正方形のカレの結び方日常に潜む死者の囁き

December 20, 2009

ふみを読む如く眺めるスナップ

KUBARA

鏑木清方の美の世界「清方ノスタルジア」展

2009.11.18-2010.01.11
サントリー美術館
港区赤坂9-7-4
東京ミッドタウンガレリア3階

 

 

 

鏑木清方(かぶらききよかた)(1878〜1972)は、明治11年、東京神田に生まれたアーティスト。画業のはじまりは挿絵画家からだった。明治から昭和初期の市井の人々の中の残る江戸的な日常を得意とした。鏑木清方はのちに肉筆画に向い、愛読した樋口一葉や泉鏡花などの文学を題材として描いた。

中でも朝夕安居(ちょうせきあんきょ)という作品が素晴らしい。昭和初期の築地近辺のスナップショットである。まだ築地が海辺にあり、夕暮れになると女性がリラックスして行水している。また、その横では玄関に行燈に火をともしていたり、さらに、その横の蕎麦屋ではのんびり酒を飲む人もいる。戦争前の市井の人たちの暮らしぶりが活写されている。

よくよく見てみると、こういう横に移動しながら眺めていける絵というのは、日本語の文の縦書きのリズムと構成と同じなのであった。うーむ。素晴らしい。

下は人魚。色使いが随分和風で趣きがある。

NINGYO



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