ブラッド・ピット

November 19, 2011

映画「マネーボール」 (ブラッド・ピット主演) : 印象良くて採用したらちっとも働かなかった…そういう経験があるマネーシメントが見るべき作品。

moneyball_posterマネーボール(ブラッド・ピット主演) [DVD]

監督: ベネット・ミラー
出演: ブラッド・ピット, ジョナ・ヒル, ロビン・ライト
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント









現在、劇場公開中の本作のジャパンプレミアに11月9日に行ってきた。
ブラピの舞台あいさつに痺れつつ、作品が始まる。

これは、実際にあった話をベースに映画化されたもので、メジャーリーグの貧乏球団・オークランド・アスレチックスのビリー・ビーンGMが、セイバーメトリクスと呼ばれる独自の手法を用いて、プレーオフ常連の強豪チームを作り上げていく。

この理論は、要するに普通のビジネスなら常識なんだが、単に選手のパフォーマンスを徹底的に数字で検証し、出塁率が高く年俸の安いROI(Reture of Investment)の良い選手のみでチームを編成。

競合分析なども徹底した数字管理で戦っていく。長年の経験と勘が勝負のスカウトからは反発されるも、リーグ戦まで上り詰めることが出来た。

つまり、ブラピ扮するビリーは、せっかく選手を育てても、シーズンオフには金持ち球団にとられてしまう。その繰り返しから逃れるためにこの理論を信じてすがったわけである。スカウトが新人に目をつけても、際限なく同様のことが繰り返されるのでは、戦略を変えない訳にはいかない。

だから、そういう方法はやめる。現在活躍している他球団の選手の中から、出塁率は高いのに、年俸が安い選手を大物1人のスカウト代金で招聘する。当然スカウトからは、気でも狂ったのかと攻められるが意に介さない。

なぜそれらの選手をスカウトが敬遠していたのか?それは、太ってたり、打ち方がヘンだったり、要するに印象が悪いというに過ぎなかった。

人事にかかわったことがある人なら理解してもらえると思うが、逆の経験ってなかっただろうか。高感度の高い人を雇ったが、ちっとも活躍してくれなかったという経験。人は印象が9割というけれど、マネーボール理論は、その逆をいく徹底して数字に基づいた理論なのである。

人づきあいが悪くても、出塁すればそれでよしっ!偏見を解き放つために、こういう方法があることを勉強した方がいいな。



tabloid_007 at 21:36|PermalinkComments(0)

August 18, 2011

映画「ツリー・オブ・ライフ」 (監督 テレンス・マリック):母の暖かさと子供たちだけの残酷な世界が同居する不思議な世界

The-Tree-of-Life_eb6dca25ツリー・オブ・ライフ

監督:テレンス・マリック
主演:ブラッド・ピット
ショーン・ペン
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ





138分...

テレンス・マリック監督作とわかってきている人には耐えられる。CMでブラピとショーンペンと思ってきていたカップルには気の毒なことをした。

ほとんどの人が溜息をついて劇場をあとにした。

1950年代半ば、オブライエン夫妻は中央テキサスの田舎町で幸せな結婚生活を送っていた。ブラピ演じる昭和な父は、長男ジャックに、タフな態度で子育てする。まあ、当時は日本も含めて"厳格な父"はどこにでも存在したと思う。

父の横暴から庇ってくれない言いなりの母にも子ども達は不満を抱くようになる。成功した大人のジャックはショーンペンが演じいてドラマの前後にちょこっとでるくらい。大人になってもトラウマから離れられないようだ。

物語を言ってしまえばこれだけの話なのだが、ドラマは線的に語られる訳ではなく、自然や宇宙や身体世界などのカットがランダムに挿入され、クラシックの名曲も場面と関係なく使われる。

ほとんどの人にとって苦痛ともいえる場面構成。会話は断片的でカタルシスはない。テレンス・マリックの壮大な8mm映画のような作品である。

ただ、私のように幼少期 山あり川ありの環境で育った者からすれば、ボールを屋根にあげて順番にとる遊びや、人のいない山小屋に子供だけで忍び込んだり、死と隣り合わせの急流で川遊びをするシーンなど懐かしい思い出が蘇ってきた。どのシーンも大人になって思い出すのが難しい非常にミニマルな世界なのだ。母の暖かさと子供たちだけの残酷な世界が同居する不思議な世界。それこそが、全力遊び世代には両立していたのだ。

たぶん、田舎育ちの男の子である程度難解な映画になれている人に共感される作品と思う。つまり、あまり一般的な映画ではない。

第64回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞作品。

 

tabloid_007 at 23:11|PermalinkComments(0)

May 07, 2011

映画「イングロリアス・バスターズ」 (監督 クエンティン・タランティーノ):目には目を!でいいのかっていう問題を考える作品

Inglourious-Basterds_7248b6ddイングロリアス・バスターズ [DVD]
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ブラッド・ピット
ジェネオン・ユニバーサル(2010-12-22)










