島田忠幸作品の空洞を埋めるのは、見る人の創造力なのである。原研哉の本「はだか」:毎日裸になるのに裸で外を歩いてはいけない理由がわかる本

March 14, 2010

荒川弘の「百姓貴族」は生き物を食として考えるきっかけになる

OKOWI百姓貴族 (WINGS COMICS)
著者:荒川 弘
販売元:新書館
発売日:2009-12-11










人気コミック「鋼の錬金術師」の著者である荒川 弘さんのコミックエッセイ。ストーリー漫画とは一転した農家の話。荒川さんの実家は北海道の酪農家だったのだ。

野菜など東京に来るまで買ったことが無いという。水がなければ牛乳を飲む日常。台風がくれば鮭が牧場に舞落ち、芝生は絨毯のように捲れてしまう風土。

牛の世話を朝から一生懸命行い、愛情を降り注ぐが 精肉にだされる時に流す涙も生き物が生きていくためと心を鬼にして送り出す。

イルカ捕鯨問題で、日本人が非難されているが、生き物が生きていくために他の生き物を殺すのは自然の理と思う。毎年米国で3,500頭の牛が食肉と化しているが、それも同様のことと理解する。牛を愛して育てて食するまでを体験している作者ならではの問題意識がコミックエッセイという軽妙な語り口でかえって考えさせられる秀作。

tabloid_007 at 21:48│Comments(0) Comic 

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島田忠幸作品の空洞を埋めるのは、見る人の創造力なのである。原研哉の本「はだか」:毎日裸になるのに裸で外を歩いてはいけない理由がわかる本