しりあがり寿

May 03, 2012

コミック【あの日からのマンガ】(著者 しりあがり寿):どうしようもない無力感の上にたった“力”(エナジー)

IMG_0002あの日からのマンガ (ビームコミックス)
著者:しりあがり寿
エンターブレイン(2011-07-25)











本作は、前述の冬川智子さんと同じく大15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作である。

“あの日”とは東日本大震災のことである。

時に、原発やプルトニウムを擬人化し、東京に住む人たちの滑稽とも誠実ともいえる東北に対する“配慮”をしりあがりさん風に描いている。

それは単に皮肉っぽいということでも、お笑いっていうのでもなく、どうしようもない無力感の上にたった“力”(エナジー)を感じるタッチなのである。

瓦礫から、無数の雑草が咲き、その上に綺麗な花が咲き、無垢な点派のような少女たちが現れ、空に跳んでいく...!

この美しさは、単に希望ではなく、力で出来るっていう...やはり人間が本来持っているエナジーとしかいいようがない。

必読!

tabloid_007 at 20:56|PermalinkComments(0)

October 08, 2011

【アートフェア東京2011】のまとめ

IMG_0008アートフェア東京2011

東京国際フォーラム
2011年7月29日(金)〜31日(日)
千代田区丸の内3丁目5番1号
03-5221-9000








日本最大のアートの見本市。2010年はブース出展したが、今回はゲストして内覧会に行ってきた。といっても、7月28日のことなので随分とレポートが遅れた。その理由は、どうにも印象の薄いアートイベントだったからだ。

もともと4月に行われる予定が震災の影響で会場が避難者のために開放されていたという事情もあるが、その後の放射能問題で海外からのコレクターがほぼ皆無だったので、随分と寂しい出足だった。また、内容面でも、主要現代アートギャラリーの半分(5-6ギャラリー)が不参加だったこともある。やはり現代アートギャラリーは、[G-TOKYO]に主軸を移した感がある。


古美術・工芸から、日本画・洋画、現代美術まで、様々な作品が一堂に会するアートフェアというコンセプト自体が独自性を出せずにいる。

ただし、中でも新興画廊「PROJECTS」コーナーは見所満載だった。Ohshima Fine Artの笹田晋平の作品は迫力があった。

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私は、小さな作品のみ購入。
左:野田コンテンポラリーから しりあがり寿さんの作品「ミツシゲ」
右:ギャラリーショーのMASAKOのチャリティうちわ

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May 01, 2010

西原理恵子の人生画力対決 : 酔いどれ藤子不二雄(A)先生のご機嫌

ijuhgy西原理恵子の人生画力対決 1 (コミックス単行本)
著者:西原 理恵子
販売元:小学館
発売日:2010-03-17










確か、昨年の夏ごろ藤子不二雄(A)先生と食事た時に、西原理恵子と対決してきた、とおっしゃっていた。何のことかその時はよく分からなかったが、今回単行本になったのでようやく事の次第が判明した。

西原理恵子さんが、2006年9月のしりあがり寿さんと他のマンガ・キャラの描き合いをするイベントからはじまって、断続的にみうらじゅん、国友やすゆき、ちばてつや、やなせたかし、江口寿史、福本伸行(敬称略)と画力対決してきた。

この本は、その画力勝負の結果をまとめたものだが、主に新宿ロフトプラスワンというサブカルの聖地で行われたイベントに行くのが一番楽しそうである。次回は行ってみたい!

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February 07, 2010

エンターテイメント充実の日

media平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭










2010年2月2日、文化庁メディア芸術祭の内覧会/贈呈式/祝賀会に招待されたので行ってきた。というのも、先述の通りソニー・デジタルの出版ビジネス第一号である寺田めぐみの「煩悩美人図鑑」がマンガ部門で審査員推薦作に選出されたのである!やった!

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いろいろ面白い受賞作品の展示があった。右上=マンガ部門大賞の「ヴィンランド・サガ 」の著者である幸村 誠氏が展示ブースに直筆イラストを描き終わったところ。左下=アート部門 審査員推薦作「Box2」(Nika OBLAK/ Primoz NOVAK)というテレビの中の人が外に向かってボコボコに殴ってくる(笑) 中央下=アート部門優秀賞作 「Nemo Observatorium」(Lawrence MALSTAF) 白い微粒子が巨大透明シリンダーの中を待っているが、中心に座る人物には一切 風も粉もからない...不思議だ。

そして祝賀会では、チェコのアニメーターJiri BARTA(イジー・バルタ)氏やタイの漫画家ウィスット・ポンニミット氏と話すことが出来た。審査員の一人である しりあがり寿先生とも話すことが出来た。寺田作品を手渡したら、それを持ったまま壇上でご挨拶となってしまった。スミマセン!(笑)