いまごろ見た。「イングロリアス・バスターズ」、「不名誉な退治者」とでも訳したらいいのか。

1976年のイタリア映画『地獄のバスターズ』を下敷きにした、クエンティン・タランティーノ監督による戦争映画である。

1941年第二次世界大戦中のナチス・ドイツ占領下のフランス。家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナは、「ユダヤ・ハンター」の異名をとる国家保安本部のナチス親衛隊SSのランダ親衛隊大佐の追跡を逃れる。一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉率いるアメリカの秘密特殊部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげ、レインの先祖のアパッチ族に倣って頭皮を剥いでいた。1944年映画館主となったショシャナは、パリでナチス首脳部の集まるドイツ国策映画特集の企画を組み、その裏で復讐の牙を剥く。

目には目を!を地でいく方法に賛否あったが、単純に痛快さを描いているようにもみえる。問題作などといわれた映画はちょっと時期をズラしてみるとたいしたことはない。



tabloid_007 at 18:09|PermalinkComments(0)

June 21, 2009

寸借の違う幽霊人間たち

neo-1Neo Rauch: Neue Rollen, Paintings 1993-2006
著者:Neo Rauch
販売元:Dumont
発売日:2007-03

 

 

 

世界最大のアートフェア「アート・バーゼル」(Art 40 Basel, June 10-14)のVIPプレビューが6月9日、スイスのバーゼルで行われた。世界中から約300のギャラリーが出展し、2500人超のアーティストの作品を集めた。

bradその中で話題をさらったのは、ブラッド・ピット氏である。ニューヨークを拠点に美術仲介と収集を手掛けるアルバート・ムグラビ氏によると、ピット氏は、ドイツの現代アーティスト ネオ・ラウフ氏(Neo Rauch) の絵画“Etappe” をニューヨークの画商 David Zwirnerから68万ユーロ(約9350万円)で購入。

 

 

neo-7

ネオ・ラウフ氏についてまったく知らなかったが、報道された絵の写真をみてスグにアマゾンで画集を購入した。大好きな画風だった。


Neo Rauch "Etappe" (1998, Oil on linen 200 x300cm)

◇ ネオ・ラウフ(Neo Rauch) 1960年ドイツ生まれ。幼少の時に、両親を鉄道事故で亡くしている。
1993-1998年までLeipziger AkademieでArno RinkとSieghard Gilleのアシスタントをして美術を学ぶ。
社会主義リアリズムとシュルレアリスム(特にGiorgio de Chirico, René Magritteの作品に影響を受ける)
評価されはじめたのは、2002年にVincent Awardを受賞してからである。

Reflex 2001, oil on canvas , 210 x 250 cm
Abraum 2003, oil oncanvas , 210 x 250 cm

neo-3

neo-4

 

 

 

 

 

 

Malerei 1999, oil on paper, 118 x 72 cm
Bad 2003, oil on paper, 197 x 264 cm

neo-2neo-5



tabloid_007 at 16:08|PermalinkComments(0)

March 07, 2009

若返って、原子にもどる。

l_421715_d0018725

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット 出演) [DVD]

 

 

 

 

 

本作は、第81回アカデミー賞3賞を受賞した。老人で生まれたブラッド・ピット扮するベンジャミンが歳と共に若返る作品といっしまえばそれだけの作品である。しかし、この原作が「華麗なるギャツビー」「ラスト・タイクーン」(いまや、この名作のVHSは絶版になり、DVDは発売さえされていない!しかも脚本は、ハロルド・ピンターなのだ!) などで有名なロストゼネレーションを代表するF・スコット・フィッツジェラルドとなれば見方も変わってくるのである。

原作は、フィッツジェラルドが一番ノッていた1922年に描かれた短編である。当時、フィッツジェラルドは妻であるゼルダ・セイヤーが浪費するニューヨークでの社交費を賄うことに精一杯だった。それゆえ、スグにお金になる短編を書きまくっていたのである。そういう背景を考えるとベンジャミンの人生は奇妙な一生どころか、フィッツジェラルドの願望の現われではなかったのかとさえ考えてしまう。歳をとればとるほど、若返る...。

この何とも痛々しい不可逆的な願望の実現。これこそが創作の自由と苦悩を表現している作品ともいえる。



tabloid_007 at 14:44|PermalinkComments(0)

August 05, 2007

は〜い、安心マークです。

オーシャンズ13

シリーズ3作目、そろそろ飽きられつつあるシリーズだが、豪華キャストと毎回のゲスト選択の力量により成立している。今回は、強欲なホテル王をアル・パチーノの客演しており、物語に張りを与えている。

典型的なユダヤのオーナー社長が板についている。ベガスのホテル建設では配管からカジノのアルバイト選びまですべて一人でこなす。日本人からすれば、こんな大金持ちが貪欲なわけないと考えがちだが、ユダヤ商法との付き合いが深いワタシなどからみれば、ごく普通の強欲さなのである。それ故、いろいろな実在の人を創造して楽しむことが出来た。夏休みに押さえたい一品。



tabloid_007 at 15:01|PermalinkComments(0)