コミック『うちの妻ってどうでしょう?』 (著者:福満 しげゆき) : 中学生の鬱屈をもった中年が、天真爛漫な妻を描くとスペクタクルになる訳DVD『私の中のあなた』 (キャメロン・ディアス) : 不治の病の姉と、臓器提供のために生まれた妹。この映画はお涙頂戴ではなく、死が生を救うべきかという話。

September 25, 2010

「バカボンのパパよりバカなパパ 赤塚不二夫とレレレな家族」 (著者:赤塚りえ子) : 娘が物心ついた時には既に父親ではなく、父親は"赤塚不二夫"という有名な記号になっていたのだ。

IMG_0001-OJHUGバカボンのパパよりバカなパパ 赤塚不二夫とレレレな家族
著者:赤塚りえ子
販売元:徳間書店
発売日:2010-07-01









ワタシは赤塚りえ子さんと同い年である。ワタシが41歳のとき、バカボンパパと同じ年齢になったということで、「これでいいのだ14歳。 ~バカボンパパに学ぶ14歳からの生き方哲学100~」という本を書かせてもらった。

その時に、りえ子さんとお父様の話をいろいろお聞きしたことがある。しかし、本書を読んで、もっと二人の関係がわかるようになった。

りえ子さんが物心ついた時は既に離婚などという外側の理由ではなく、父親はいなかったのだ。父親ではなく父親は"赤塚不二夫"という有名な記号になっていたのだ。だから、その寂しさ、父の不在は、"赤塚不二夫"が"赤塚不二夫"でなくなった瞬間に戻ってきた。それは突然戻ったのではなく、病魔や老いによって、徐々に本来の父親に解凍されてきた、と言った方が適切かもしれない。

だから、本来の父親なら娘を溺愛して、そしていつしか娘は親離れしていく。それが赤塚りえ子さんにとっては逆だったのかもしれない。だから、お父様が亡くなったとき...本当につらそうだった。一番 父と娘が愛し合っていた時に別れが来たのではないかと思う。

そういう勝手な想像をして本書を読んだ。数日たって、りえ子さんに感想の手紙を送ろうと思ったが、やめておいた。既に、この本が出版されたことで、りえ子さんの心の整理は少しは済んでいるのではないかと考えたからだ。また、まわりがどうこう感想を述べる必要もないのかもしれない。本書を読んだ読者が、それぞれに自分の中の赤塚不二夫像と父親像のギャップを埋められれば、それが赤塚漫画ファンの一番の務めだろうと思う。

tabloid_007 at 23:16│Comments(0) Book 

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コミック『うちの妻ってどうでしょう?』 (著者:福満 しげゆき) : 中学生の鬱屈をもった中年が、天真爛漫な妻を描くとスペクタクルになる訳DVD『私の中のあなた』 (キャメロン・ディアス) : 不治の病の姉と、臓器提供のために生まれた妹。この映画はお涙頂戴ではなく、死が生を救うべきかという話。