May 16, 2010
『サザビーズ「豊かさ」を「幸せ」に変えるアートな仕事術』 (著:石坂泰章)=競売出品の三大要素:3D=Death(死), Divorce(離婚), Dept(借金)
サザビーズ 「豊かさ」を「幸せ」に変えるアートな仕事術著者:石坂 泰章
販売元:講談社
発売日:2009-10-16
オークション会社の裏側を最大手の競売会社社長が平易に紹介した本。たいへん面白かった。
・ オークションに出品される三大要素:3D=Death(死), Divorce(離婚), Dept(借金)
・ 世界のセカンダリー市場(2008):10,800億円>サザビーズ5,200億円+クリスティーズ5,100億円(95%)
・ 日本のセカンダリー市場(2008):170億円(9社合計) * 1.57%市場
・ 競売手数料=買い手:25%(up to 5万ドル), 20%(uo to100万ドル), 12%(above 100万ドル) 売り手:10%を上限にフレキシブルに設定
・ 絵の担保価値:海外ではオークションの落札予想価格の下限50%まで銀行が貸し付ける
・ 絵の価格:あってないようなもの、という人がいるが、野菜やガソリンと同じで需給関係で決まる
・ 作品の評価:必ずしも、作品評価だけでない。ウォーホルの「レッドショット・マリリン」は彼が銃撃された時に、作品に銃弾の穴があいた。それを原版にプリントしてものは高価。ドラマチックな人生に対する付加価値がある
・ オークション会社のスペシャリスト(アカデミックな知識+市場の価値を見極める目利き):雑用の後、カタログ作りのアシスタントになる。作品の真贋証明を取得したり、権威である学者から作品の解説をきく。修復家と一緒に作品を検証したりして経験を積む。何年かすると「カタロガー」という取り纏め役となる。そこから正式なスペシャリストになると、査定する権限を持つ。セールの構成にも関われるようになる
・ 画商が公立美術館に作品を収めると、売買の流れがそこで止まり、作品が流通することはなくなる
・ 個人コレクターに収めると、いつかは手放し、また取引になる。お客様の持っている作品も画商にとっては在庫といえる
・ 日本の蒐集文化:人に見せることを前提にしていない。正倉院が良い例。大半は宝物としてしまいこむ。欧米人のように客間に飾ったりせず、時折出してはひそかに楽しむのが基本
・ 企業のアート投資:投機はいけないが収益は出す必要がある。個性的なコレクションを作り、展覧会を開いたり、美術館に貸し出すことで知名度とイメージ向上を図る。女性誌の読者は、ダイレクトな広告よりもモデルへの衣装協力のクレジットに興味を持つ。だからカタログの所蔵先は注目される
・ 美術品は投機に向いてない:短期売買には手数料が高い。また市場流動性に乏しく現金化も望めない。しかし、資産としては優れている。持っていても税はかからないし、相続税をとられるが世代を超えて受け継ぐことが可能。家や土地と違って、どこへでも持っていける
tabloid_007 at 18:19│Comments(0)│
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