October 08, 2011
コラム「もしもし、運命の人ですか。」 (著者 穂村 弘):自覚した時にはかかっている恋と風邪。
もしもし、運命の人ですか。 (ダ・ヴィンチ・ブックス)著者:穂村 弘
メディアファクトリー(2007-03)
最近、エッセイといえば穂村さんである。
先日、マッチドットコムという米国の大手出会い系サイトのアルゴリズムの面白さを知った。
背が高くて、面白くて、賢い人、という条件があるとする。その条件をある程度備えた人を週に3人は紹介するらしい。だが、もう一人4人目は、ぜんぜん条件の違う人を紹介するらしい。すると、意外と条件外の人と交際したりするらしい。
そういうプログラムがなされているのだ。その理由は、人は自分の好みについて意外と知らないからだ、という。だから、つまんない人だけど、最高に落ち着くってことで付き合うこともありうる。
この本の中にでてくるOLが「今から思えば、性格は2番目に付き合った人が良かった。ルックスは4番目の人で、収入は6番目、ギャグの面白さは最初の人だけどな...」というように、すべての恋人の長所をひとつにできないもどかしさが生まれてしまう。「余りにも自由な恋愛世界では、丸ごとの『ひとり』と『ひとり』がきちんと向き合って、地道な関係性の構築を行うのが難しいのだ」と著者は指摘する。
そんな、電車の中や著者のまわりの会話などを盗み聴きするような楽しいエッセイになっている。以下、面白いエピソード抜粋。
・ 初対面の女性の名刺を貰った時、それか「小谷真由美」とか「高田泉」とか「森川美奈」だったりすると、この人こそ運命の人ではないかと思う。なぜなら、名前がシンメトリーだから。そこには神秘的な何かを感じる気がするらしい。
・ 第一印象対策。特に何も思っていない相手から「好きです。好き好き」と何度も口説かれて好きになることがあるか?応えは、2極化しており、押されて動くタイプとそうでないタイプがあるという。後者の理屈は、見た目では判断つかないが話せば3分で友達か恋人かのクラス分けができるらしい。
・最高の自己アピールは、圧倒的な「個性」の提示に尽きる。友人の中でいつも複数の貯金通帳を持ち歩いており、初対面の女性にその残高をみせる男がいる。「これと、これとこれを足してごらん、ほら6千万円だよ」などというのが、非常にモテるらしい。それは決して金の力だけでなく、異常キャラクターそのものに異性は惹きつけられるからだ。
・恋のかかる瞬間の自覚。それは風邪に似ている。風邪における「ぞくぞくする」「喉が痛い」が、恋においては「どきどきする」「声を思い出す」などに置き換わる。恋わずらいというだけはある。免疫力のない若い個体には、それぞれの症状がよ強く現れる。恋も風邪も子供は一気に高熱が出てすぐに下がるのに対して、歳をとるとなまじ免疫があるせいか曖昧に始まってぐずぐずと長引くのだ。以上の類似点から恋の原因が未発見のウィルスだったしても驚かない(驚くけど)
以上、是非ご一読を。
tabloid_007 at 20:59│Comments(0)│
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