October 16, 2010
デビッド・リンチ[PAINTINGS & DRAWINGS](1991):「絵のこととなると、私が美しいと思うのは暗いものの方だ。」
販売元:トレヴィル
発売日:1991-01
先日好評のうちに終了したコムデギャルソンが心斎橋で運営するギャラリー[six]のデビッド・リンチ展。実は、前回リンチのアートワークが紹介されたのは、今回と同じキュレイターの飯田高誉さんが、フジテレビギャラリーから独立した直後の1991年に「デヴィッド・リンチ:イメージの創始—絵画&素描」(東高現代美術館)以来のことなのである。その間約20年の歳月が流れた。
1990年初頭は「ツイン・ピークス」のブームでデビッド・リンチの人気は非常に高かった。本書はその時のカタログである。いまや新書では入手困難と思う。
それにしても、20年間リンチと付き合い続け新作展示に漕ぎつけた飯田さんも凄いが、逆に考えればこの間、リンチのアートワークがほとんど紹介されなかったことも驚くべき事実である。
[On a windy night a figure walked to Jumbo's klown room]
(風の強い夜、ある人物がジャンボズ・クラウン・ルームに歩いていった)
1988, oil & mixed media on canvas 165 x 165cm
[Three figures on a satge](舞台上の3つの形)
1987, chalk & conte on paper 54 x 74cm
[Valley on the shadow Part- featuring the letter K]
(影の谷パート1 - 主演:文字K)
1986-89, oil & mixed media on canvas 79 x 109cm
August 21, 2010
David Lynch "DARKENED ROOM"at "Six" Comme des Garcons: Beyond darkness or No room to run.
2010.08.07-10.09[sat]
Six [Comme des Garçons]
大阪市中央区南船場3-12-22
06-6258-3315
今年最高の部類に入るほど興奮を覚える展示だった。昨年大阪にsixが出来て以来、飯田 高誉さんがキュレーションしているらしい。
草間彌生、横尾忠則、森山大道、そしてデビッド・リンチである。この堂々たるラインナップ。一度も見逃すことができない。あえて東京で観られないように仕掛けているのか?関西の芸術感度が評価されているのか不明だが、sixは韓国ソウルにも開廊予定とのことだった。
さて、今回の展示内容は、同名の2002年の短編映画のタイトル「DARKENED ROOM」からとられている。この短編はリンチの公式ホームページで公開されたビデオ作品である。その集大成からの抜粋で構成されている。短編の上映と、平面7作品(いずれも2009年制作で初公開)で構成されている。
デビッド・リンチは2007年、アートワーク(絵画、写真、彫刻)を中心とした個展をカルティエ現代美術財団で開催しており、今年、現代美術界において世界的に最も権威あるアート・プライズ「Goslar Kaiserring award for 2010」を受賞している。
FIGURE#1-BLUE BALLS (2009, mixed media on wood panel 68.58 x 78.74cm)
MAN WITH THOUGHT (2009, mixed media on wood panel 78.74 x 68.58cm)
Robert Wedemeyer / © David Lynch
DAVID LYNCH "DARKENED ROOM"(2002) 8min
Jordan Ladd ... Girl #1
Etsuko Shikata ... Herself
Cerina Vincent ... Girl #2
June 29, 2010
東恩納 裕一[Yuichi Higashionna - fluorescent] :蛍光灯シャンデリアが奏でる夢の断面図
May 30, 2010
A PROJECT BY FAYE TOOGOOD:コムデギャルソン青山本店で堪能できる
2010.04.29-0530
COMME des GARCONS
港区南青山5-2-1
03-3406-3951
本日まで、コムデギャルソンの青山本店に展示されている。ファイエ・トゥーグッドは、ロンドンをベースに活動するクリエイティブ・ディレクターであり、インテリアスタイリストである。コンセプトからクリエーションまで、二次元・三次元空間まで、演出・表現する。
◇ プロフィール
ブリストル大学 美術・芸術史 学位
雑誌「World of Interiors」8年間編集にかかわる
"Studio Toogood"立ち上げ
April 06, 2010
雑誌「ハイファッション」休刊にみるリッチ・モードの在り方
販売元:文化出版局
発売日:2010-02-26
雑誌「ハイファッション」(文化出版局)が1960年の創刊から半世紀の歴史を経て2010年2月27日発売の4月号をもって休刊した。 最終号は『コム デ ギャルソン 自由編集』と題した60ページに渡る大特集である。
哲学者・鷲田清一氏の寄稿文が素敵だったので、イントロのみ引用。
