コラム本【結論はまた来週】(著者 高橋 秀実):愛してると毎日言うことでホントに愛するようになことがインテリジェンスである。"Awakening"Pekka Jylhä + Hannaleena Heiska + Sami Sänpäkkilä at Espace Louis Vuitton Tokyo.to Sep-09

June 03, 2012

対談【中国美女の正体】(宮脇淳子と福島香織):対中国ビジネスの基本姿勢のヒントがいっぱい!

IMG_0001中国美女の正体 (フォレスト2545新書)
著者:宮脇淳子、福島香織
フォレスト出版(2012-04-07)













先月は、北京と上海に仕事で行ったのでこの本が役に立った...。というと、女性関係?といぶかしく思われるが、この本は中国女性の生態論を通じて中国という国のキャラクターや歴史を非常に分かりやすく読み解いてくれる対談本なのである。

中国が日本のGDPを抜き世界第二の国家になったことで、日本も中国への関心が以前より高くなっている。しかし実態としては、わかりにくい。

私の感覚的な感想としては、欧米人とのビジネス交渉を経験済みでかつ、以前流行った本じゃないが「NOといえる感性」をもったビジネスマンのみが中国人となんとかやっていけると思う。言うほど簡単じゃないが。


たとえば、中国では二種類のタイプのビジネスマンがいる。一つは「すぐに契約を結びましょう」というタイプ。すぐに契約を結ぶが結局はぜんぜん契約を守らない。不履行ばかり続くのだが、「それは前の担当者の話だから私は知らない」と平気で言う。じゃあ、裁判で決着と考えても、なかなか勝ち目はなかったりする。つまり裁判制度そのもののフェアネス以前に、ビジネスの一作用として契約や訴訟が機能しないのだ。

また一方では、「信頼関係があるのだから契約はいらない」というタイプ。こちらは、ビジネスがはじまるぎりぎりまで値下げ交渉をしてくる。そして、商売がはじまっても一切送金してこない。こういうタイプ。

つまり、どんな優れた日本のビジネスマンでも中国人とビジネスはできないというオチなのである。

しかし、私はいくつかのセキュリティホールを見つけた、と思う。それはここでは記載しないが、まずは、これから中国をめざすビジネスマンに本書を行きの飛行機で読むことをお勧めしたい。


ポイントとしては下記を理解する必要がある...

・ 大陸的な感覚を知ること。間をとる必要は絶対ない。まずギリギリまで詰めてくるが、相手の妥協はない。だからこちらの妥協もない。タクシーではまず相手がいくら出すがきいてくる。相手の言い値は法外である。自分の価値観をしっかり持たないと、まあ安いからいいか、では今後の交渉が思いやられる。私は、絶対自分の言い値(確実に自分の場所とホテルの場所の距離を把握すること)以外妥協せず、駄目なら地下鉄にのった。2元カードにも荷物検査にも慣れている。

・ 2千年に及ぶ儒教の影響で特に北京では男系社会。男に生まれたら勝ち。女性は男の子を産んだら勝ち。それ以外は負け。それでも奥さんは旦那にいつ捨てられるかわかないので、結婚後も旦那の行動をチェック。弱みはいつもメモ。
つい先日も重慶市トップの薄熙来( ボー・シーライ)党委書記が更迭された。あれも、悪妻ゆえの露見とうわさされている。中国のホラー小説の幽霊が必ず奥さんだったりするにはそれなりの訳があるのだ。

・ 中国人は基本的に自分たちを中国人と思っていない。政治的に共和制になっただけだからである。だから地域で北京人だったり上海人と思っている。ただ、唯一自分たちを“中国人”と思うときは日本人の悪口を言っているときである。これは、日本人の政治家がくるだびに謝るから、「毎回、謝るほど悪いことをしたのだ」と思うらしいのだ。市井の人たちと話す感じで反日感情があると思えなかった。

・ 仕事のネットワークは基本は家族。家族の結束は、血縁の結束だけでなく、お金の結束も意味する。中国のツイッターと呼ばれる新浪(シンラン)のCEO曹国偉(チャールズ・チャオ -Charles Chao)は、胡 錦濤(こきんとう フー・チンタオ)の娘婿だったりする。あと、美人は美が権力やお金を生むことを熟知しているので、かつてから西施(せいし)、王昭君(おうしょうくん)、貂蝉(ちょうせん)、楊貴妃(ようきひ)など古代四大美女など国を動かす影響力で権力を動かしていた。

・ 中国は17世紀まで人口1億人いなかった。20世紀の1949年に中華人民共和国ができるまでは、中国よりもっと広い地域を統括する集合体として清朝があった。清朝が五大種族(漢族、満州、モンゴル、チベット、ウイグル)を束ねていたため、宗教と法律と言語を守った。

・ 清朝は、1636年に満洲に建国され、1644年から1912年まで中国を支配した最後の統一王朝。清朝皇帝は、漢人にとっては皇帝だったが、満州人にとっては部族長会議の議長であり、モンゴル人にとってはチンギス・ハーン以来の大ハーンであり、チベット人にとっては仏教の最高施主であり、イスラム教徒にとっては保護者だった。

・この連合国家は、アメリカ大陸の発見によるジャガイモ、トウモロコシなど食糧確保に非常に便利だった。そのことで人口が爆発的に増え、現在の食糧難や部族間対立につながっていくことになる。それでも19世紀には3億人を超え、再び食糧難となり、東南アジアに出向いた人たちが“華僑”とよばれる。華僑の“華”は仮住まいを意味する。それくらいの覚悟で出向いたのだ。

以上、こういう基礎的な話もいっぱい詰まった本書は気軽に中国の感触が確かめられる良書である。ぜひ!

tabloid_007 at 20:39│Comments(0) Book 

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