Comic

November 24, 2012

コミック【食の軍師】(著者 泉 昌之):おでんの兵法「注文の順番に、おでん者の知力・能力・経験が現れると言われる...」

GTFYDT (2)食の軍師 2巻 (ニチブンコミックス)
著者:泉 昌之
日本文芸社(2012-10-31)











待ちきれなかった2巻目!“ぷっ”の連発!!

「花のズボラ飯の」の久住昌之さん原作のグルメ三国志「食を制するものは世界を制す。いざ出陣」

トレンチコートの本郷が、食べログに載ってないようなローカルの地味な店を看板やメニュー、地元タクシー運転手から聞き出して出向く。
行先は、必ずしも有名どこではなく、地味な関東近郊が多い。

そして、やたらと失敗が多かったりする。爆

ツウぶって食べてみるが注文の仕方が違うと地元の人から厳しく指導されるたりするがメゲない。

これ読むと、潰れかかった駅裏の定食屋とかチャレンジしてみたくなるよ!

tabloid_007 at 15:09|PermalinkComments(0)

コミック【きょうの猫村さん】(著者 ほし よりこ):「しつこさと せわしなさと グツグツじゃねぇの...」

guygug (2)きょうの猫村さん 6
著者:ほし よりこ
マガジンハウス(2012-09-13)











お節介なおばさんの“面白味”満載のコミック。

これまた毎巻楽しみにしてる。

家事で派遣されているお宅の不良娘のお友達にもらった大切なものを買えそうとする猫村さんの心の声が爆笑!

『あの年頃のお子さんって!言ったことと 反対の事をしたがるのよね!「待って」って言ったら行っちゃうのよっ。だからって、「行って」って言っても待ってくれないのよねっ。』

tabloid_007 at 12:01|PermalinkComments(0)

コミック【臨死!!江古田ちゃん】(著者 瀧波 ユカリ):「可愛い」と「好き」が一緒の生き物(男子)対策本!

guygug (1)臨死!!江古田ちゃん(6) (アフタヌーンKC)
著者:瀧波 ユカリ
講談社(2012-06-22)











欠かさず楽しみに読んでる作品の新刊!!

アラサー女子のリアル心境なんだろうなぁとか思いながら読んでる。

面白ければ愛されると思い込んでいる江古田ちゃんだが、男子は面白いより可愛いをとる。それを熟知した女子を“猛禽”とよんでいる。爆

まだ読んでない人いないと思うけど(それとも江古田出身の人たちだけの必読書?)、どの巻からでもOKなので是非ご一読を!

tabloid_007 at 11:50|PermalinkComments(0)

November 11, 2012

コミック【惡の華】(著者 押見 修造):大人が経験ありすぎて無垢になり、子どもが経験なさ過ぎて邪悪になる

pouiIMG_0004惡の華(2) (少年マガジンコミックス)

惡の華(3) (少年マガジンコミックス)
著者:押見 修造
講談社








この漫画、久々に続きが気になる作品である。

ティーンという一見無垢だが、好奇心の方向性によっては残酷にもなりうる年代。そのセンサーシップがバランスを崩しそうになるギリギリを描く。

このギリギリ感を中年で体感できる良くできた漫画だよ。

人間歳とると経験が増えるから、たいていのことでドキドキしない。でも、ティーンだと何気ないことでも人生の一大事に思える。
前頭葉が未発達のティーンの場合、危ない方向へ向かおうとする。お化け屋敷が好きなのも、未経験ゆえのことなのだ。

だから、大人になって何でも経験だよ!とかいってるけど、経験がないから大人じゃないといえるし、むしろティーンの時のドキドキが多くないと大人の経験にならないんじゃないか?

つまり、経験してない大人がエラソーなこと言い過ぎなんじゃないかって、この漫画読んで思った。

だから、無垢なまま大人になった人の方が楽しめる漫画です。

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September 17, 2012

コミック【世界最後の日々】(著者 山本 直樹):清純な想像力を極限まで突き詰めるとエロくなる!

