Never ending MJお洒落な機関銃で撃つわよ

August 30, 2009

ポップカルチャーという地場産業

POP日本のポップパワー―世界を変えるコンテンツの実像
著者:中村 伊知哉
販売元:日本経済新聞社
発売日:2006-05

 

 

 

 

麻生太郎がいうように、日本を代表する産業の中でCOOL JAPANとよばれるポップカルチャーは年々その厚みや対外的な影響力を増大させている。J-ANIME, J-POP, J-FASHION など欧米だけでなく、むしろ東アジア全体に受け入れられている。日本自体のメディアコンテンツ市場は約12兆円だが、これには輸入したハリウッド映画などの国内消費も含まれる。これを現政府(総選挙前)は、20兆円まで増加させたいとしているが、117億円の補正予算が組まれ"アニメの殿堂"などと揶揄された「国立メディア芸術総合センター」設立の有無のレベルで議論が終わっているようでは心もとない現状である(ワタシは、この構想に賛成している)。

本書によると、2004年の自国製のJ-POP CULTURE市場は、約2兆円という。内訳は、コミック5,047億円・アニメ3,588億円・ゲーム11,087億円となっている。しかし、これに、キャラクター版権ビジネス16,420億円(上代ベース、外国製含む)やケータイコンテンツ市場2,703億円、カラオケ7,851億円、パチンコの一部、アパレルなどを含めると、実際は4-5兆円の市場規模があるのではないか。これは日本のGDPの1%に及ぶ。この規模はかつての日本を代表した鉄鋼の市場規模と同等なのである。

ならばどうして、もっと日本という国の特産にしないのか。エコールドパリ、1920年代のフランス政府は偉かった。ピカソもマチスも金銭支援した。彼らはフランス人ではない。しかし、パリを愛し、パリで活動していた。当時の外務大臣によれば、アートの輸出額が産業別では5位だったという。国が本当に注力して地場産業を育てるのならば、この程度の努力は、日本政府もコンテンツ産業にすべきなのである。明日以降はっきりする新政府に期待する。



tabloid_007 at 12:35│Comments(0) Book 

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