January 02, 2010
“つぶやき”がもたらす変化
ツイッター・パーフェクトガイド Twitter Perfect Guide. (INFOREST MOOK)
販売元:インフォレスト
発売日:2009-11-17
2010年年初に鳩山首相がTwitter(ツイッター)をはじめた。小泉純一郎元首相がメルマガ「らいおんはーと」をはじめた2001年6月からおよそ10年。メルマガはツイッターになったわけだ。
まだ知らない読者のために説明しておくと、Twitterは、ブログ「Blogger」を開発し、その後Google社に売却したEvan Williamsとその開発チームの一員だったJack Dorseyらによって2006年7月に開始されたサービスである。Obvious社(現Twitter社)
新聞などでは、ミニブログと訳されている。SNSの招待制を緩くしたもののようであり、チャットの進化系のようであり、まったく新しい何かのようでもある。デジタルメディア研究所の所長 橘川幸夫さんによれば、「ビデオはタイムワープを疑似的にでも実現したし、インターネットはテレポートやテレスコープを仮想現実の中で実現した。(中略) twitterはテレパシー能力の追及である」(デメ研社説・twitter考 2009-10-15から引用) と述べている。
各ユーザーは自分専用のサイト(ホーム)を持ち、140文字以内でつぶやく。つぶやき(ツイート)はブログの個別記事のように固有URLが付与される。相手の承認無く他のユーザーのツイートを見る事(フォロー)が出き、タイムラインと呼ばれる場所で閲覧できる。主にこのタイムライン上で、コミュニティが形成される。あくまで、”つぶやき”なので誰かに返事を期待する必要はない。場合によっては返信(@)があったり、履歴付き返信(RT)や引用(QT)などの機能もある。50人くらいフォローしていると楽しくなってくる。
ワタシは、2007年の5月にはじめたが、あまりにも日本人がおらず、ぽつねんと英語でつぶやいていた(インターフェース日本語化=2008年4月)。それが今では、2009年11月末で、登録ユーザー数2,000万人(アクティブ100万人)、日本の登録は100万人になった。
さて、再度はじめたTwitterは知人もセレブも機能も豊富になった。気軽に携帯からもライブ投稿できる。写真や動画の連携やテーマ別のコミュニティ(ハッシュタグ)も簡単にできる。ただ、これらは機能に過ぎない。この新しいメディアで何ができるかを考えて試しているフォロワー(他のユーザー)がいる。デルがこれを使って2億円儲けたという話をきいたビジネスマンが盛んに勉強しているらしいが、そういう新しさではない。プロモーションツールとしてのTwitterなら、すでに大手企業は同じ情報をブログとTwitterに投げている。そうじゃなくて、このメディアならではの使い方である。朝日新聞のスポーツ記者(@asahi)が2009年6月10日に”つぶやいた”ことは、一つの契機となった。当日は横浜でワールドサッカーが行われていた。記者はTwitterを使ってリアルタイムにつぶやいたのである。それは報道というより、つぶやきに近かった。「かき氷たべた」だの「パソコンの電池が切れちゃう」などという記者の心情吐露が、ユーザーの親近感を掻き立てた。大げさにいえば、大手メディアが新しい側面をみせた瞬間といっていいかもしれない。また、ケータイ小説家 内藤みかさんが2009年7月22日にはじめた140字のTwitter小説(#twnovel)は、何人かの小説家が共鳴し、その後書籍化された(「Twitter小説集 140字の物語」刊:ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
さて、そんなツイートの中からブックデザイナーの祖父江慎さん(@sobsin)の初夢をQTさせて頂く。
「宇宙ジャングルジムの夢も時々見る。真黒で上も下もない空間に色鮮やかな大きな惑星や星雲がいっぱいで、文字ネオンつきの遊星も浮かんでる。永遠に広がるジャングルジムをうまく渡れば目的の星にたどり着ける。ジャングルジムの手元には空気がある。落ちないように注意して進む。迷子になりそう。」