Comic
January 02, 2009
忘れられた神さまが呼んでいる
栞と紙魚子の百物語 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)
著者:諸星 大二郎
販売元:朝日新聞出版
発売日:2008-06-07
いろいろな作家に百物語がある。諸星大二郎版の百物語は独創的という訳ではないが、落ち着いたトーンの中にしっかりと物語を語っていこうとする姿勢がある。登場人物たちは必要以上に驚かない。これにより作者は読者を驚かせようとして描いているのではないとわかる。だから、物語に引き込まれる。
December 31, 2008
裏でも表のパワー1000ページ
赤塚不二夫 裏 1000ページ
著者:赤塚 不二夫
販売元:INFASパブリケーションズ
発売日:2008-12-18
赤塚不二夫先生の1959-1993年の34年間の間に描かれた未発表作品を含む50作品を赤塚りえ子さんが監修して上下巻で発売した。1979年の「リイドコミック」(リイド社)に掲載された『ギャグランド』の「バター犬 対 氷犬」(第9話)は谷岡漫画のパロディで冴えている。
吉祥寺の奇妙な男たち
吉祥寺モホ面 ~土田世紀単行本未収録作品集
著者:土田 世紀
販売元:グリーンアロー出版社
発売日:2008-08-16
土田世紀さんのマンガを読んだのは初めてだ。『同じ月を見ている』は、平成11年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。2005年には窪塚洋介主演で映画化もされたが未読。
本書は2000年に創刊され僅か5回で廃刊になった雑誌「コミックバウンド」(スクエニ発行)に連載された作品である。何とも粘着質な作風である。
さあイザナキ! 陸でも作るか
五月女ケイ子のレッツ!!古事記
著者:五月女 ケイ子
販売元:講談社
発売日:2008-08-01
五月女ケイ子さんが3年がかりで、古事記を読解し工夫してコミックにしてくれた!これを小学生の時に読んでいたら、古文はきっと好きになっていた。無理な文法で読ませるような形式主義ではなく、中身の理解(そういえば、先生っていつもこういうこと言ってた割りに中身は軽視していたな...) が大事だよ。それにしても、経験にないのに、イザナキノミコトとイザナミノミコトき頑張ったよ。
放課後のない小学校生活
ハンニャハラミタ駕籠真太郎SF短編集 (ヤングジャンプコミックス)
著者:駕籠 真太郎
販売元:集英社
発売日:2005-07-19
駕籠真太郎(かご しんたろう、1969年 - )さんのことは、フリペの雑誌Viceで知った。主に成人向け漫画を中心に執筆する漫画家である。1988年にCOMIC BOXにてデビュー。
本作は1994年あたりに「ヤングジャンプ」に書かれた短編を中心に収められている。いつまでも小学校を卒業できない「仰ゲバ尊し」などは1970年代ハヤカワSFにありそうな話である。いつまでたっても卒業できないから社会にでる必要もなく、小学生のまま100年生になる人もいる。そのうち外界では中学に進学する人がいなくなるので、次第に社会は小学校を中心に小さなセルで運営されるようになる。
ちょっとでも早く!という時代の終わり
月刊 アフタヌーン 2009年 02月号 [雑誌]
販売元:講談社
発売日:2008-12-25
コミック雑誌が売れない時代である。一方で、単行本全巻売りの「全巻コミック.com」サイトが盛況だったりする。月間アフィリエイト売り上げ(サイトの仲介による手数料収入)が3千万円近くにもなるという。この消費傾向は、気長に読むというより、エピソードごとでは満足できないので一気読みする、というところにあるらしい。つまり映画館で人より早く見るよりも家で自分の時間にあわせてDVDを観るようなことと同様の考え方と思う。マンガ喫茶の贅沢版ともいえると思う。
そんな時代にも、「臨死!! 江古田ちゃん」(著:瀧波ユカリ)の新作が読める「月刊アフタヌーン」は"買い"である。
December 29, 2008
薦められたいセレクション2008
松本大洋、片岡義男、都筑道夫、山上たつひこ、吉田戦車などの単行本を出している出版社フリースタイルが、毎年発表している「このマンガを読め 2009」は、37人の評論家・漫画家・書店員・編集者などから選ばれる通っぽいセレクションのランキングである。『「ダ・ヴィンチ」BOOK OF THE YEAR 2007』のベスト10とほとんど被らないことから、こちらの方がプロっぽい選択になっていると思う。宝島の「このマンガがすごい! 2009」もあるが、普段マンガを読まない人も今回のフリースタイルは、ベスト10作品の1エピソードが一冊になって読めるので難しい大人にも嬉しい限りである。どうしても、人気ベスト10だと大人が読むには辛い作品が選択されるが、本セレクションはなんとも大人の読み応えに耐えうる作品ばかりである。
