サザビーズ

March 17, 2012

CHRISTIES 【MARKET REVIEW 2011】 アートは不変かもしれないが、価値は変動する。

IMG_0010CHRISTIES
【MARKET REVIEW 2011】
POST-WAR AND CONTEMPORARY ART








アート競売の大手クリスティーズから、昨年の成績結果の冊子が送られてきた。

ご存じのとおりセカンダリー・マーケットは、景気や投機的な影響をモロに受ける市場であり、本来アートの出来と無関係といいたいところだが、ある種のアーティストは不景気でも強かったり、またあるアーティストはごく短期的な投機目的で売買されたりする。

アートが不変である、と考えたければ経済状況など気にすることもないが、私は、アーティストもある時代に生きており、だれににも評価もされなければ売買もされない訳で、その作品がアートであるかさえわからなくなってしまう。

もちろん、アーティストの死後にいきなり有名になるケースはあるが、あくまで経済価値がアートの評価時期の重要なエレメントであることは、アーティスト自身も忘れてはならないと思う。

そういう意味では、クリスティーズのまとめは示唆に富むものである。
この現代アートの出来高グラフによれば、リーマンショックの影響で2009年はUS$250M(約250億円)まで落ち込んだのが、昨年2011年はUS$709M(約709億円)と約3倍まで回復している。まだ2007年のピークUS$972(約972億円)には及ばないが、今年あたりは回復するこもしれない。

そして中期的な視点で考えれば、高値安定はアンディ・ウォーホルに尽きるだろう。

IMG_0011


tabloid_007 at 23:17|PermalinkComments(0)

May 29, 2010

すべてのアート作品を完売させる競売者の名誉の証"WHITE GLOVE"の意味とは?

whiteSotheby's Japan Newsletter
"WHITE GLOVE" Vol.11 May 2010












世界的なアート・オークションハウスであるサザビーズ・ジャパンから最新のニューズレターが送られてきた。タイトルの"WHITE GLOVE"というのは、社長の石坂泰章さんが命名した。

意味は、オークショネア(競売の責任者)が出品作品をすべて売却した際にもらえる名誉ある白い手袋である。

アートは、アート作品だけの価値で成立しているわけではなく、アーティストとギャラリスト、スペシャリストと批評家やオークショネアによってビジネスとして成立しているのだ。価値を作る構造が作業として成り立たないと、それは単に趣味の世界になってしまう。そこで、生計をたて暮らすことが出来る"アート業界"であって欲しいものだ。

tabloid_007 at 17:27|PermalinkComments(0)

May 16, 2010

『サザビーズ「豊かさ」を「幸せ」に変えるアートな仕事術』 (著:石坂泰章)=競売出品の三大要素:3D=Death(死), Divorce(離婚), Dept(借金)

IMG_0001-SASAサザビーズ 「豊かさ」を「幸せ」に変えるアートな仕事術
著者:石坂 泰章
販売元:講談社
発売日:2009-10-16









オークション会社の裏側を最大手の競売会社社長が平易に紹介した本。たいへん面白かった。

・ オークションに出品される三大要素:3D=Death(死), Divorce(離婚), Dept(借金)

・ 世界のセカンダリー市場(2008):10,800億円>サザビーズ5,200億円+クリスティーズ5,100億円(95%)

・ 日本のセカンダリー市場(2008):170億円(9社合計) * 1.57%市場

・ 競売手数料=買い手:25%(up to 5万ドル), 20%(uo to100万ドル), 12%(above 100万ドル) 売り手:10%を上限にフレキシブルに設定

・ 絵の担保価値:海外ではオークションの落札予想価格の下限50%まで銀行が貸し付ける

・ 絵の価格:あってないようなもの、という人がいるが、野菜やガソリンと同じで需給関係で決まる

・ 作品の評価:必ずしも、作品評価だけでない。ウォーホルの「レッドショット・マリリン」は彼が銃撃された時に、作品に銃弾の穴があいた。それを原版にプリントしてものは高価。ドラマチックな人生に対する付加価値がある

