ロマン・ポランスキー

February 04, 2012

映画『おとなのけんか』(Carnage)監督ロマン・ポランスキー: 人間関係の修復は、宇宙的な規模で些細なリズムを刻む。

carnage-2『おとなのけんか』(Carnage) 2011年

監督:ロマン・ポランスキー
原作・脚本:ヤスミナ・レザ
(戯曲『大人は、かく戦えり』(Le Dieu du carnage) )
フランス・ドイツ・ポーランド・スペイン合作

出演:ジョディ・フォスター
ケイト・ウィンスレット
クリストフ・ヴァルツ
ジョン・C・ライリー

配給:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス



昨日、試写をみた。劇場公開は、2月18日(土曜日)から。詳しくは、ココ


【ネタバレ注意】

原題の“carnage”は、直訳すると“大虐殺”ってことだが、ここでは“大騒動”くらいの意味か。

最近、というかこの1年間見た映画の中でもベストじゃないか?ポランスキー監督の「死と処女」を彷彿とさせる一幕物。まったくの密室劇。軽快な滑り出しから異様な緊張状態まで、一室のみで描ききる。

脚本も演出も役者も完璧である。

もう、たぶん解説の必要はない。ただ、劇場に行ってほしい。


男は、ぐうたらなのに喧嘩っぱやくて、女は、こまやかなのにヒステリーで。そういう宇宙的な心理を、たった一つの出来事を軸に表現する。その技!そのアングル!演劇とも違う新しい映画らしい見せ方。

結局、【ネタバレ注意】って言っておきながら何もいわなかった!エヘン。



tabloid_007 at 21:04|PermalinkComments(0)

November 23, 2011

オムニバス映画【それぞれのシネマ 〜カンヌ国際映画祭60回記念製作映画】ロマン・ポランスキー!デビッド・リンチ!アキ・カウリスマキ!

126471-b-chacun-son-cinemaそれぞれのシネマ ~カンヌ国際映画祭60回記念製作映画~ [DVD]
出演:テオ・アンゲロプロス
角川エンタテインメント(2008-07-04)









国際映画祭60回記念として、36人の映画監督(兄弟監督が2組)が34本の短編映画を撮った。

24の国と地域による合作のオムニバス映画である。

いちばんのお気に入りは、下記のロマン・ポランスキー監督作品である。





夏の映画館 Cinéma d'été (フランス) 監督:レイモン・ドゥパルドン
素晴らしき休日 (英語題 One Fine Day) (日本) 監督:北野武
3分間 Trois minutes (ギリシャ) 監督:テオ・アンゲロプロス
暗闇の中で Dans le noir (ロシア) 監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
映画ファンの日記 Diaro di uno spettatore (イタリア)監督:ナンニ・モレッティ
電姫戯院 The Electric Princess House (台湾) 監督:侯孝賢
暗闇 Dans l'obscurité (ベルギー) 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
ワールドシネマ World Cinema (アメリカ)監督:ジョエル&イーサン・コーエン
アブサーダ Absurda (アメリカ) 監督:デヴィッド・リンチ
アナ Anna (メキシコ) 監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
映画をみる En regardant le film (中国) 監督:チャン・イーモウ
ハイファの悪霊(ディブク) Le Dibbouk de Haifa (イスラエル)監督:アモス・ギタイ
レディ・バグ The Lady Bug (ニュージーランド)監督:ジェーン・カンピオン
アルトー(2本立て) Artaud Double Bill (カナダ) 監督:アトム・エゴヤン
鋳造所 La Fonderie (フィンランド) 監督:アキ・カウリスマキ
再燃 Recrudescence (フランス) 監督:オリヴィエ・アサヤス
47年後 47 Ans après (エジプト) 監督:ユーセフ・シャヒーン
これは夢 是夢 (英語題It's a Dream) (台湾)監督:ツァイ・ミンリャン
職業 Occupations (デンマーク) 監督:ラース・フォン・トリアー
贈り物 Le Don (チリ) 監督:ラウル・ルイス
街角の映画館 Cinéma de boulevard (フランス) 監督:クロード・ルルーシュ
ファースト・キス First Kiss (アメリカ) 監督:ガス・ヴァン・サント
エロチックな映画 Cinema Erotique (ポーランド)監督:ロマン・ポランスキー
翻訳不要 No Translation Needed (アメリカ) 監督:マイケル・チミノ
最後の映画館における最後のユダヤ人の自殺 At the Suicide of the Last Jew in the World in the Last Cinema in the World (カナダ) 監督:デヴィッド・クローネンバーグ
君のために9千キロ旅をしてきた I Traveled 9,000 Km to Give It to You (香港)監督:ウォン・カーウァイ
ロミオはどこ? Where Is My Romeo? (イラン) 監督:アッバス・キアロスタミ
最後のデート・ショウ The Last Dating Show (デンマーク) 監督:ビレ・アウグスト
臆病 Irtebak (イスラエル) 監督:エリア・スレイマン
唯一の出会い Rencontre unique (ポルトガル) 監督:マノエル・デ・オリヴェイラ
カンヌから5557マイル À 8,944 km de Cannes (ブラジル) 監督:ウォルター・サレス
平和の中の戦争 War in Peace (ドイツ) 監督:ヴィム・ヴェンダース
チュウシン村 Zhanxiou Village (中国) 監督:チェン・カイコー
ハッピー・エンド Happy Ending (イギリス) 監督:ケン・ローチ



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August 29, 2011

映画「ゴーストライター」 (監督 ロマン・ポランスキー): "Read between the lies."

The-Ghost-Writer_640d78c9-sゴーストライター
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン、キム・キャトラル
配給:日活









ポランスキー監督「オリバー・ツイスト」(2005年製作)以来、5年ぶり最新作である。

元英国首相アダム・ラングの自伝執筆を依頼されたゴーストライターが、ラングの滞在する孤島を訪問。
取材をしながら原稿を書き進めていくが、次第にラングの過去に違和感を抱き始める。さらには前任者の不可解な死の謎に行き当たり、独自に調査を進めていくが、やがて国家を揺るがす恐ろしい秘密に触れてしまう


独特の荒涼とした雰囲気の孤島。告発され、英国に戻れない元首相の姿は、監督自身がアメリカへ入国できないこととダブる。

それにしても、映画の設定、キャスティング、雰囲気、トーンマナー...そのすべてが映画らしい。役者も達者ものが揃い久しぶりに映画らしい映画を観た。必見。



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