その後、ワタシのスタッフと一緒に寺田さんを囲んで祝賀会を開いた。ちなみに、寺田さんのブログはココ

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December 27, 2009

♪ りぴんぐでっど・いん・えど〜 ♪

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大江戸りびんぐでっど

2009年12月2日から26日
作・演出:宮藤官九郎
松竹 歌舞伎座
中央区銀座4丁目12−15
03-3541-3131

 

 

震災や経営難により、現在の歌舞伎座が建てられたのは1925年。80年以上経ち、老朽化も進んだため、2010年5月から立て替え工事がはじまる。松竹は、三菱地所と共同で、劇場と一体にした高層のオフィスビル(地下4階地上29階建て・高さ135メートル) をつくる予定。劇場背後にオフィス用途の高層ビル(約150m/38階)を建てる。現在の岡田信一郎設計の劇場建物は登録文化財であり、日本のランドマークとなっていることから保存の要望も出ているが、新設計では超高層棟の低層部分に、現在の劇場玄関部の意匠(和風桃山様式)を再現することになっている。

さて、改築前の目玉作品としてヒットメーカー宮藤官九郎が初の歌舞伎を作・演出した新作『大江戸りびんぐでっど』が上演され観に行ってきた。出演は市川染五郎、中村七之助、中村扇雀、中村勘三郎など豪華メンバー。くさやの汁に浸かった死人がゾンビになって江戸に現れる。ゾンビをハケンと命名し、下働きさせ江戸町人の仕事を奪うあたり、なかなか世相をうまく取り入れている。

そして、何といっても本作はミュージカル仕立てになっており、表題の「りびんぐでっど、いん、えど〜」というフレーズが頭から離れない。

音楽は、向井秀徳という人が担当しており、同じ大阪の高槻出身。椎名林檎、グループ魂、岸田繁(くるり)らと親交が深く、映画「少年メリケンサック」サウンドトラック手掛けている。この歌の着うたが欲しい(笑)

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↓ 背景は、しりあがり寿さんが描いている

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December 06, 2009

「カワイイ」からこの世界を守らねば!

shiriでも、まぁいいか。 (BEAM COMIX)
著者:しりあがり 寿
販売元:エンターブレイン
発売日:2009-08-26

IMG_0007-Sそこはいきどまりだよ。 (BEAM COMIX)
著者:しりあがり 寿
販売元:エンターブレイン
発売日:2009-08-26

 

 

 

 

しりあがり寿さんの諧謔全開の2冊がエンターブレインから発売された。いずれの作品も「月刊コミックビーム」に連載されたものの単行本化。

卒業式で両親に対する感謝の気持ちを伝える小学生。「楽しかった遠足」「力を合わせた運動会」「でもそんな日々も今日で終わり」

.........「そして、ここから先は いきどまり です。」......(送る会より)



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February 21, 2009

墓をみながら過去にトリップもいいもんだ

HAKA 著名人のお墓を歩く―谷中、染井、雑司ヶ谷編
著者:あきやま みみこ
販売元:風塵社
発売日:2008-10

 

 

 

 

本当に何がウケるか読めない時代である。いや、ウケているのかわからない本だが...最近、傾向として無機質なものにモエるという風潮はある。工場、公団...そして墓?しかし、墓は、無機質といっても、その下には亡くなった方のお骨があるわけで...

本書は、文学散歩気分 (失礼!) といっては何だが谷中、雑司ヶ谷などを中心に長谷川一夫から芥川龍之介まで著名人の墓をみてまわるガイドになっている。考えようによっては歴史をしる良いきっかになればよい。

それにしても、しりあがり寿さんの帯の文句「ボクらの未来がここにある!」はびっくり!



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October 13, 2007

なんだか、どんどんどん暗くなっている!

MOMO1

月刊『桃吐マキル』

 

 

 

 

 

 

先日、久しぶりに渋谷の宇宙百貨に寄ったら、桃吐マキルさんのコンピマンガとコンピCDがセットで売っていた。夢のような企画だ。

MOMO2一人の作者のことをしりあがり寿から河合克夫・和田ラヂオ・古屋兎丸まで12人の個性的な漫画家が書いているわけだから、これはもう漫画界のルイ・アームストロングだね。

さらに、漫画家のトリビュートテクノCDがあるんだから半端ないすね。http://www.mobako.jp/2007/05/post_3311.html



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July 22, 2007

物語の語り手は、常に過去にいる

いきものがたり
企画者の山本良一氏によれば、この地球に人類は65億人いて2050年までに90億人になるという。一方で約1,100種類の生物を調べたら30年間で4割の種類が減ったという。ということから地球は人間だけのものじゃない、という発想に繋がりこの本の発刊になったわけだ。

地球6億年の歴史の中で5回の絶滅の危機があった。有名な隕石衝突による恐竜の絶滅はむしろ軽い方で、2.5億年前の3回目の危機が凄かった。巨大マグマが吹き出し9割以上の生物が死滅したという。

いまこうして人類の歴史を振り返れることは、奇跡のような物凄い確立の偶然なのではないだろうか。



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