1位 ママはテンパリスト 著者:東村 アキコ 集英社
2位 聖☆おにいさん 著者:中村 光 講談社
3位 深夜食堂 著者:安倍 夜郎 小学館
4位 駅から5分 著者:くらもち ふさこ 集英社
5位 かむろば村へ 著者:いがらし みきお 小学館
6位 ビアティチュードBEATITUDE 著者:やまだ ないと 講談社
7位 ギャラクシー銀座 著者:長尾 謙一郎 小学館
8位 おのぼり物語 著者:カラスヤサトシ 竹書房
9位 よつばと! 著者:あずま きよひこ メディアワークス
10位 僕の小規模な失敗 著者:福満 しげゆき 青林工芸舎
December 23, 2008
寝る前にちょっと寄り道...
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営業時間は深夜0時から朝の7時頃まで。人は「深夜食堂」って言ってるよ。
客が来るかって?それが結構来るんだよ。
メニューはこれだけ。豚汁定食、ビール、酒、焼酎。
あとは勝手に注文してくれりゃあ、できるもんなら作るよ、ってえのがオレの営業方針さ。
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この粋な文句から始まる本書の作者については、本に一切の紹介がない。ネットでも調べたがほとんどプロフィールらしいものはない。ただ、一点。高知県四万十市にある「高知県立中村中学校」出身ということだけがわかった。そこからいろいろ調べてみると郷里の雑誌にコラムを寄せており、やっとそこにはプロフィールがあった。
◇ 安部夜郎=1963年生まれ。高知県立中村中学 漫画研究会創立メンバー。早稲田大学第二文学部卒業。早大でも漫研所属。卒業後CMディレクターとして活躍するも、2003年「山本耳かき店」で小学館新人コミック大賞受賞し、デビュー。文化庁メディア芸術祭の漫画部門も受賞。40歳の時だった。
その後に始まったのが、「深夜食堂」である。
赤いウィンナー、きのうのカレー、猫まんまなどいかにもちょっとした時に食べたいものばかり登場する。ワタシのような深夜族には共鳴できる小さなコミュニティ。こんな深夜の社交場が欲しいものである。
地球から人類がいなくなる夢
本書は、2006年にモーニングに掲載されたSF読みきり作品である。著者のBoichi (ぼういち 1973年 - )は、1993年に韓国で少女漫画でデビュー。漫画に活かすため大学では物理学を専攻、演出技術を学ぶため映画専攻の大学院へ進学。以降は2004年に日本の漫画界でデビューした。
ワタシの世代には懐かしいテイストのSF作品である。1970年代の香りとでも言おうか。ハヤカワ書房のSFマガジンを読み漁っていた頃、社会的には公害問題など地球環境を考える上でSF的発想は欠かせないものだったのかもしれない。しかし、少年達にとってみれば、地球が破滅に向かう反面、興味が宇宙に向けられたのはワクワクすることだった。そういう時代の思い出させる作品である。
December 15, 2008
大人にならないとわからないことがあるということを否定していた
ピンクペッパー 1 (1) (Feelコミックス) (Feelコミックス)
南Q太作品は、ずいぶん読んでいる。とくに、「あたしの女に手を出すな」なんか好きだ。日常的な男女の営みの中にふと、凹みを発見するような感覚の作品。
しかし、最新作は42歳のバツイチ彼との生活をギリギリ所帯じみたタッチでなく描いている。40歳過ぎてやっとわかること、をテーマにしているが、ワタシも自分が43歳になってわかることがやたらあるので、共感できる。
例えば、以前ほど自分が急いでいない。だから、エレベーターでは余裕で「開」ボタンを押していることができる。すると、女性が必ず会釈してくれる。オッサンは当たり前みたいな顔してる。最後までボタン押していると、エレベーターでも銀河鉄道999の車掌みたいな大人な気分になれる。あの車掌が大人かどうか不明だが...。
December 07, 2008
アイスピックとトウモロコシ
2008年12月1日(月)発売の「ビックコミックスピリッツ」(2009.1.1号)に、ワタシが先日から盛んに宣伝している天才 大橋裕之さんの4コマ漫画が1本掲載されている。小学館の担当者の方のセンスに敬意を表するものである。是非、残りの三コマは買って読んでください。
小さな缶に37年前があった!