「もしわれわれが言葉というものをもたなかったら、いま自分がどんな感情に襲われているのか、たとえば心地いいのか哀しいのか、よく分からないかもしれない。そう自問した哲学者がいる。同じように、われわれは特定の服を着、それと戯れたり格闘したりするなかでしか、自分が浸っている感情を捉えられないのかもしれない...」
付録でついていた過去ギャルソンのTシャツコレクション「ISETAN 5th ANNIVERSARY」2008 (C)フジオプロ
January 31, 2010
大阪とピンクとギャルソンと
December 12, 2009
ドールが考えるドールハウス
Laurie Simmons: Walking, Talking, Lying
著者:Laurie Simmons
販売元:Aperture
発売日:2005-10-15
ローリー・シモンズの写真集がようやく届いた。海外からの送付は時間がかかる。それだけに届いたときの嬉しさひとしお。
シモンズの世界は、物語がある。人形にも命があり、いろいろ空想に耽ったりする。昔、ゴムのグニャグニャ人形で自前のドールハウスを作って遊んだっけ!そんな見ている者も楽しませる写真集である。
December 02, 2009
"TRADING MUSEUM" OPEN by COMME des GARCONS
TRADING MUSEUM COMME des GARCONS
Open :11/20/2009
2009年11月20日、原宿GYRE 2階にCOMME des GARCONSの新しいお店「TRADING MUSEUM」がオープンしたので行ってきた。
コンセプトは、博物館+トレーディング(モノ集め)ということで、モノを収集し、展示し、販売する。そして、それはただ販売するだけでなく、鑑賞できる空間ということで川久保玲さんが考え抜いてショップデザインをしたらしい。
Victolia and Albert museumの中から選ばれた8つのキャビネットも什器として使用されている。その一つ一つが違うテーマを持っている。
・ザ・ビートルズ/世界初展開のギャルソンによるコラボ(バック、Tシャツ、シャツ)の展開
・Pieke Bergmansによる丸太の上に吹きつけられた一点もののガラス工芸の展示
・EGG London初の海外店誕生
・Stephen Jonesによるヴィンテージハット
・Christian Astuguevieilleのジュエリーアーカイブ
・Fleet Ilyaによるアクセサリーは2009年のクラシックコレクションのほか、リストレイントラインの展示
・Christopher Nemethによる服の展開
・木村大太による靴の展開
・COMME des GARCONSのコレクションアイテム(40年分のアイテムからセレクト)
・COMME des GARCONS SHIRTのオーダーメイド
・COMME des GARCONS Six 歴代の蔵書を展示
Michael Homellsによる巨大なサボテンがエントランスで迎える
November 07, 2009
人形とメリルとミュージカル
2009.10.14-11.9
"Water Ballet"
COMME des GARCONS 福岡
2009.10.16-11.9
"Big Figures"
COMME des GARCONS 静岡
2009年6月に清澄の小山登美夫ギャラリーで個展を開催したローリー・シモンズ(Laurie Simmons)の作品イメージが、コム・デ・ギャルソンの静岡伊勢丹店と福岡店のウィンドウディスプレイとして展示されている。残念ながら見に行けなかったので、紹介のみ。
ローリー・シモンズはおもちゃや腹話術の人形、オブジェで構築した世界を写真作品として発表している。出来るだけライティングは人工っぽいテイストでヒッチコック映画を理想としているらしい。マネキンや切り抜き素材をミニチュアに使用している。以前紹介したベルナール・フォコンよりも、造形色が濃い。
◇プロフィール
1949年 米国ニューヨーク州ロングアイランド生まれ
1971年 タイラー・スクール・オブ・アート(フィラデルフィア)芸術課程修了
1979年「Early Color Interiors」 インテリアの中に、もの思いにふける主婦のようなヴィンテージの人形を配した
1984年「Tourism」人形たちがエッフェル塔やラスベガスのカジノなどで奇妙な観光を繰り広げる
2005年「The Boxes (Ardis Vinklers)」舞台装置のように組み立てられた箱の中で人形たちのリアリズム演劇が行われている
2008年「Sitting Rose」巨大なバラの花のオブジェの下から人間のしなやかな足がのぞいている
2006年にはメリル・ストリープを唯一の人間の登場人物として起用した下記の映像作品を監督している。
「悔恨のミュージック」(原題:The Music of Regret)
2006年/アメリカ/35mm/映画
監督:ローリー・シモンズ
音楽:マイケル・ロハティン
作詞:ローリー・シモンズ
主演:メリル・ストリープ、アダム・ゲッテル、エイリーII
本作品はニューヨークのメトロポリタン美術館、 MOMA(ニューヨーク)、MOCA(ロサンゼルス)、フィラデルフィア美術館を始め、数々の名だたる美術館にコレクションされている。その他作品もウォーカー・アート・センター、ヒューストン美術館、モントリオール現代美術館などに収蔵