July 23, 2009
シャネル銀座が映す幻
八谷和彦 Opensky2.0
著者:NTTインターコミュニケーションセンター
販売元:NTT出版
発売日:2007-02
オフィスが築地にあるので、クライアントとのディナーへ出向くときは必ず銀座のシャネルを抜けていくことになる。何人かの運転手さんがその壁面の映像をみて「どうしてビルの窓が動いてるのかねぇ」と独り言をいう。
「シャネル銀座」(2004年12月開業)のビルの壁面ファサードは、アーティストである八谷和彦さんのアートディレクション作品である。全面がLEDディスプレイになっていて、そこにアニメーションが表示される。八谷さんは、アニメを作る際、より正確にビル壁面での上映シーンをイメージできるよう景観シミュレータも考案、これには「ポストペット」の3Dエンジンが使われた。そう八谷さんは「ポストペット」の開発者でもあるのだ。アニメだけでなく、それを表示させるシュミレータも一緒に作れるアーティストはそうそういない。ビルの外壁に70万個の発光ダイオードが埋め込まれており、夜にはビルがスクリーンとなって映像が流れる。シャネルロゴマークをモチーフにしたもの、雲が流れる風景、カウントする数字...。パッとみるとそれが夜空に舞う何かが投影されているのかと勘違いする迫力なのである。
ブティックにオフィスと、地下1階から10階まで、ぜんぶシャネル。売り場面積は世界最大級で、最上階にはご存じのシャネル直営レストラン「ベージュ東京」が入ってる。
◇プロフィール
メディア・アーティスト
1966年 4月18日佐賀県生まれ(発明の日)
1989年 九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業
1993年 カメラとトランスミッターを使った《視聴覚交換マシン》開発
1999年 ジェットエンジン付きのスケートボード《エアボード》開発
個人TV放送局ユニット「SMTV」
コンサルティング会社勤務を経て現在に至る
ポストペット関連のソフト開発会社「ペットワークス」代表