「週刊 少年サンデー」創刊12周年1特別記念大サービス号 1971年3月28日号のキャンディ
現在、セブンイレブンで展開中の「サンデー・マガジン創刊50周年記念タイアップ」のひとつにコミック缶という商品があり、「まことちゃん」が表紙のものを発見。実に小さい缶が可愛い。中には飴が二個はいっている。
天狗、河童、座敷童子が日本のファンタジー
『水木しげるの遠野物語』 (ビックコミック)
「遠野物語」とは柳田國男が1910年(明治43年)に発表した説話集である。現在、それをベースに不定期に「ビッグコミック」(小学館)で 水木しげる作品が掲載されている。1話完結で、独特の世界観が開陳されている。冬休みの「劇場版 ゲゲゲ鬼太郎 日本爆裂」公開も12月20日に控えているが、水木しげる先生の漫画連載がオンタイムで読める幸せをかみしめている。
岩手県遠野町(現・遠野市)出身の佐々木喜善によって語られた地元の民話を、柳田が編纂したものである。その内容は天狗、河童、座敷童子など妖怪に纏わるものから山人、マヨヒガ、神隠し、死者などに関する怪談、さらには祀られる神様、そして行事など多岐に渡る。『遠野物語』本編は119話で、続いて発表された『遠野物語拾遺』には299話が収録されている。
民間伝承に焦点を当て奇をてらうような改変はなく、聞いたままの話を編纂したこと、それでいながら文学的な独特の文体であることが高く評されている。日本の民俗学の発展に大きく貢献した。(以上、ウィキピディアより)
November 30, 2008
またまだ未収録マンガがあったのだ!
「週刊少年マガジン」1973年9月2日37号に掲載されるべき原稿「天才バカボンの3本立てのだ」は、当時の担当であったバカラシ記者が紛失したエピソードである。しかし、赤塚先生は何も怒らず書き直した、という逸話が残っている。その後、奇跡的に原稿は戻ってきたので、今回 オリジナル原稿が初めて単行本に収録される。その他も「月刊少年マガジン」(1978-94年)や「コミックボンボン」(1990-92年) の作品が収録されている。(* 帯の裏面に自著「これでいいのだ14歳。」の広告が掲載されている)
↓ 平成「関西バカボン」で「のだ」が東京弁と罵られて開き直るところがオモロイ
November 23, 2008
最近見かけぬ濃いO,が居ります
著者のhayashi3は、「ペロさんとマモル君」という下ネタ満載の四コマ漫画ブログを書いていた。本人曰く、「漫画描き好き・エロ好き・笑わせるの好き・オモシロ人間好き」が高じて、「過去のスットコどっこい事件簿」と「誇るべき我が友人達の生態」を紹介したつもりが、人気が出て主婦の友社で単行本化されたというわけ。本職は新宿・百人町に勤める三十路道三段(1975年生まれ)のOL(オナニーレディ)らしい。
このアッケラカーンとした毎日を支える登場人物たちのユニークさもそこらのコミックエッセイより面白い。何処と無く、「江古田ちゃん」っぽい猛禽への嗅覚が似ていると思う。
エロ本の発祥にドラマあり
レンタルDVDチェーンの「ツタヤ」の語源となった蔦屋 重三郎(つたや じゅうざぶろう、寛延3年1月7日(1750年2月13日) - 寛政9年5月6日(1797年5月31日))を主人公に創作されたコミック。嘉納悠天という漫画家が「モーニング」に連載している。
