January 11, 2010
魔法のような生原稿価格相場
魔法なんて信じない。でも君は信じる。 (本人本)
著者:西島 大介
販売元:太田出版
発売日:2009-10-29
近年、ブログのような個人がメディア力を持っているので、いままで業界の中でしか知りえなかったことが露見することが多くなった。
「金色のガッシュベル」の作者である雷句誠さんが、小学館から原稿返却の際に、カラー原画5枚を紛失され返却されなかったことや、ずさんな管理体制に疑問を抱き、作者のブログで語ったのがきっかけだった。(2008年6月6日に小学館に対し、損害賠償とポジフィルムの返還を求めて東京地裁に提訴。11月11日、255万円で和解、1枚51万円)
また、2009年12月には、かつて週刊少年ジャンプで連載を持ち、アニメ化実績もあるベテラン漫画家の黒岩よしひろ先生が、生活困窮から生原稿を売りたいとブログで発言し話題となった。本人曰く「とりあえず、1枚1万円以上で売りたいと思う。「サスケ忍伝 」(1987-06)、「魔神竜バリオン」(1988-05)が1冊200pくらいだから、200万円以上で。「変幻戦忍アスカ」(1989-02)は上下で400pくらいだから、400万円以上で。バラ売りはなし、でコミックス1冊分の原稿をまるごと買ってもらえればいいんだけど」
それにしても、作家・作品・時期によって違うだろうが、生原稿の価値は、原稿料と同等かそれ以下というのが相場なのだろうか。
西島大介氏の本書は、「影の子どもたち--世界の終わりの魔法使い3 」(河出書房新社:発売日:2009-11-26)の生原稿67枚が紛失したことによる版元との補償経緯が書かれた本である。最終的には、851万円となる(1枚=12万円)。つまり過失がはっきりしていめ場合は、10倍返しというのがレートなのかもしれない。CMが放送事故などでスキップすると、3倍返しなどというから、漫画の世界はその更に3倍ということだ。仕返しは2倍返し、という喧嘩のルールも現代では、低いレートということになる。
まとめ。
昔の原稿= x 1倍
紛失原稿= x 10倍
感情の縺= x 40倍