ボローニャ

November 22, 2008

ある日いなくなった女の子のことを忘れてしまう自分

ALWAYS いつでも会える

 

 

 

 

 

菊田まりこさんの本書は、ボローニャ国際児童図書展児童賞などを獲得し100万部を超えるベストセラーになった本である。評価のことはおいといて...。賞の受賞コメントが帯にのっている。「子どもに死という非常にデリケートな問題を教えるためにもこの本は秀逸である」とある。しかし、果たしてそうなのだろうか。子どもは生に近い存在でもあるが、一方で死にも近い存在である。死ぬのが早い、という意味ではない。死を身近に感じる感性がある、ということだ。残酷さを残酷と思わない未経験者たちとでもいおうか。

そう考えると、意外とこの本は大人が読むべき死と生に関する本なのではあるまいか。仲良しな女の子と仔犬がある日を境に、仔犬だけになってしまう。それは時の流れのまま淡々と描かれる。生き残ったものが生の記憶を留めることによって人は死なない。しかし、肉体的には死んだ人のことも時が経ち記憶からなくなることで人は完全にいなくなってしまう。その恐ろしさは決して自覚できることは無い。だから恐ろしい。



tabloid_007 at 23:31|PermalinkComments(0)