(以下、WIKIからの抜粋) 蔦屋は江戸時代の出版人である。朋誠堂喜三二、山東京伝らの黄表紙・洒落本、喜多川歌麿や東洲斎写楽の浮世絵などの出版で知られる。父が江戸の吉原で遊廓の勤め人だったという。重三郎も吉原に生まれ、のちに喜多川氏の養子になった。「蔦屋」は喜多川氏の屋号であり、吉原の茶屋といわれる。安永2年(1773年)、重三郎は吉原大門の前に書店を開き、はじめは吉原細見(店ごとに遊女の名を記した案内書)の販売、出版から出版業に関わっていった。
安永9年(1780年)に売れっ子作家・朋誠堂喜三二の黄表紙を出版したのを手始めに本格的に出版業を拡大。これ以後、洒落本や狂歌本などのヒット作を次々に刊行し、天明3年(1783年)に一流版元の並ぶ日本橋に進出。浮世絵では歌麿の名作を世に送った。
しかし寛政の改革により風紀取締りが厳しくなると、寛政3年(1791年)には山東京伝の洒落本・黄表紙が摘発され重三郎は過料、京伝は手鎖50日という処罰を受けた。その後寛政6年(1794年)には写楽の役者絵を出版した。寛政9年(1797年)に48歳で没。脚気であったという。
面倒見がよく、また人の才能を見抜く術を心得ていたといわれている。写楽をはじめ曲亭馬琴、十返舎一九など重三郎の世話を受けた人物は数多い。
November 16, 2008
諦念から執念の全裸な人
瀧波ユカリさんの本作品は、既に3巻目であり、このブログで取上げるのも3回目。つまり、毎回取上げたくなるほど好きなのだ。人間関係に対する諦念。しかし、その諦念からくる執念。キャラ化して生きるのではなく、本人化して暮していくことの難しさ。何か偽りの自分のようでいて、決してそうではなく、本音人間の江古田ちゃんなのだ。ここに読者は、そしてワタシは相似形の自分をみつけたい。
そして、その相似形を見たときに、ただ爆笑する。
November 11, 2008
みなさん、礼儀正しく飲みましょう!
黒田硫黄さんの最新短編集(2002-2006年)。「居酒屋武装条例」という近未来SFというか不条理ものが面白かった。居酒屋で客が泥酔したり、暴れたりしたら従業員は否応無くライフルで撃ってよいという世界の話。居酒屋でバイトしたことある人なら納得のリアリティなんだろうな。酔っ払いほど不条理な存在はない。たまに自分もなる。
November 03, 2008
おいっ!小池。 どこにいる?
『おいっ!小池』 森田拳次 最新コミック
ケータイで犯人逮捕、という画期的なコミックがはじまった。現在、警察が必死に追っている凶悪犯を題材にした四コマ漫画が毎週1話しずつ読める。森田先生が描いた犯人の似顔絵を待ち受けにしてあなたも社会の悪を根絶させよう!しかも、懸賞金付き。携帯からアクセス → http://zbk.me/
さて、本日は霞ヶ関で森田拳次先生の新刊 『漫衆少年史「だめ夫伝」』の出版記念パーティに出席させて頂いた。霞ヶ関コモンゲートは休日のためまったく入館できず、最初は壮大なギャグかと思ったら、ビルに附属したレストランだった。
パーティは多士済々。ちばてつや先生や北見けんいち先生、そして林家木久扇師匠 (木久ちゃんの愛称で親しまれる) もお見えになっていた。実は、日本漫画家協会正会員でもある。
そんな幅広い交友も森田先生ならではの賑わいで盛会だった。
藤子不二雄(A)先生、旭日小綬章おめでとうございます!
