ビル・ゲイツ

April 21, 2013

ビル・ゲイツ「日本がより強くなるために」スマート・エイドで世界の信頼を(文藝春秋 2013年5月号)

IMG文藝春秋 2013年 05月号 [雑誌]
文藝春秋(2013-04-10)














よーこさん(坂之上洋子さん)のブログみて「文藝春秋」読んでみた。

ビル・ゲイツが寄稿している。日本の知識層への効率的な訴えかけということでこの雑誌が選ばれたのかな。割とわかりにくい構成だったが、良いこと言ってる。

まず「スマート・エイド」って何だ?ってことなんだけど‘費用対効果が高く、大きな変化が見込める分野に絞って集中的に投資することらしい。

本人も述べているが、これってベンチャー投資と同じ考え方だよね。それを寄付の世界にも持ち込んでいる、と。

代表的な分野として、感染症などの保健医療分野と途上国の農業開発があるようだ。

その方法でインドでは2009年にポリオ発症国世界最大だったのが、2011年には壊滅した。200万人動員して子供にワクチン接種したっていうんだから凄い。

本題は日本は1990年代に世界最大の援助国だったのに、いまではピーク時(1997年)の半分の規模になってるそうだ。国家予算の0.5%だって。

日本には素晴らしいロールモデルがある。

・ 「緑の革命」 1930年代に科学者 稲塚権次郎さんが矮性品種小麦(背の低い小麦)を開発し、劇的な収穫量を得た。そのおかげでラテンアメリカやアジアの貧困を救った。

・ 「ブラジルの緑の革命」 1980年代に首相 田中角栄とガイゼル・ブラジル大統領が合意して不毛の原野だったセラード(日本の面積の5.5倍!)を大豆やトウモロコシなど穀倉地帯に変貌させた。そしてブラジルは世界最大の農産国になったのだ。

・ 「アフリカ稲作振興」 2008年にサハラ砂漠以南の米生産量を倍増させるプロジェクトを始めた...などなど。

この記事読んでて思った。TPP交渉とか自国の農業守るのも大切かもしれないが、結局 保護主義が台頭すると対外援助が細ってしまうよね。
単に輸出入の数字だけでなく、総合的な恩恵を考えたら、日本以外の経済発展に日本が寄与していたらフリンジ・ベネフィット(気持ちの感謝)だけじゃなく、実質的な見返り(輸入食材の低廉化で食費が低くなり、所得の余裕が生まれ経済がよくなる)もあるんじゃないかな。

日本の技術でアフリカの飢餓が救えるだけならいいが、余力がついた時代に日本の農業が脅かされるって心配する人いるけど、日本もそういう援助いっぱい外国からもらってきたのが歴史認識でしょう。

他人に良いことしたら、自分に返ってくるという素晴らしいコンセプトを日本人はもっている。

だから、アフリカやアジア、南米から貧困がなくなれば、経済は活性化するに決まってるんだよ。

ということを考えさせる記事だった。

tabloid_007 at 12:09|PermalinkComments(0)