YGUY (2)世界最後の日々
著者:山本 直樹
イースト・プレス(2010-07-08)












初恋...という訳ではないが、中学一年生のときに通学の電車の中でいつも乗り合わせる可愛い高校生がいた。ドキッとする年上の女性だった。

彼女がなんていう人で、どこに住んでいて、何をしているのか想像した。といっても、いま考えれば近所に住んでいた普通の女子高生だったと思う。

その普通さの基準がわからないので、いろいろ想像する訳だ。

山本直樹さんの描く女性の日常的なエロさというのは、もしかしたら清純な想像力を極限まで突き詰めるとこうなるのかな?と思う。

女性に神秘さを求めるあまり超リアルに想像力が突き進んでしまうのだ。そう考えると、これらの短編はぜんぶファンタジーなのだと思えなくもない。

ご一読を!

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August 18, 2012

コミック【海帰線】 (著者 今 敏):海が人の帰るよすがであるということ

IMG新装版 海帰線 (KCデラックス)
著者:今 敏
講談社(2011-01-21)











おととし2010年8月24日に夭折した映画監督 今敏さんの幻の長編漫画。
1990年にヤングマガジンに連載された作品である。1997年に「PERFECT BLUE」で監督デビューを果たしたので、このマンガはその7年も前にかかれたものである。

アニメ作品から連想されるロマンチックなテイスト。ロマンにリアリティを満たせる描写力。マンガというよりやはりアニメの図版という読み方をしてしまう。

バブルの後遺症の時代に描かれた神話のような話である。だいだい受け継がれた海の守り神の一家にリゾート開発の話がくるのだが...。

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June 03, 2012

I 【アイ】(IKKI COMIX) 著者いがらし みきお:獣のようなイサオが神様になる日

YGUY (1)I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)
著者:いがらし みきお
小学館(2011-07-29)











いがらし みきお氏といえば、わたしの高校時代に「ネ暗トピア」(竹書房 -1979年 - 1985年)が流行った。その後は「ぼのぼの」で一世を風靡していたが、先日 「がきデカ」の山上たつひこ原作の「羊の木」(講談社イブニング 2011年 - 連載中)の作画をみて、新しい一面を発見した。

コメディアン同様にギャグ漫画家というのは、多様な才能があるものなのでしょう。

本作は、貧乏な家に生まれたイサオは、生まれた時から記憶が鮮明だった。
両親は死に別れ、孤独なイサオは東北の寒村で自給自足の生活を送る。まともに家で寝泊まりすることを嫌い動物同様軒下で寝食をする。

イサオには、特殊な能力があり、寝たきりの老人と接するうちに起き上れるようになったり、死への優しい案内人になったりする。世間はイサオを不気味がり遠ざけるが、近所の同級生で医者の息子 鹿野雅彦だけが徐々にイサオの魅力に取りつかれていく、という話。現在も連載中なので、話がどうなっていくのか注目だが、この漫画が、人間の生き方の哲学を考える類の重要な作品であることは間違いないと思う。

早く次巻がでるのを楽しみにしている。

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May 03, 2012

コミック【花のズボラ飯(2)】(著者:久住昌之 漫画:水沢悦子) 一人ズボラ飯だが最後の瞬間に鰹節をかけたりする!んまっ!

IMG_0003花のズボラ飯(2)
著者:久住昌之
漫画:水沢悦子
秋田書店(2012-03-08)










仕事柄、たくさんコミックを読まなければならないので、多少面白くても2巻目以降は読まないことが多い。

でも、これは超面白いんだなぁ。

原作の久住昌之さんの作品は結構読んでいる。「食の軍師」なんて好きな作品である。

共通するのはA級グルメじゃなく、日常飯をちょっとした工夫で美味しく仕立てるキャラクター設定にある。そして、両作品とも主人公の一人語り!

心の声が時にズボラだったりするのだが、そこは遊び心が顔をだし、最後の瞬間に鰹節をかけたりする!んまっ!

この心憎い最後の瞬間が美味しさと楽しさとクリエイティビティの融合やぁ。

絶対必読の書!