『 夢 魔 子 』 藤子不二雄(A) 携帯サイト 連載

政府は昨日、秋の叙勲賞受賞者を発表した。その中でも一際 嬉しかったのは、日ごろ携帯サイトの連載で大変お世話になっている藤子不二雄(A)先生 (本名 : 安孫子素雄) の旭日小綬章 (きょくじつしょうじゅしょう)の報である。
明治8年に最初の勲章として制定された。勲章のデザインは、日章を中心に光線(旭光)を配し、鈕には桐の花葉を用いている。
栄典は、内閣府賞勲局が社会の各分野における功労のある方を審査し授与を行う。
今回の受賞記事でもっとも熱い記事は富山新聞だろう。藤子先生は富山県氷見出身で、富山新聞の文化部に在籍していたこともある。以下、記事より抜粋。
「漫画で稿料をもらって五十六年。こんな厳しい世界で描き続けられたのもファンの応援があってこそ」と受章の喜びを語った。
父の急死で転校した高岡市定塚小で藤子・F・不二雄=故人、本名藤本弘=さんと出会い、手塚治虫にあこがれて、二人で漫画を描くようになった。高岡高卒業後は富山新聞社に入社し、藤本さんの誘いを受けて上京。藤子不二雄の合作ペンネームで「オバケのQ太郎」などの人気漫画を次々に生み出した。
単独の作品では「笑ゥせぇるすまん」が大ヒット。「漫画でブラックユーモアの世界を描いたのは、ぼくが初めて」と胸を張る。アイデアの源は富山新聞での記者経験と言い、「インタビューの企画を任され、社会のいろいろな人たちとの出会いが、漫画を描く上での糧になった」と振り返る。
現在も三本の連載を抱える。「若い人の才能には驚くことが多いが、ぼくも創作意欲は衰えていない。何より自分が面白がって、読者と本気で向き合わなければ、いい作品はできないよ」。好奇心に目を輝かせる七十四歳は、ピースサインを見せながら“生涯現役” を宣言した。→ 記事へリンク
November 02, 2008
楽しみすぎて...来年くるな!もう
コミックカレンダー2009 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和
とにかくっ!誰がなんといおうと、増田こうすけの「
ギャグマンガ日和」が好きだ!ここ数年、大笑いし続けている。ずっとだ。だから、この日めくりカレンダーを予約してくるのを待っていた!待っている間も楽しいが、いまや来年になるりのも楽しみになってくるほどだ。だけど、毎日めくるのが嫌なので、来年よ、くるな...
彼の大規模な気付き生活
福満しげゆき氏の作品は、独特の内省によって描かれている。女流作家のコミックエッセイと違い、福光さんの日常はほとんど何も起きない。何も起きないことがネタになっているのだが、本作品においては、奥さんのキャラクターが非常に重要で、愛情からくる苛立ちのような些細なことが日常の重要に転化し、なんとも味わいのある面白さにつながっている。
October 26, 2008
October 12, 2008
家族いらずのロボット小雪
映画化もしたご存知「自虐の詩」の"新"が本作である。まったく実質的な連続性はない。近未来に、普通に家族ごとにロボットをもっている、というよりほとんど恋人のような存在。パパにもママにもいる。ママなんかミッシェルというハンサムパリジャンが恋人ロボットで、火事一切をしてくれる。
帯には格差社会は人を幸せにするか、とある。が、もっと本質的なところで精巧な人間のようなロボットがいたら家族というコンセプトが成立するのかどうか、ということを考えさせる作品。面白い。
October 05, 2008
ヒトコマでわかる世界事情
森田拳次のヒトコマ・ランド (新潮文庫)
森田拳次さんは、31歳の時に連載漫画の世界から一転してニューヨークでヒトコマ漫画を描き始めた。1970年のこである。きっかけになったのが、今回の選者でもある星新一さんがアメリカの新聞のヒトコマ傑作選を単行本化した「進化した猿たち」を読んだからである。
英語もわからない当時の森田さんは、政治漫画を描くことが難しいので、台詞無しで世界中だけでも笑って考えさせるヒトコマを編み出した。無人島シリーズなどはその代表的なコンセプトである。ここに漫画の原点がある。必読。
October 04, 2008
はやく人間になりたい!
