November 23, 2009
脳の中のニューヨークが現実ということ
映画「脳内ニューヨーク」SYNECDOCHE,NEW YORK
製作年: 2008年
製作国: アメリカ
日本公開: 2009年11月 (シネマライズ ほか)
上映時間: 2時間4分
「マルコヴィッチの穴」「エターナル・サンシャイン」の脚本家、チャーリー・カウフマンの監督デビュー作。
女房、子どもに逃げられたパッとしない劇作家ケイデン・コダート(フリップ・シーモア・ホフマン)に転機が訪れる。マッカーサー・フェロー賞、別名“天才賞”を受賞したという知らせが舞い込んだのだ。人生に行き詰っていたケイデンは、その賞金を全て注ぎ込み、自分の頭の中にある“もうひとつのニューヨーク”を現実のニューヨークの中に作り出すというプロジェクトを実行する。
部隊も登場人物もすべて自分の環境をそのまま忠実にドラマ化しようとする。現実の後追いで、どんどん過去の自分を配役し、セットを作り続けていくわけだ。そのうち、何十年も経ち役者もスタッフもどんどん年取っていく。あくまで、夢想でも何でもなくリアリティを追求していく様子がカウフマンの腕の見せ所である。
この摩訶不思議な映画をみて、当たり前のことだが、自分以外の人にも自立したそれぞれ別の人生があることを意識させられる。教訓めいておらず比喩もない。ただ、人生が横滑りしていくのだ。


