
来場者が少ないとさびしいので、みなさん、ぜひ来てください。
二〇一二年八月 寄藤文平」
...と、もうご本人がこの段階から楽しんじゃっている。
1階では、アートワークの展示、地下1階では、黒板をキャンバスにしたデザインワークが展開。
黒板にチョークで描かれているので、こすったら消えてしまう。お客さんは注意しなければならない!これぞアート!
地下1階で、赤瀬川 原平氏の著書「千利休―無言の前衛」を題材に、コンセプト別にたくさんの装丁を研究課題として展示している。岩波書店(1990-01-22)
販売元:Amazon.co.jp
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タイトルからイメージして、「無言の吹き出しを付けた千利休が崖っぷち (=前衛) に立っている」 感じだったり。茶室や朝顔のみをモチーフにしたり、デザインを遊んでいる。
ちなみに、この研究結果は一冊の本になって発売される予定。楽しみが続くわけ!もう、終わっちゃった展示なので、いけなかった人はそちらをお楽しみに!
◆略歴
1973年長野県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科中退。
1998年ヨリフジデザイン事務所
2000年有限会社文平銀座設立。
近年は広告アートディレクションとブックデザインを中心に活動。
イラストレーターとして挿画の連載や、著作も行う。
http://www.bunpei.com