April 19, 2009
目が見えなくなって見えるもの
ブラインドネス スペシャル
出演:ジュリアン・ムーア
販売元:角川エンタテインメント
発売日:2009-04-03
ワタシの読書体験のうち、ガブリエル ガルシア=マルケス「百年の孤独」、安部公房「密会」と並んで敬愛する作家ジョゼ・サラマーゴ 「白の闇」の映画化作品である。この映画のブルレイを古巣のソニー・ピクチャーズが発売していること、また映画化によって絶版となっていた原作本をNHK出版が新装版をだしてくれたことを嬉しく思う。このような貴重な作品はいつまでもいつでも人々に提供されるべき作品である。
本作は、原作に忠実に描かれている。全世界ですべての人がある日なんの前触れもなく突然失明してしまう。しかも、それは伝染性の病気だったのだ。しかし、これはSFではない。突然ある価値観を喪失した人間がどういう行動に出るのかを問うているのだ。ある者は傲慢になり、ある者は過去に感謝し、そしてある者は協力しあう。
ピーテル・ブリューゲル(Pieter Brueghel,1525-1569年)の「盲人の寓話」という絵を思い出した。これは、新約聖書マタイ福音書にある「盲人の寓話」をベースにした宗教画だが、そういう背景を知らずとも盲人が盲人を手引きする姿は人のありようさえ考えさせるのである。
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