October 10, 2011
映画「アジャストメント」(原作 フィリップ・K・ディック): 誰かに調整されない人生、自分で運転する人生。
アジャストメント [DVD]
監督 ジョージ・ノルフィ
原作 フィリップ・K・ディック
出演:マット・デイモン、エミリー・ブラント
ジェネオン・ユニバーサル(2011-09-16)
「SFマガジン」を熟読した世代にとって フィリップ・K・ディック 原作作品は見逃すわけにいかない。
お話は、フ元バスケットボール選手のデヴィッドは上院議員候補。彼はある日、ダンサーであるエリースと出会う。二人が結ばれるのは時間の問題だったが、翌日デヴィッドは黒ずくめの謎の集団に拉致されてしまう。「運命調整局」と名乗る彼らは、世界の時空と人の運命を自在に操作・調節し、世の中の調和とバランスを監視する組織であった。
SF映画の定番ネタとして、誰かが人の運命を左右するジャンルがある。タイムスリップものに多い。この時運命が変わる、というヤツだ。今回は、ある大きな神様の代理人のような力をもった黒づくめの人たちが二人を出会わないようにする。二人が出会ってしまうと狂う運命がある、という訳だ。
これは、人の運命を偶然と考えるか必然と考えるかという問題に帰趨する。毎日が何かの選択をせまられている訳で、あの飛行機に乗らなかったら、あの人と会わなかったら、人生はどう変わったか?悪くなったか?良くなったか?
それは誰にもわからない。一寸先は闇なのか、輝かしい光なのか?人は言葉の力で現在や過去を相対化することができる。しかし、いまから1秒先のことは誰にもわからない。
だから、映画では「調整」は他人が行うが、自分の人生では「調整」は自分で行う。そして、その結果を受け入れなければならない。だから、一日一生なのだと思う。
tabloid_007 at 15:55│Comments(0)│
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