妖怪人間ベム―『ぼくら』連載漫画版
ワタシの世代にとって「妖怪人間ベム」というのは、昭和43年に放送され、繰り返し再放送されたアニメである。幼少期に夕方一人で留守番して観るもっともワクワクする作品だった。ビーカーから零れ落ちる液体がやがて異形の怪物となり、早く人間になりたい!と切実に叫ぶオープニングは忘れられない。
これはその原作漫画ではない。永らく、この漫画の存在はアニメと裏腹に忘れられていたらしい。当時 新人作家 田中憲さん(田丸ようすけ)が描いたアニメとの相乗効果をあげるために、講談社『ぼくら』の別冊でウルトラマンの漫画化などで成功した「テレビコミックス」という別冊付録で連載された。コンセプトなどはアニメと共有していたが、同時並行であったため、誕生の設定もアニメとは違う。
このような歴史的に埋もれた作品の単行本化は嬉しい限りである。
死ぬ前に死後を楽しむ父
この度は御愁傷様です (モーニングKC)
得たいの知れぬ奔放な父が死に、「遺産分配はダーツで決めろ」という遺言だけ残った。父は、遺産らしい資産を残していったのか?残された中年の子供たちは父が仕掛けたゲームにまんまとのことになる。
自分が死んだ後のことは確認できないわけだが、死んだ後のことを想像し楽しんでしまう発想が楽しい。だから、死後の世界よりも生きている間に死後を楽しむ話なのだ。
September 27, 2008
男が求める聖母の愛はメーテル
め~てるの気持ち 1 (1) (ヤングジャンプコミックス)
「GANTZ」の奥浩哉さんが、本作を2006年に連載開始した時から、面白そうな作品と思っていた。今回、3巻で完結しているのを知り改めて通して読んだ。「め〜てるの気持ち」とは、正に松本零士のメーテルのコンセプトであり、すべての弱い男を奮い立たせる聖母のような女性をさす。引きこもりの義理の息子を直裁的なやり方(交換日記としたり、犬を飼ってふたりの媒介とさせたり)でコミュニケーション能力を引き出していく。ラストは心が落ち着かないほどの良い出来。
タマミは寂しいから、人を襲うのです。
赤んぼ少女 (ビッグコミックススペシャル)
本作の映画化作品は、この夏公開された。原作が描かれたのが1967年「週刊少女フレンド」(講談社)なので、発表から40年以上経っての映画化ということになる。それにしても、この母子愛のなんとも凄しいことよ。たまみの我侭を一家総出で聞き入れるあたりに 楳図先生の"愛の恐怖"の真骨頂をみた。
September 21, 2008
20年後くらいなら、あまり変わってない?
奇跡のヒト 1 (1) (BUNCH COMICS)
土屋ガロンは、別名・狩撫 麻礼(かりぶ まれい/Caribu Marley、1947年 - )という名を持つ漫画原作者である。ペンネームはボブ・マーレーに由来する。小池一夫の主宰する私塾『劇画村塾』の一期生で、「オールドボーイ―」で名を馳せた。
今回の新作は、新潮社の「コミックバンチ」に連載している作品である。20年前に借金の形に、冷凍睡眠の実験台になった男が20年後に目覚める話である。この設定自体は、タイムマシンものと同類項であるが、主人公のテキパキとした対応力からあまりそのあたりを引きずらないで話が展開していくので、今後も期待できる面白さになっている。
狩撫麻礼の原作としては、1979年から園田光慶、大友克洋、弘兼憲史などいまでは錚々たる漫画家へ原作の提供を行っている。




















