フィッツジェラルド

July 19, 2009

まったく日本で観られない名作

last-1 映画『ラストタイクーン』(1976年)

 

 

 

 

 

 

ハッピーエンドの物語を創り出すハリウッド黄金時代を背景とした、男と女の愛の物語。フィッツジェラルド原作をピンターがどう料理しているのか、またエリアカザンの演出は...など興味が尽きないのだが、これほど重要な作品のDVDが発売されていないのはもとより、VHSさえ入手不可になっている。アマゾンの履歴にもない。ヤフーオークションのアラートで既に半年も探しまわっているが、まったく該当なし。つい先日この劇場用パンフを1,000円で落札したことが唯一の成果である。最近では、潰れかかったビデオショップをみるだけで、車から飛び降り探し出す始末である。どなたかお持ちの方がいたら貸してください!ちなみに、製作配給はパラマウント、日本でのVHSは、CICビデオ(現在はない)

製作 サム・スピーゲル
監督 エリア・カザン
脚本 ハロルド・ピンター
原作 F・スコット・フィッツジェラルド
音楽 モーリス・ジャール

出演
ロバート・デ・ニーロ
トニー・カーチス
ロバート・ミッチャム
ジャンヌ・モロー
ジャック・ニコルソン
ドナルド・プレザン
イングリッド・ボルティング
レイ・ミランド
ダナ・アンドリュース
テレサ・ラッセル、
ピーター・ストラウス
ジョン・キャラディン



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March 07, 2009

若返って、原子にもどる。

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ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット 出演) [DVD]

 

 

 

 

 

本作は、第81回アカデミー賞3賞を受賞した。老人で生まれたブラッド・ピット扮するベンジャミンが歳と共に若返る作品といっしまえばそれだけの作品である。しかし、この原作が「華麗なるギャツビー」「ラスト・タイクーン」(いまや、この名作のVHSは絶版になり、DVDは発売さえされていない!しかも脚本は、ハロルド・ピンターなのだ!) などで有名なロストゼネレーションを代表するF・スコット・フィッツジェラルドとなれば見方も変わってくるのである。

原作は、フィッツジェラルドが一番ノッていた1922年に描かれた短編である。当時、フィッツジェラルドは妻であるゼルダ・セイヤーが浪費するニューヨークでの社交費を賄うことに精一杯だった。それゆえ、スグにお金になる短編を書きまくっていたのである。そういう背景を考えるとベンジャミンの人生は奇妙な一生どころか、フィッツジェラルドの願望の現われではなかったのかとさえ考えてしまう。歳をとればとるほど、若返る...。

この何とも痛々しい不可逆的な願望の実現。これこそが創作の自由と苦悩を表現している作品ともいえる。



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