・ オークション会社のスペシャリスト(アカデミックな知識+市場の価値を見極める目利き):雑用の後、カタログ作りのアシスタントになる。作品の真贋証明を取得したり、権威である学者から作品の解説をきく。修復家と一緒に作品を検証したりして経験を積む。何年かすると「カタロガー」という取り纏め役となる。そこから正式なスペシャリストになると、査定する権限を持つ。セールの構成にも関われるようになる

・ 画商が公立美術館に作品を収めると、売買の流れがそこで止まり、作品が流通することはなくなる

・ 個人コレクターに収めると、いつかは手放し、また取引になる。お客様の持っている作品も画商にとっては在庫といえる

・ 日本の蒐集文化:人に見せることを前提にしていない。正倉院が良い例。大半は宝物としてしまいこむ。欧米人のように客間に飾ったりせず、時折出してはひそかに楽しむのが基本

・ 企業のアート投資:投機はいけないが収益は出す必要がある。個性的なコレクションを作り、展覧会を開いたり、美術館に貸し出すことで知名度とイメージ向上を図る。女性誌の読者は、ダイレクトな広告よりもモデルへの衣装協力のクレジットに興味を持つ。だからカタログの所蔵先は注目される

・ 美術品は投機に向いてない:短期売買には手数料が高い。また市場流動性に乏しく現金化も望めない。しかし、資産としては優れている。持っていても税はかからないし、相続税をとられるが世代を超えて受け継ぐことが可能。家や土地と違って、どこへでも持っていける

tabloid_007 at 18:19|PermalinkComments(0)

February 07, 2010

ジャコメッティの歩く男が思いっきりジャンプした!

416YB01KD0L__SS500_Alberto Giacometti "L'Homme qui marche I"











2010年2月のアート業界は順調な滑り出しをみせたといっていいだろう。クリスティーズ(ロンドン)で行われたEvening saleでは69点で110億円の競売結果となった。そして日本での話題はピカソが1963年に再婚相手であるジャクリーヌを描いた肖像画"Tete de femme (Jacqueline)"が見積もりの倍以上である約2億円で売れたことだろう。しかし、買い手の3/4がヨーロッパ。アジアは2%に過ぎなかったらしい。ということは、不景気の関係ない富豪が買い時とみたのだろうか。

それより、もっとニュースになって良いのが、同日開催されたサザビーズ・オークションの方である。こちらの方が商いは盛況だった。31点で211億円。中でも、ジャコメッティの「歩く男I」が見積もりの5倍以上の93億円で競り落とされた。過去最高額の取引だったようだ。

このようなセカンダリー・マーケットが復調してくれば、プラリマリーやアジアも付随して欲しいものである。

名称未設定 1giacometti

tabloid_007 at 20:38|PermalinkComments(0)

May 18, 2008

奇奇怪怪な日本のアートシーン

view6197391

村上隆「マイ・ロンサム・カウボーイ」

 

 

 

 

 

5月14日夜、村上隆氏のフィギュア作品がサザビーズでオークションに掛けられ、1,516万ドル(約15億9,500万円)で落札された。予想額(300万〜400万ドル)を大幅に上回る高値に、会場からは大きな拍手が沸き起こったらしい。

978-11998年に作製した裸の男性のフィギュアで、高さ254センチ。アクリルとファイバーグラス、鉄で作られている。

値段の高さばかりが注目された格好だが、相変わらす日本のオタク文化が受け入れられたというような報道の視点は一本調子だと思った。単に、アキバのフィギュアが巨大化しただけではあるまい。

日本では、のアートしての捉え方の背景が薄いこと、投資としての市場が世界と比較して皆無といっても良いことなどが、これだけの作品を生み出しながら、市場のダイナミズムとは別なところで存在してることを浮き彫りにしていると思う。



tabloid_007 at 20:31|PermalinkComments(0)