January 20, 2008
ある日、新聞がアート作品になった
先日、六本木クロッシングのことを報告したが、日が経つにつれ吉村氏の鉛筆画が気になる。上記の作品はすべて鉛筆で模写されている。印刷に見えるかもしれないが、すべてのフォントも広告部分も鉛筆で丁寧に精緻に原寸で描かれている。
どうしてこれがアートなのか。それは誰もやらないからだ、という答えしか思いつかない。つまり説明不能なもの=アート、といってよい。そして、それはアナーキーで誰にも理解されないものではなく、時間が経るほどに熟成して、観た人の想像を掻き立てるのだ。
なぜ、どうして...という観念はここでは無駄な思考行動である。毎日読んでいる新聞をひたすら模写する作者の冷静さが怖くなるのだ。その怖さがアート体験なのである。
この作品のポスターが売店でひっそりと売っていた。94円だった。
■吉村芳生 (よしむらよしお)
1950年 山口県防府市に生れる
1971年 山口芸術短期大学卒業
1979年 創形美術学校卒業
イギリス国際版画ビエンナーレ アーガス賞(イギリス・プラッドフォード美術館)
1982年 マイアミ国際版画ビエンナーレ メリット賞(フロリダ・メトロポリタン美術館)
1984年 小林和作賞受賞
1986年 山口県美術展 最優秀賞
tabloid_007 at 21:17|Permalink│Comments(0)│