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コミック【あの日からのマンガ】(著者 しりあがり寿):どうしようもない無力感の上にたった“力”(エナジー)

IMG_0002あの日からのマンガ (ビームコミックス)
著者:しりあがり寿
エンターブレイン(2011-07-25)











本作は、前述の冬川智子さんと同じく大15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作である。

“あの日”とは東日本大震災のことである。

時に、原発やプルトニウムを擬人化し、東京に住む人たちの滑稽とも誠実ともいえる東北に対する“配慮”をしりあがりさん風に描いている。

それは単に皮肉っぽいということでも、お笑いっていうのでもなく、どうしようもない無力感の上にたった“力”(エナジー)を感じるタッチなのである。

瓦礫から、無数の雑草が咲き、その上に綺麗な花が咲き、無垢な点派のような少女たちが現れ、空に跳んでいく...!

この美しさは、単に希望ではなく、力で出来るっていう...やはり人間が本来持っているエナジーとしかいいようがない。

必読!

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携帯コミック【マスタード・チョコレート】(著者 冬川智子):第15回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門新人賞受賞作品!

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著者:冬川智子
イースト・プレス(2012-04-14)











3年近く前の2010年8月にソニー・デジタルエンタテインメントが運営する携帯サイト「ヒトコト」(P&G提供)で本作の連載がはじまった。

連載前に編集担当から、いくつかのプロットを見せられた。いつもの冬川智子さんのライト・コメディもあった。だが、担当は一番シリアスなこのプロットでいきたいという。

いままでの冬川智子さんのテイストと違ったものに挑戦したいというのは、いま考えれば漫画家としての転機だったのかもしれない。

そしたら、今年2012年2月に第15回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門新人賞を受賞するほどの人気作に成長していた。

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* 同じくマンガ部門で優秀賞を受賞された、しりあがり寿氏と登壇。著者は一番右


良いことは続くもので、イーストプレスから書籍化。考えてみたら、もともと実力があったとはいえ、嬉しい飛躍である。

主人公は美大にあこがれる内気な女子。いろいろ悩みながら成長する話といってしまえば それまでだけど、たぶん意識的か無意識かわからないが、作者の成長と符合するような気がする。

だから、本作のことを考えたときに、どうしても物語のことだけではなく、その外側にあったことを含めて思い出してしまう。

非常に思い出に残る作品になった。

ぜひ、ご一読お願いします。

tabloid_007 at 19:38|PermalinkComments(0)

April 14, 2012

コミック【るみちゃんの事象】 (著者 原 克玄):「漢字の語源は[感じ]からきてるから“元気”は“キテる”でいいの」

IMG_0001るみちゃんの事象 1 (ビッグ コミックス)
著者:原 克玄
小学館(2011-12-27)











原 克玄さんのシュールなギャグ漫画。

転校生のるみちゃんそのものも可笑しいが、彼女の特異体質的なガジェット(携帯のボタンを押すたびに液がでてきたり、寝癖がタコのように粘着質だったり)がウケる。

近所のファミレスのバイトでは、来たお客様に「どうですか?お腹の減りは?」と尋ねたりする!

すっとぼけっぷりが豪快で、単にギャグの世界っていうんじゃなく、クラスに一人はいた子のエッセンスを凝縮させている気がする。
美人なんだけど、ギャグが大胆な子がいたっけ...

これは、解説にしようがない面白いマンガ。必読!

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April 01, 2012

コミック【足利アナーキー】(著者 吉沢 潤一):暴力って新規雇用を生み出さない労働だなぁ。

IMG_0005足利アナーキー 1 (ヤングチャンピオンコミックス)
著者:吉沢 潤一
秋田書店(2009-10-20)











不良モノっていうのは、昔から根強い人気がある。ワルに対する憧れが根底にあるのだろうが、たぶんやってみたら意外と殴ったり殴られたり痛くて辛そうだ。(やろうと思ってもその腕っぷしは皆無だが...、それにしても怪我に保険は利くのかな)

本作のタイトルにもある「足利」という場所がどういう場所か知らないがイメージできる。地方都市で、将来に対する展望がみられないというような描かれ方だ。だが、実際の同年代が抱える虚無感は、東京に住む同世代も似たり寄ったりじゃないか。ただ、違いは近くて遠い東京の近郊にいることで、精神的な“遅れ感”を味わってしまうところかもしれない。

