ティール歴

November 01, 2009

2世紀の励まし言葉と印刷

PN2009103001000786_-_-_CI0003 ローマ帝国時代レバノン地下壕
石版モザイク発見

『元気を出せ 誰だって死ぬのだから』
(西暦196-197年,2cm角の石版モザイクが縦1m、横1.5mの範囲で出現。白地に黒で描かれた「BKT」の文字が、ティール暦の322年を示す)

 

奈良大学の西山要一教授(文化財学科 保存科学)と研究チームが確認し、2009年10月30日発表した。

古代ローマ時代のモザイク発見 レバノン南部の世界遺産ティール郊外にある壁画を伴った地下墓。地下床面のモザイクに、ローマ時代最盛期の2世紀を示す記述がある。地下墓は石灰岩の岩盤をくりぬいた構造。四方の壁にクジャクやつぼ、死者にささげる魚や鳥といった食物、ワイン壺などが色鮮やかに描かれている。立派な造りで氏族の長が埋葬されていたらしい。

墓室内部の床には、穴が7つ掘られていた。深さ60-80cmで、6つには棺が、1つは水がめなどが収められたらしい。床面に約200点の土器やガラスの破片、人骨が散乱していた。

モザイクは墓室の入り口付近の床にあった。1片が2センチ角の石が敷き詰められ、白と黒の2種類。黒い石を使ってギリシャ文字が描かれ、「元気出せよ 誰だって死ぬのだから」という意味の言葉と年号が記されていた。年号は「BKT」とあり、ティール暦322年(西暦196年10月-197年10月)を意味する。

西山教授は「死者か遺族への励ましの言葉で、墓の中で永遠に命が続くという思いを込めたのだろう」と話す。

ピクト文字の原型が2000年近く前からあったとは...。文句が相田みつをっぽいのも、人類の普遍性をあらわしているようで微笑ましい。



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