September 13, 2010
五代目撥屋 岩田恵治について私が知っている二、三の事柄
五代目撥屋 岩田恵治
7月の終わり頃にブランド経営コンサルタントの坂之上洋子さんからアーティスト岩田恵治さんの作品を教えてもらった。作品は、麻布十番の「山川屋」さんという漆器店に飾ってあるという。
翌日に早速行ってみた。その時に燦然と輝いていたのが、この古いコカ・コーラの鉄看板の上から無造作に漆を塗りこんだ作品だった。衝撃を受けた。アート脳が"ねずみ男"のようにビビビと震撼した。それから何度か山川屋の主人である林さんと話すようになった。
そしていよいよ、先週の土曜日9月4日に岩田さんご本人と会うことが出来た。本拠地の名古屋から所要があって来られたという。
岩田恵治さんの略歴は下記の通りである。
1957年生まれで、現在53歳。
神奈川の日本大学藤沢高校を卒業し、現役で2次希望の東京造形大学に
合格したが、仕事の都合で断念。
1980年に結婚後、数ヶ月フランスに滞在。その後、奥様のご実家である仏具業を手伝ううちに「洋画ばかりでなく、日本美術を再認識すべき」と考えた。
そして、撥屋 五代目となる。



名古屋の倉庫には、それらのアート作品だけじゃなく 増上寺で使用した撥の円筒部分など江戸時代のものも保管してある。上記の巨大撥は、江戸期を中心とした絵画を基に洋風テイストで描かれたもので、失われつつある漆の世界を世の中にアピールするために造られたのである。
高価な漆が余るのがもったいないということで、アート作品を創るようになった。それが20年前。山川屋とは10年来の付き合い。伝統の漆塗りと対極的な岩田作品を知る事で、漆の一つの可能性を知ってもらいたいと考えている。伝統的な漆の塗り方(満遍なく塗って、擦って、磨いて)だけでは飽き足らず、凹凸や塗りかけのようなテイストをだしている。
数年前に突然4時間ほど記憶喪失(MRIで検査したが異常なかった)になり、個展や個人のフェイムよりも作品を創り続けることに意義を感じるようになる。
ワタシとしては... 岩田作品の根本精神(漆を使った日本独特の新しい表現方法とその美)を具体的に世の中に提示していかなければと感じている。
忘れ去られようとしている漆の魅力を現代に合う見せ方で後世に伝えたいものだ。

左上:飢えのコカ・コーラ作品の拡大写真。
右上:木に金箔と漆で描かれている。2枚で1つの作品を構成している。古い仏像の金箔が元の金属から剥がれるのは、その間が真空のような状態になり剥がれ易いという特性から来るらしく、透明な漆はその接着剤のような役割は果たすのだ。そういう技術が本作にも生きている。
下記は、撥の存在を世の中にアピールするために自主的に岩田さんが制作した映像「地球は木魚だ」。篤とご覧あれ!
この記事へのコメント
初めましてdvitと申します。
岩田さんとは二度程お話しさせて戴きました。
破壊寸前の地球を岩田さんの美しい撥で再生したいですね

ご丁寧に有り難うございます。
楽しみにしております