自分の人生で、ほとんど不良に出会ったことがないので、もはや空想の世界だが、どうやって収入を得ているのか不思議である。まあカツアゲ(ってどういう語源か、後輩などを脅かして得る不労所得。つーか、殴ったり脅したりという働きはあるのだろうが)などで食い扶持を保っているのだろう。

それにしても、地方経済が疲弊し、親が仕送りできず子を東京に出せない現状で、地方都市が荒廃するのではなく活性化することに頭を使えないだろうか。カツアゲって少ない所得を強引に再配分するので結局は新しい雇用に役立たない。どんどん経済が下ブレしていくことが予想される。

そんな物語の世界観から離れたことを考えながら、この青年たちが暴力のナンバーワンを目指さないことを祈らざるを得ない。というか、だったら読むなと登場人物から殴られそうだ。

tabloid_007 at 14:52|PermalinkComments(0)

コミック【外天楼】(著者 石黒 正数):実に論理的な刑事の推論がぜんぶ当たらない心地よさ!w

IMG_0004外天楼 (KCデラックス)
著者:石黒 正数
講談社(2011-10-21)











石黒正数作品ははじめて読んだ。面白い!

外天楼と呼ばれる建物にまつわる人々話。

「エロ本を探す少年がいて、宇宙刑事がいて、ロボットがいて、殺人事件が起こって……? 謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜庭冴子は自分勝手な捜査を開始する」

最初のエピソードは、エロ本を買いに行く少年3人が買えずゴミ捨て場でエロ本を漁るのを姉に目撃され、捨てられたエロ本の経緯を推理する話。そのエロ本がいかに捨てられたのかという推理が延々続く。実にロジカルで奇妙な話の説得力。

しかし、この話はそれで終わらず、全巻を通じた伏線になっている。読者が物語のスピードについていける心地よさ。壮大で複雑な結末まで一気によませる。

ネタバレになるので、物語は書かないが この緻密な話をつくるのに3年かかったというから、その力の入れようがわかるというもの。

おススメ!!

tabloid_007 at 14:16|PermalinkComments(0)

コミック【SCATTER あなたがここにいてほしい】(著者 新井 英樹):宇宙から進化の助けがやってきた!?

rtyguhSCATTER あなたがここにいてほしい 1巻 (BEAM COMIX)
著者:新井 英樹
エンターブレイン(2010-02-25)











新井 英樹さんの作品は、正直「愛しのアイリーン」くらいしか読んでない。
本作は、2009年9月号より『コミックビーム』(エンターブレイン)に連載中作品である。

たぶん壮大な物語の一巻目を読んでいるんだろうが、面白そうだけど(面白いんだろうけど)、最近は漫画の映画的な表現(それぞれのシークエンスがバラバラに描かれて、きっと最終的にひとつになる)についていけない。

人知れず宇宙からな謎の物体が飛来し、人々の生活を狂気じみたものにしていく。完結したら、再度挑戦したい作品。

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March 25, 2012

コミック【預言者ピッピ】(著者 地下沢 中也):地震の予測はありがたくて、人類の予測は迷惑なワケ。

IMG_0002預言者ピッピ (1)
著者:地下沢 中也
イースト・プレス(2007-05-05)











仕事柄、だいたい1巻目までしか読まないので、先が気になる作品は自分でその先を考えなければならない。バケーション時期に残りをまとめて読むときに、なるほどと思うまでは頭の中ではミ未完なのである。

さて、この作品も先が気になる壮大な作品である。

地震予測のために開発されたロボット・ピッピが次第に地震以外の予測をして人類に希望と絶望を与えるという話。

ピッピの予測は、あくまで過去のデータに則った法則を敷衍して当てるという類のものだったのだが、人の生き死にを予測するに至って、人は絶望を感じるようになる。

大勢の他人の死の予測に、いつしか自分がはいっていることに気づかされる。人はいつか死ぬとわかっていても平気で生きていくことができる。だが、いつまで死ぬといわれれば、平気じゃない。そこにドラマが生じるわけだ。

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