March 20, 2011
映画「アパルーサの決闘」にみるエレンガントな死生観
アパルーサの決闘 特別版 [DVD]
監督:エド・ハリス
出演:レネー・ゼルウィガー
ワーナー・ホーム・ビデオ(2010-04-21)
本作[Appaloosa] (2008年)は、劇場未公開である。 監督は、俳優のエドハリスがつとめる。それにしても、エド・ハリス、ヴィゴ・モーテンセン、レニー・ゼルヴィガー、ジェレミー・アイアンズという凄い役者がでていても劇場で公開されない時代なのだ。今後はDVDも発売されなくて、ストレート・トゥ・有料衛星放送というのが不通になるかもしれない。
さて、本作の原作は人気ハードボイルド作家ロバート・B・パーカーのウェスタン小説をベースにしている。無法の町アパルーサを舞台に、新保安官として雇われた2人の男が町を牛耳る悪と対決するさまを熱き男の友情を軸に描き出す。
プロットは典型的な西部劇なのだが、単なる撃ち合いではなく、人をいかに殺さないかという神経戦が巧みに描かれていて面白かった。単に大勢でいって武力でやりあうのではなく、場面によっては、ちよっとした駆け引きが緊張を生み、その場は引き分けになったりする。かと思えば、プライドが崩されすぐさま決闘になったりする。それを見極めるうちに、いつしか自分も町の住人と化してしまったような気がした。