週刊 『フクダデスガ』

アルゴ ブルーレイ DVD (2枚組)(初回限定版) [Blu-ray]
監督・出演：ベン・アフレック
ワーナー・ホーム・ビデオ(2013-03-13)











中学生の時からずーとアメリカ映画を観てきた。
アメリカを世界の警察と思って、その世界観に憧れた。

大人になるにつれ、アメリカの価値観が世界の価値観と同じでないことがわかった。

日本の教科書は、なぜか第一次世界大戦辺りで三学期が終了してしまう。
そうなんだ、私は第二次世界大戦前後がすっぽりと抜け落ちているのだ。

だから、大人になってから終戦記念日にNHKの特番などで知らされることが自分にとっての戦後史に他ならない。

それでも、知りうることは日本史の一部に過ぎない。功罪両面を丁寧になぞるためには、双方の主張に沿った歴史本を読んだり生き証言のテレビドキュメントをみて考える必要がある。

ましてや、世界の20世紀がどうだったかなんて無知もいいとこだ。
この映画をみていると、イランで危機に陥ったアメリカ市民の救出という側面に焦点があてられる。米国が陰ながら支援していたイランの悪政の被害については最初に語られるだけである。それでも、かつてのハリウッド映画からすれば進歩なのかもしれない。市民に罪はないとしながらも、イラン国民の米国に対する感情の描き方がフェアではない。

行間に隠された歴史の闇を想像することで、イランの名もない犠牲者の追悼になればよいのだが...

映画は、アラン・アーキンやジョン・グッドマンなど芸達者が揃っており、飽きさせない展開だった。