スルース

March 16, 2008

言葉が人間を動かすスルース

truthSLEUTH
「スルース」(2007年)は、「探偵スル−ス」(1972年)のリメイクである。前作は、ローレンス・オリビエとマイケル・ケインが競演だったが、35年の月日を経て、今度はマイケル・ケインがローレンス・オリビエの役割を担い、ジュード・ロウが相対する。
一番大きな違いは脚本である。そう、ワタシの大好きな戯曲作家であるハロルド・ピンターが書いているのだ。これだけで劇場に行く意味がある。そして、監督はケネス・ブラナー。もういうことない布陣。
 
二人の男がロンドン郊外の邸宅の中で、心理戦を行う、一切の舞台装置は必要ないかにみえる。ピンターのオリジナルではないかと思えるくらい緊迫した二人の男の掛け合い。騙す方が騙され、騙される方は、それを予見してまた騙そうとする。しかし、これは謎解きやどんでん返しなどの趣意はなく、あくまで二人の男の関係性、主従関係、愛憎関係、愛情関係を提示し続ける。終わりのないゲームのような対話の中で新しい関係は見つけられるのか。そもそもこれは解決のための会話なのか。誰にもわからないし、目撃者はただその成り行きに拘束される。

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