スーパーフラット

October 25, 2009

刷ることへの過剰な喜び

takashi村上隆『版画が好きで造って来ました』

2009年10月09日〜2009年10月23日
Kaikai Kiki Gallery
港区元麻布2-3-30元麻布クレストビル B1
03-6823-6038

 

 

村上隆さんの版がに対するこだわりの歴史が垣間見れる展示だった。とても、素晴らしい作品の数々は、カタログや画像どでは味わえない。

村上さんは、その版画に対する執念を実現するために、一番大事な刷り師・加藤智章さん(有限会社エディション・ワークス)との出会いがあったという。2-3mmの輪の中に5-6重もの刷りがはいる。大判作品「達磨大師」(1.6 x 1.6m)などは、版割100版以上、150回以上の刷りをエディション枚数分行う。通常作品でもデジタル納品されてから、版割に3週間、製版に1週間、構成刷りに2週間、刷るのに3週間。これに、箔などがはいると更にかかる。また、工房では、紙が伸縮しないように温度は年中一定に保たれ、湿度は57.8-60%に保たれている。

また、作品もシルクでありながら部分的に木版を使用したり、既にエディションではなく、一点一点が微妙に違うユニーク作品となっている。この拘りが一流の作品を創っている背景なのである。

賛成の反対なのだ[Bakabon] (1992, silk screen 899 x 600mm ED20)
タイムボカン[Time Bokan-Little boy black] (2006, silk screen 730 x 730mm ED50)

muramuramura



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September 20, 2009

プロペラのった合成人間

IMG_0004-Sプロペラ天国
著者:富沢 ひとし
販売元:集英社
発売日:2001-09

 

 

 

 

2000年に村上隆がキュレイトした「スーパーフラット展」の中で紹介されている富沢ひとし氏の作品をよんだ。少年少女を主人公にしたやや観念的なSF作品が得意と、紹介には書いてあった。地球が平和で戦争のない世界にするために合成人間とお勉強中の「僕ら」。ところが人間そっくりの合成人間が人間を裏切ろうとしている。そこで、恋愛探偵組なる二人組が人類の歴史を再び軌道に戻そうと奮闘する話。

しかし、合成人間は人間を頭からパクッと飲み込んでしまうし、突然脱皮してプロペラで飛び去っていくし、怖いのなんの...

なぜか、不思議と日常的なタッチが不思議... 引き込まれるストーリーである。



tabloid_007 at 19:27|PermalinkComments(0)

August 15, 2009

美術史の中のスーパーフラット

murakami_superスーパーフラット
販売元:マドラ出版
発売日:2000-05

 

 

 

 

1999年4月号の「広告批評」で『TOKYO POP宣言』をした村上隆が、その後 2000年に「SUPER FLAT」を発刊し、翌年この本を底本とした村上隆のキュレーションによる展覧会をロサンゼルスで開催し、彼の国際的な評価を決定づけることになる。江戸の絵師とJ-アニメとの対比を日本の美術史の中で位置づけた。

左= 富沢ひとし、漫画「ミルクローゼット」(2000年 月刊アフタヌーンより)
右= 弐瓶勉、「MEGARO MANIA」(東京都中野区) 

murakami_super-2123

 

 

 

 

 

 

 

アート・奈良美智、中ハシ克シゲ/アニメ特撮・森本晃司、金田伊功/マンガ・町屋変丸/ファッション"20471120
(中川正博)"/写真・HIROMIX、佐内正史/近世画家・伊藤若冲、狩野山雪
、葛飾北斎、俵屋宗達

下記、「TOKYO POP」(1999)「SUPERFLAT」(2001)「LITTLE BOY」(2005)で取り上げられたアーティストの一覧を作成してみた。

MURAKAMI-ARTIST



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